『グッド・バイ』 太宰 治 | ほんとなかよし

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被災・疎開の極限状況から敗戦という未曽有の経験の中で、我が身を燃焼させつつ書きのこした後期作品16編。太宰最後の境地をかいま見させる未完の絶筆『グッド・バイ』をはじめ、時代の転換に触発された痛切なる告白『苦悩の年鑑』『十五年間』、戦前戦中と毫も変らない戦後の現実、どうにもならぬ日本人への絶望を吐露した2戯曲『冬の花火』『春の枯葉』ほか『饗応夫人』『眉山』など。


内容 「BOOK」データベースより


「走れメロス」「ヴィヨンの妻」「斜陽」「人間失格」と数多くの名作を残した文豪・太宰治。太宰治の作品を読むと気落ちする、人間不信になる等の意見を多く聞き敬遠していた感が否めない、「グッド・バイ」は太平洋戦争前後に関連する作品が多い事から1948年に人生の幕を閉じた太宰にとって後期作品が集められた一冊となっている。絶筆になった未完作品「グッド・バイ」収録されており文字通り燃え尽きる如く書かれた作品集。酒に溺れて自堕落な生活を送っている事を自覚しつつもズルズルと抜け出せぬ境遇にもどかしさを感じつつも自分は落ちぶれてはいないぞと時に高すぎるプライドが自身や周囲を傷つけてゆく・・・そんな作品が多い。自らの私小説+遺作とまで言われる「人間失格」の主人公も酒やヒロポン中毒に陥り自殺を繰り返していたし本作でも何度となく自殺、自殺と連呼される為に、確かにネガティブに映る作品が多い事は事実である、が作品からは不思議と不愉快な印象は受けない、自殺を繰り返した人物だけにある程度の躁鬱症を抱えていたのだろうか?作品からは溢れんばかりのハイテンションが感じられる、まさに躁状態の人と話しているかのような陽気で愉快な物語が多い、その影で多大な負担を受ける人物が登場するのが可哀想でもあるが・・・「グッド・バイ」収録作品が特にそうなのかもしれないが、全体的に超個人的な事ばかり書かれた物語が多いのも興味深い点である。戦時中を潜り抜けた作者が戦後に書き上げた作品ばかりであるが、戦時状態に関する事や国家に対する事の記述は少ない、むしろそれらに対して辟易している個人的主観に重きが置かれているように思える。太宰治といえば、男性でありながら女性の気持ちを深く理解している作家として有名であるが、果たしてそうなのだろうか?印象的には女性の心情を考え過ぎてよけいに解らなくなった悲しい男の姿を作品から感じたのだけど、どうなのかしら?ここまで有名な人物の作品だと、既成の解釈や読解方法なんかが確立されているでしょうからそういった観点を踏まえて読むのも良いかもしれませんね。

個人的にオススメの短編は「眉山」でした、ちょいと調べただけなので真偽不明ですが近年映画公開「眉山」とは全然関係の無い話のようです・・・強烈な悲哀の印象を残してくれる短編ですので興味深い意味で一押し。


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