『鋼鉄都市』 アイザック・アシモフ | ほんとなかよし

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警視総監に呼びだされた刑事ベイリが知らされたのは、宇宙人惨殺という前代未聞の事件だった。地球人の子孫でありながら今や支配者となった宇宙人に対する反感、人間から職を奪ったロボットへの憎悪が渦まく鋼鉄都市へ、ベイリは乗り出すが……〈ロボット工学の三原則〉の盲点に挑んだSFミステリの金字塔!


内容 「BOOK」データベースより


アイザック・アシモフは、「幼年期の終り」のアーサー・C・クラーク、「夏への扉」のロバート・A・ハインラインの3人で“(海外)SF御三家”“三大SF作家”と呼ばれ、SF界で名を知らぬ者はモグリだと言う程有名な人。生科学者であり非常に多作な作家であった彼は、SFのみならず推理小説に科学解説書を含め500作品以上の著書を残している。「鋼鉄都市」は、閉鎖されたシェルター型の都市が点在し相変わらず人口増加と食糧問題を抱えている地球、過去に宇宙へ飛び立った人類が宇宙人として再来し地球に干渉しているのだが超文明による人型ロボットの参入により地球上では人がロボットに職業を奪われる現象が顕著となる、人々の宇宙人に対する劣等感とロボット排斥の気運が高まり一触即発の暴動ムードが漂っているのだが、宇宙人惨殺という大事件が発生する。地球人と宇宙人の決定的な決裂をもたらす可能性がある事件に対し主人公刑事ベイリと宇宙人側刑事R(ロボット)・ダニールの相容れない二人が捜査の任に就くのだが・・・アシモフの創作概念〈ロボット工学の三原則〉:人間への安全性・命令への服従・自己防衛:の盲点を突いたミステリーと人間とロボットが築く新世界への展望を描く推理型SF小説である。

人間がロボットに職を奪われる!人間対ロボットの構図は何もSFだけの世界の話ではない、1億円の設備投資を行なう理由は人員削減が目的だなんて話は工場系現場で昨今当たり前の様に起こっている。村人総出で耕し植えていた畑も運転手一人と耕運機・田植え機があれば十分となると、人手なんて要らなくなるのが普通である。現実社会でも人は機械から職を奪われているのだから、人型で人間以上に効率が良いロボットが登場すれば人類に仕事なんてものは回ってこないのも必然であろう。今では当たり前の空想もSF創世記に着想し世界観を築き上げているのだからアイザック・アシモフは凄いと言わざるを得ない。

世界観と科学的着想もさることながら、推理小説として読み応えも抜群である、刑事ベイリはまさに職業を奪われんが為に共同捜査をしているR・ダニールに敵対心を剥き出しにする、その焦りからか時に破綻した理論を持って事件を推理してしまい事件は迷宮入りしそうになる、宇宙人側は捜査開始以前から解決とは別の目的をもってR・ダニールをベイリに接近させており、その成就の可能性をみるや事件を未解決のまま捜査を終了しようとする・・・共同捜査の残された時間が僅かになった時、ベイリの大胆不敵な推理ゲームが炸裂する場面は圧巻の一言!SF御三家と呼ばれるだけにSF初期作品でこの完成度は素晴らしい!!

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)
アイザック・アシモフ
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