「ウンコ、だめじゃないか。
こんな雨の日に外に出るなんて。
あーあ、こんなに濡れちゃって。おまけにそんなに寒そうに…
さぁ、部屋に戻るぞ。」
「やだもん。
あんなうちに帰るくらいならここにいるもん。」
「でも、こんな雨の中にいたら肺炎になっちゃうぞ。」
「いいもん。ご主人様が困るなら、『はいはいが』になったっていいもん。」
「・・・・・・
・・・・・・(ぷちんっ)
・・・そうだよなぁ。
こんな汚いコを家の中に入れるわけにはいかないよなぁ。
ウンコが肺炎で死んでも困らないけど、こんな汚いかっこうで『帰る』とか言い出したら困るとこだったよ。」
「・・・・・・」
「あぁよかった。『帰る』なんて言わなくて。 ウンコはいつまでもそこにいてくれ。じゃあね。」
「帰る。」
「はぁ?」
「帰るの!おうちに帰るの!」
「おうち?さっき『帰るのやだ』って言ったろ。 だからもうウンコのおうちなんて無いよ。」
「そうだ、知ってるか?
肺炎になると凄い熱が出て、トンカチで殴られたみたいに頭が痛いんだぞ。 それに、気持ち悪くなってお腹の中のものを全部吐き出しちゃうんだ。 心臓とか胃とか腸とか飛び出しちゃうんだ。おーコワイ、コワイ。」
『けっ。』