>オリジナルフルアルバム
>タイトル:4
>アーティスト:the band apart (naked)
>リリース日:2023年 11月 15日
>記事作成日:2024年 2月 12日





聴きました!

バンアパのアコースティック編成時のクレジットである“the band (naked)』名義での作品。ぼくは元々、バンアパより先にボーカル・荒井岳史さんのソロ作品から入って好きになったクチなので、“(naked)”のほうが荒井さんソロの作風に近い感じがして、だから凄く楽しみにしてました。



『intro』
夏だな…。真冬(これを書いてる今は1月の終わり)に聴いてるのに、額から汗が滲んで来そう。それくらい、夏の音がする。蝉の鳴き声に、涼やかな楽器の音(これはなんか東南アジアの感じがするけど、どうかのかな)。

『GHOST SUMMER』
前曲からも聴こえたメロディが、イントロに。
テクニカルなのにフランクなアコギの音に、一気に引き込まれる。ほんと、“ソロ・荒井岳史”の作風が好きなぼくにはどストライクな曲。爽やかで軽やかで、心地良い。

『A Name of New Era』
引き続きギターには軽やかさがあり、でもこの曲はリズム隊(というかドラムス。というかバスドラ)が音の中央に居る感じがする、武骨な曲。リズム隊が野太いから、ギターとボーカルの軽やかさが映えるとも言える。西部劇で出てくるような岩肌剥き出しの荒野に、涼やかな風が吹き抜けるような曲。

『図書室の幽霊』
幽霊やゴーストが多いアルバム(笑)。勿論、おどろおどろしさのある作品集ではないですけども。
これまた軽やかで、涼やかな曲。ボーカルも当然良いんだけど、ギターが「俺が主旋律だ」と言わんばかりに“歌ってる”のがいい。とてもメロディアス。ボーカルライン以上に。

『クライシャドウ』
ベースに存在感がある。落ち着きと渋みがあるのに、同時にアクティブで跳ね感も凄い。瑞々しいのに深みもあるなんて、ずるい(笑)。
ギターにもヴィンテージ感がある。全体的に、黒光りのような輝きを放っている曲。

『遊覧船(Acoustic)』
オリジナルのほうにもアコースティックな質感はありましたが、こちらは土台となるリズム隊もガッツリ生音のしなやかさと強靭さがあって。比べるものではないのかもしれないけど、やっぱりぼくはアコースティックみが強いこっちのほうが好きかなぁ……………いやでも、これ聴いてると、シャープな音像のオリジナルのほうも聴きたくなってくるな。甲乙つけ難い。

『pieces of yesterday(Acoustic)』
ここまでの雰囲気ともまたちょっと違う、ややしっとりしたミドルチューン。真夏の高原の午後のような爽やかでキラキラな感じが強い曲が続いてきたけど、ぼくはこの曲には、晩夏の夜みたいな空気を感じました。“昼間の惰性”で空気は暑いんだけど、抜ける風に少し冷たさを感じるヤツ。

『誰も知らないカーニバル(Acoustic)』
パーカッシブルな曲。前曲からの緩急にヤラレる。えっなに、こんなにカラフルな曲もやるのかバンアパネイキッド。こんなん、どんどん好きになっちゃうじゃんか。
どの楽器も、とにかく物凄く手数が多い。賑やか。だけど勿論、猥雑さや騒々しさは皆無。あくまで上品に、あくまでスタイリッシュに、遊び心満点。

『夏果』
前曲からの流れが最高。程よく上がったテンションを、心地よく落ち着かせてくれる。とてもとても、とても優しい曲。優しくてあったかくて、そんでほんのちょっとだけ感傷的な曲。穏やかな晴れた日に、浜辺で犬とか散歩させたい感じ。薄曇りの、暑すぎない空気の中でゆっくり散歩なんてしたら、そんなもんは幸せ以外の何物でもないじゃないですか? それが、この曲の中にある。聴いてるだけで、リラックス効果。

『outro』
あぁ…夏が終わる………。蝉の声が鈴虫の鳴き声に変わって、「この夏の間にもう一回行こう」と思っていた川遊びに行けないまんま終わってしまうあの感覚。別にマイナー調のメロディが鳴ってる訳でもないのに、無性に切なくなるトラック。



そんな、計10曲。

あぁ、夏が終わってしまった(笑)。
夏は、どんなに惜しんでも戻ってきてはくれないけれども、このアルバムは再生ボタンを押せば何度だってまた夏が始まるのが良いところです。

23年の夏は暑かった。馬鹿みたいに暑かったし、9月になっても10月になっても空気を読まずに居座り続けてうんざりだった。このアルバムにあるのは、そういうお下品な夏じゃないんだ。子どもの頃の、夏休みの初日の朝のような。爽やかで、キラキラしていて、希望に溢れた夏がパッケージされていた作品。
すんげぇ良かった。





お気に入りは、
#02 『GHOST SUMMER』
#03 『A Name of New Era』
#06 『遊覧船(Acoustic)』
#07 『pieces of yesterday(acoustic)』
#08 『誰も知らないカーニバル(acoustic)』
#09 『夏果』





この作品が好きなら、
・『OAU』/OAU
・『Fill』/Keishi Tanaka

などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/













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