『死体の犯罪心理学』 上野 正彦 | ほんとなかよし

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だったらいいな・・・

近年多発する凶悪殺人事件。異常な犯罪が起こるたびに犯罪者の精神傾向が取り沙汰される。しかし、犯人個人の精神分析をするだけで、事件の真相を明らかにすることができるのだろうか。社会を揺るがせた一連の事件を、犯罪心理学と法医学の両面から深層をさぐり、社会的背景、さらには人間の本質に迫る。


内容「BOOK」データベースより


人体解剖という法医学の観点から見た現代凶悪犯罪に潜む人間の深層心理や社会像は経験則から導かれたもので一定の説得力を持ち納得する事が出来る。特に猟奇の象徴バラバラ殺人に観える犯人の深層心理には驚かされる。事件そのもののイメージと死体から得る深層心理では違うのだと学ぶ。しかし読後の感想は後味が悪いホラー作品を見た後のような印象を受ける。作者は解剖医との事から既にあの世へ行った事後の存在である死体を扱う人物なので当然、凶悪事件後の現象に触れる人間である、著者が述べる考察や推論は経験に基く根底ある意見ではあるが事件そのものの事後に語られる言葉でしかない・・・例えば戦後に戦争を語り考察する様なもので・・・結局それは戦争の分析でしかなく今後の戦争予防に繋がるのかと言えば話は別になってくるのではないだろうか?事件が起こった後の推論や事件解決のヒントにはなるが予防や防犯に繋がりそうにないのが悲しい。そもそも社会にはアウトサイダーな部分は存在するが、アウトサイダーにも規範や思惑は存在する、しかし凶悪犯罪者には規範や思惑なんてものが全く理解出来ない部分で存在するように思える・・・サイコパスと称される異常者と表現するのは凶悪犯罪者とは言えども人権侵害なのかもしれないが彼らを理解する事は不可能だろうと思う。理解できないものを理解するには異常である他殺体を扱う必要があるのかもしれない、そんな悲しい思いをしてしまう一冊。あまりオススメは出来ないが、「異常快楽殺人」が観点こそ違うが世界の猟奇犯罪を扱った作品として同類の匂いを感じる(あくまで私が読んだ中での話だが)。出来ることならばこれらの作品には触れないその他大勢の人生を歩みたいものです・・・