FBIの重要証人が殺された。四肢麻痺の科学捜査専門家リンカーン・ライムは、「棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)」と呼ばれる殺し屋の逮捕に協力を要請される。巧みな陽動作戦で警察を翻弄するこの男に、ライムは部下を殺された苦い経験がある。今度こそ…ダンサーとライムの知力をつくした闘いが始まる。
殺し屋「コフィン・ダンサー」は執拗に証人の命を狙う。科学捜査専門家リンカーン・ライムは罠を張って待ち構えるが、ダンサーは思いもよらぬところから現れる。その素顔とは。そして四肢麻痺のライムと、その手足となって働くアメリア・サックス巡査の間には愛情が育っていくが…。サックスにダンサーの魔手が迫る。
内容「BOOK」データベースより
リンカーン・ライム第二弾!“棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)”は“私の最大の武器は人を欺く事”と巧妙な偽装や変装、類稀なセンスに超人的な嗅覚で一度狙った獲物は必ず仕留める凄腕天才暗殺者。過去に部下を殺され取り逃がした宿敵の登場にリンカーン・ライムが挑む!武器密売人を告発する証人3人が暗殺されるのが先か、ダンサーを止めるのが先か?殺しの天才VS捜査の天才、勝負の行方は?今作品の見所は、やはり“狩人(ハンター)”対決!爆弾知識に狙撃の腕、心理戦にも長けた文字通り命を狩るコフィン・ダンサーと、微細証拠物件や現場状況証拠を積み重ね圧倒的な犯罪学知識で犯人の足跡を狩るライムの攻防戦!ダンサーの偽装にライムの罠が互いに火花を散らす、そして最後の最後まで両者一歩も譲らぬ展開は度肝を抜かれる事になる。この二人の対決は好敵手って言葉がピタリな印象。物語の舞台は、“ハドソン・エア・チャーターズ”という個人航空会社の証人3人が登場する事から空港や飛行機内の場面が多いのだが、ジェフリー・ディーヴァーの取材力と言うのか風景描写や関連知識の豊富さに驚きを覚える、ミステリーの為に専門知識を習得するレベルを遥かに超えている印象である。おそらく専門書顔負けの知識量だろう、一流の小説家に必要な技術の一つに物事の表面を捉える力が他人より特出していれば良いと言われる、だが超一流のディーヴァーは物事の本質まで知らねば気がすまないのではないだろうか?天才ライムを描く事が出来るのはやはり天才という事なのだろうと改めて感じる。さて、豊富な知識ついでに言えば、暗殺者や暗殺手法、特に爆弾と狙撃に関する知識も素晴らしいものがある。これら要素は、物語や事件を構成するだけでなく登場人物の個性にも直結する訳で、暗殺知識関連により“コフィン・ダンサー”の天才的な暗殺力に魅力はぐっと高まるのである。天才天才と連呼しているが、本作には第三の天才が登場する、それは暗殺対象の証人の一人、パーシー・クレイである。同じく証人である夫と航空会社を経営すると同時に天才的な飛行機パイロットでもある、彼女の存在がこの作品では一際輝いて見える事だろうし、アメリア・サックスとライムの愛情を深める大きな要因にもなっているので欠かせない登場人物の一人ではないかと思う。サックスを初め様々な捜査協力者達一人一人を紹介したいのは山々だけども魅力的過ぎる人物を一人一人挙げていけばキリが無い程素敵なのがディーヴァーの作品である、個人的にはスカーフェイスがシリーズから退場になったのは誠に残念でならないが今後に期待出来そうな二挺拳銃ベルの登場等が嬉しい所か?最後に、本作品のそう来たか感が尋常じゃなかった事だけはお伝えしたいと思う、とってつけたようなどんでん返しではなく全体に絶妙に配置されていた伏線が見事に炸裂する時に全身に震えを感じる事になるだろう。予想や推理がミステリーの楽しみ方というが、もはやそういった水準を超えて、驚愕や戦慄を感じる事に快楽を感じる事が醍醐味なのだと知る一冊。オススメ!
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