>EP盤

>タイトル:PIANO

>アーティスト:高井息吹

>リリース日:2023年 2月 8日

>記事作成日:2023年 6月 26日






聴きました!


最新作。その名の通り、ピアノと歌だけで紡がれる、色とりどりの世界。統一感がありつつも、バリエーション豊か。




『Lullaby』

なんて優しい歌なのだろうか…もちろん音しか聴こえない訳ですが、どんな表情で歌っているのかが何となく“見える”んですよね。所々で“見える”、口角をかすかに上げた微笑みのような声が好きです。


『姿の行方』

躍動感のあるピアノが印象的。アスリートの動きのようなものともまた違う、小川を流れる水のような躍動感。透明で、美しくて、可愛らしくて。

ボーカルも、ピアノに合わせて可愛らしく軽やかなんだけど…一方で、鼓膜破けるんじゃねーの?ってくらいに鋭角に突っ込んでくる瞬間もある。まち針のように細くて少女的でありつつ、オリハルコンの硬度を持つ歌声(笑)。


『グッドバイ・グッドナイト』

前曲の歌声は針のように鋭かったけど、この曲は霧に溶けるようなふんわりした感じ。声質にしろ歌い方にしろ、間違いようのないくらいオリジナリティに溢れているのに、2曲並べて聴くと一瞬同じボーカリストとは思えない程。


『呼吸』

優しい歌声。優しいんだけど、ふらっとどっか消えていって、思いがけず二度と会えなくなっちゃいそうな危うさ?儚さ?予測のつかなさ?みたいなものもあるから、安心は出来ない(笑)。まぁ、この方の曲はどれもそんな雰囲気ですが。でも、だからこそこの曲の歌詞の「元気でね また明日」が沁みてくる…とも言える。あぁ、また明日も会えるんだなって安堵出来る。…でも、一番最後は「元気でね またいつか」。やっぱり安心出来ない(笑)。


『名前のない歌』

今回の作品の中で、一番奔放さを感じたかな。この神々しい歌声と作風には、なんか深淵で壮大なメッセージが隠されていると深読みしてしまいがちなのですが…この曲には、そのような過度な緊張感(?)が無い。歌声が、テクニックとか表現力みたいなものよりも直感力とフィーリングで成り立っている感じ。でも、だからといって“勢い任せ”じゃないのがいい。


『ピアノ』

不思議な曲。孤高というか、アーティスティックというか、圧倒的な才能があってこそ作り出せる世界観のように聴こえる。反面、例えばアニメ『PEANUTS』のシュローダーが弾いてるようなオモチャのピアノで奏でるような、気さくで親しみやすい音に聴こえる瞬間もある。

いずれにしても、聴いていると心が落ち着いてくるミドルバラード。




そんな、計6曲。


朧月夜のように幻想的な瞬間もあれば、雪解け水が勢いよく流れる渓流みたいにエッジの鋭い瞬間もある、“表情豊か”な作品でした。シンプルな編成なのに、聴き応え充分。


自然の流麗さみたいなものを感じさせられる反面、“オーガニック”っていうのもなんか違うなぁと感じる作品集でした。“オーガニック”って、どこか低刺激でふんわりとしたイメージなんだけど、この曲はキレッキレな瞬間もあったしどこか攻撃的にすら感じる時もあって。

凄く良かった。






お気に入りは、

#01 『Lullaby』

#03 『グッドバイ・グッドナイト』

#06 『ピアノ』






この作品が好きなら、

・『瞼瞼』/日食なつこ

・『あなたの生きている世界1』/世武裕子

・『うたびこ』/青葉市子

などもいかがでしょうか。






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