16歳。セカイは切ない。僕らは走る。4TEENの4人が帰ってきた!―。
内容 「BOOL」データベースより
第129回(平成15年度上半期)直木賞受賞の「4TEEN」の続編となる「6TEEN」。石田 衣良さんの豪胆さには驚かされる、大型文学賞は作家の人生そのものを変えてしまうと言われる。その受賞作品の続編を書き上げるんだから驚くばかりである。文学界で最大の賛辞(と凡人は思ってしまうのだが)ですら、通過点でしか無いよと言わんばかりの気概を感じる。高評価された作品の続編は特に難しいもので、読者の期待であったり、以前とは違う何かを求められるものであるが・・・「6TEEN」は「4TEEN」から何一つ損なっていないばかりか、設定上2歳成長した主人公4人組と同じく作品がバージョンアップしている印象を受ける。本書の読者は間違いなく「8TEEN」を期待する事になるだろう。何がそう思わせるのだろうかと考えてみたのだけど、永遠に続いて欲しい一瞬が詰まった作品なのかもしれない。主要4人の登場人物の相も変らぬ友情は素敵を通り越して奇跡の域に到達しているように感じる。前作で様々な問題を乗り越えた4人だからこそ続く友情かもしれないが、現実世界で多くの親友と呼び合った人と別れを迎えてきた人ほど、彼らの繋がりに憧れを超えた悔しさの様なモノを感じ取る事になる。そして願ってしまう、この物語と4人が永遠に続いて欲しいと・・・自らを投影できない程に美しい友情の一冊。石田 衣良さんを好きになったきっかけは、「石田衣良の白黒つけます!!」を読み、物事の価値観や観方に面白さを感じたからでした、白黒をつける趣向の書物だった事もあり、白黒をズバっと論じておられる作品で痛快だった事を覚えています。が、石田衣良さんの凄さは白黒をつける技術ではなく白と黒という相反する価値観を理解して備えているという点でしょう。と・・・今ならばそう感じる様に思います。
「4TEEN」「6TEEN」共に、作品の視点を担うのは主要4人メンバーの1人テツローです。彼は常に冷静沈着に物事を眺め、中性・中立的な視点や発想を周囲や読者に与えてくれます。彼の台詞は特別でも奇抜でもないのですが心に残る一言を次々と放ちます、そして全てが人生がちょっぴり楽しくなるような前向きな思考を与えてくれます。価値観が多様化する時代に、白黒を知る作者が贈る超グレーゾーンの少年達の物語。「ほんとの大人になるということは・・・」解説にも引用されていますが、胸に残る台詞。