窓からの景色はいかがですか


貴方様はあまり興味ないのですね

でも たまには見てみるのもいいですよ


はい 気が向いたら

それでかまいません



では 今日は空人の話をしましょう



空人なんて言葉は、辞書にはありません

ただ空に人と無理やり組み合わせただけでしょう


空に人はいないから

空に羽ばたく翼を ヒトは持ち合わせていないから


空はいつになく青空です

不安な気持ちを薙ぎ払うかのように

何か 気持ちに整理がつかなくなったときに


太陽の出ていない青空を見てください


はい たまにでよろしいです

きっと さっきの自分にさよならできますから




お目覚めですか

おや 少しお顔が険しいかと


いえ 失礼致しました

ご無礼を


貴方様のお顔が あまりにも無愛想で

どうなされましたか?



そうですね

落胆した人の話をしましょうか



この女性は今の貴方様と同じような顔をしています

彼女の目には何が映っているんでしょうか


生気がない という言葉が一番適切でしょう


瞳にたくさんの涙を溜め

静かに目をつむる


そして静かに倒れました


何をしたいのでしょう

何を伝えたいのでしょう


知っているのは

当然 彼女だけです



お久しぶりです

お部屋から外へ出られなかったようで


お顔を見れなくて

私は淋しかったです


いえ、お世辞なのではありません

私は貴方様のために存在する者

貴方様なしでは存在する意義がないのです



はい

では 哀れな人のお話をしましょう



突然の知らせで 明日の予定がなくなってしまった女性がいました

とても仲の良かったご友人なのでしょう

風邪をひいたとの 電子郵便の知らせです


梅雨時期のこんな晴れた日に もったいないと思いながら


彼女は暇を持て余してしまったようです

数日前から予定を入れずに 待っていたのに


昨日に嬉しそうにその話をしていた彼女の顔は今はありません




どうしたんですか そんなにお顔を濡らして…


微笑んでも 誤魔化しきれていません

どうぞ こちらへ



何をそんなに泣かれているのですか

私に申し上げてください


何か貴方様の力になりたい

私はそのためだけに在る存在なのですから




今日はお話は本の素晴らしさを知った人のお話です



たった1冊の本があります

この本は有名な作家が書いたわけでもありません

ただの詩人が 詩に乗せて 書いた本なのです



その本をぎゅっと持つ小さな女の子

母親を待っているのでしょうか 水たまりばかり見ています



「世界を変える 私を変える本」



水たまりに言います

水たまりには少女ではない誰かが映っています

少女はきっとこの人に話しかけているのでしょう


左目からは溢れた涙が頬を伝って 水たまりへ

弾かれるのではなく 中へと吸収されるように



「……淋しいだけなの」



水たまりに映る人物は言いました



少女は水たまりに本を落としました

水たまりに映る人物の手には しっかりと本が




「私が貴女なら これを読んで」



少女はそういうと、どこかへ行きました




少女はそれから水たまりにはいきませんでした






こんにちは
少しは眠れたようですね


お気持ちは晴れていますか?


では、今日は一方的な人の話を致しましょう


必死に笑っている女性がいます
作り笑顔ではないようですが
自分を保とうとしています

彼女の付近に
彼女が思いを寄せている人がいるようです

しかし
その方は他の女性と楽しそうにしています
ほら 笑い声が聞こえます
親しそうですね


その方は違う女性に恋をしているのです

また 笑い合っています


そのたび
彼女はこの場から逃げたいと思っているでしょう