『反・幸福論』 佐伯 啓思 | ほんとなかよし

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だったらいいな・・・

無縁社会の何が悪いのか。遁世も悪くない。「ポジティブ」がそんなに善いのか。格差是正なんて欺瞞だ―。権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている。大震災、政権交代、「正義論」ブームなど近年の出来事を稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれたこの国の正体が露わになる。柔らかい筆致の中に、日本人の禍福の真理が詰まった至高の啓蒙書。


内容 「BOOK」データベースより


反・幸福論と題名がついていますが、印象的には「幸福論」そのものでした。あくまで現代で主流とされている幸福論に一考を与え、価値観を見直す事を述べているに過ぎなく、期待していた脱幸福論ではなく新幸福論もしくは様々な価値観から見出す真幸福論が述べられているような気がしました・・・本書で描かれる幸福は、個人レベルの事象ではなく国家や社会レベルでの幸福が主軸に置かれている様に思えます。国家や歴史レベルの潮流の中でどう考えていけば良いのかと言った内容なので、自らの考えを変えて道を切り開いていこうって論調の攻撃的幸福論では無いので、自己啓発系の幸福論を期待していた人には若干面白みを感じないかもしれません。また、反米主義的または反現代的な論調が強い傾向にありますので好き嫌いが別れる点かもしれません。ここら辺の主義主張に関しては論じ始めるとキリがない事なので触れないようにしますが・・・本書の最大の利点を挙げておきますと、作者の意図が介在した解釈を基に書かれている事を前提としても理解し易い形で哲学者の大家の哲学が引用されている点ですね。ニーチェやハイデガーを筆頭に、最近人気を博しているマイケル・サンデル教授の「正義論」などなど・・・各著者の作品を読んだ事のある方が読めば1つの解釈を得る事が出来て勉強になるのではないでしょうか?私は宮沢賢治さんの詩の解釈が書かれていたのは非常に嬉しい気分になりました。他にも様々な哲学者や宗教家が引用されていますのでは多種多様な価値観を感じるのに良い一冊だと思います。



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