『時計じかけのオレンジ 完全版』 アントニイ・バージェス | ほんとなかよし

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近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく笑いながら繰りかえす。だがやがて、国家の手が少年に迫る―スタンリー・キューブリック監督映画原作にして、英国の二十世紀文学を代表するベスト・クラシック。幻の最終章を付加した完全版。


内容「BOOK」データベースより


本ブログを読む前に、未完全版である「時計じかけのオレンジ 」を読んでいただけるとありがたい。

※本来未完成版とは言うべきでは無いのだが、完成版と対比するため未完成版とする。


「時計じかけのオレンジ」は最終章が収録されている初版とされていない以降の版の2バージョン存在する作品、本作品は完全版と銘打ち幻の最終章を含んだ復刻版作品である。私は幸いな事に最終章を含まない版を先に読み本書を後から読む事になったのだけども、この順番で読んで正解だったと思うし、今後読み比べを考えている読者にも同じ順番(最終章無し→最終章有り)をオススメしたい。まず私は最終章が無い方からは、“圧倒的な暴力性が生み出す個人の自由”と“全体主義化する個人を統制する社会”の二軸対立構造の物語だという印象を受けていた。しかし最終章が挿入される事で“個人そのものの持つ変化・可能性”といった要素が加わったような印象を受けました。最終章に関しての評価はまさに賛否両論との事で、様々な見解や解釈が生み出されているそうです。私は優劣つけ難いなと思っているのですが案外最終章に対する辛口な意見が多かったりもします、確かに青臭く社会に反抗していた少年が刻の経過と共に大人になってしまった姿を目の当たりにするとなんだか残念に感じるかもしれませんものね。そういった変わってしまう主人公に対して違和感を感じるか、それを感受して読めるかどうかで印象が変わる作品ではないかと思います。個人的には外的要因から変化するそれまでの章から自らの生命で内的変化をするアレックスの姿が最終章で見れた事に非常に感動を覚えたのだけれども・・・どうなのだろう?人気小説「ビブリア古書堂の事件手帖」で題材にされ書店で見かけるようになった本作だけども、作品自体の魅力は物凄いものがあります(だから題材になったわけだけども)。ですので本作品はミーハー気分でも良いので手を出してみるのも面白い一冊かもしれません。非常に暴力的で癖の強い作品ですが、新境地開拓の意味でも読書しておいて損は無い一冊。最後に読み比べと言いながら、完全に比較していないのでなんともいえません(ブログには続けて書いていますが2冊に約2ヶ月の間隔があった)が最終章部分以外は、同じ訳者である事から然程ことなった印象を受けませんでした。ので読み比べを簡単に済ませたい人は・・・完全版を買って最終章だけ読まない→その後最終章を読むって手法を取っても良いのかもしれませんね。※ちなみに私の場合は、未完全版を図書館で、完全版を購入で読みました。



時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)
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