>配信シングル

>タイトル:花の匂い

>アーティスト:Mr.Children

>リリース日:2008年 11月 1日

>記事作成日:2023年 9月 5日






久しぶりに聴きました。


9月の、“最近気になったシングル曲を聴いていくシリーズ”、今回は番外編。最近の曲じゃないけど、思い入れの強い曲なので、節目の日に。


今日は、亡くなった母の、誕生日。若い頃はなんか無性に全ての事に苛々していたり、気恥ずかしかったりして、ロクに「おめでとう」なんて言った事もなかったんじゃないかな。そういうのが大事だって気付いたの、あなたを亡くしてからだよ。ごめんね。あれからもう随分と経って、ぼくも多少は大人になったつもりです。


「もう“いよいよ”だ」と連絡が入った夜、新幹線の窓から真っ暗な車窓を眺めながら、この曲を聴いて、止まらない涙をどうにか誤魔化してました。新幹線で、一人で泣いてる男…どう考えてもヤベェですからね(笑)。




『花の匂い』

失ったものと、自分次第でいつまでも失わずに残しておけるもの。その両方が、描かれている曲。あらゆる理由で、命は必ず消えていく。残されたほうとしては、失ったものの大きさにただ茫然とするしかない。その茫然とする気持ちを、そっと包んでくれる曲。“導いてくれる”んじゃないんだ、“包んでくれる”ところにこの曲の良さがあるんだ。一方で、ぼくが忘れさえしなければ、旅立った人の記憶は、いつまでだってこの胸に残しておける(多少の“思い出補正”は、“Remix”と解釈する事にしている 笑)。そんな風に、失う喪失感と、胸に残る温もりとの、その両方を感じる事が出来る曲。

タイアップ先(映画『私は貝になりたい』のテーマソング)のテーマにしても、MV(アニメMV)の内容にしても、戦争というのがこの曲の1つの(そして大きな)ポイント。そこからは、“死”について(転じて、“生”についても)を考える事は避けて通れない訳で。震災から10年のタイミングで、桜井さんと小林武史Pとでこの曲を披露しておられましたが…戦争、災害、身近な人の死…そういう時に、この曲は本当に“いい距離感”で聴き手に寄り添ってくれるなと思います。無闇に、不用意に、聴き手に干渉してこない。でも、決して聴き手を独りぼっちにもしない。

ところで…ぼくは母を亡くして以降、ずっと「別の姿で 同じ眼差しで あなたはきっとまた会いに来てくれる」という歌詞に救われ続けながら生きてきたんだけど…今回ふと、「いや、そろそろもうこっちには来なくていいからね」って思ったんです。それはもちろん冷たい意味ではなくて。ぼくもあれから家族を持って(子どもを合わせてあげられなかったのだけは未だに後悔)、多少なりとも成長したつもりで。だから、母の眼差しがいつもどこかしらにあるのだとしたらそれは嬉しい事なんだけれども、「もう、ぼくの事は大丈夫だから、安心してそっちで好きにやってくれ」って、そう思ったんです。まぁ、お盆の時くらいは、きゅうりにでも乗って帰ってきてくれればいいさ(母、キリスト教の人だけど 笑)。




そんな、計1曲。


「如雨露いっぱいになった」ものを、ぼくは今、自分の子どもという「種」に撒いているんだろうな。きっと、そういう事なんだと思う。






お気に入りは、

#01 『花の匂い』






CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/

…“シングル”としては、配信限定ですが。

















ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!