>オリジナルフルアルバム

>タイトル:僕の唄で君に永遠を

>アーティスト:moon drop

>リリース日:2023年 1月 25日(配信)

       2023年 3月 22日(フィジカル)

>記事作成日:2023年 3月 9日






聴きました!


お初のバンド。

敬愛するMr.Childrenのライブ・サポートキーボーディストのSUNNYさんが、楽曲プロデュースで関わった事があるそうで(本作収録曲にもプロデュース曲があるのかどうかはよくわかりません)。そういう繋がりで、聴いてみました。


本作は、セカンドアルバムだそうです! まだ若手。フレッシュ。ぴちぴち。

“三重県伊勢市発「愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド」”だそうな(公式HPより)。ぼくとしては、「まだ若いのに、楽曲のテーマを絞っちゃって大丈夫なの?」と心配になってしまいますが(笑)。まぁ、恋とは恋の事とは限らないし、愛とは愛の事とは限らない…みたいなテクニックを将来的には身につけていくんでしょうか。




『愛の縫目』

バンドサウンドは、シュッとしてるのに聴き応えもある。しかも、ストリングスもふんだんに使って、華やかさもある。“ザ・ポップロック”って感じ。初期ミスチルとか、そんな感じのイメージ(パクリだカブリだのの話ではないですよ!)。

甘酸っぱい、青春そのものの曲。


『ボーイズアンドガールズ』

前曲は爽やかさの中にズシンとした重みのあるアレンジでしたが、この曲はもっと軽快で爽快なほうに寄っている。それでもやっぱり、バンドサウンドには厚みがある。この感じは嫌いじゃないです。


『オールドルーキー』

この曲もまた、軽やかなのに重厚感もある。リズム隊の録音の仕方なのかな。ホント、好きな感じではあるんだけど…ちょっとバランスが極端な気がするーとか思ってしまうぼくはワガママ。


『君とiらんど。』

アコギを効果的に使いますよねぇ。アルバムの収録曲群には、統一感もありつつ適度な変化もあって、すごくバランスが良い。アコギも、こういう頻度でこういう使い方をするのが物凄く上手いと思う。

水族館には見た目が華やかな(食卓に上がる魚の色や形状とは似ても似つかない)魚が多いのに、あれを美味しそうと思うのは相当な変わり者だと思うぞ(笑)。


『足りない』

このアレンジはズルい(笑)。こんなん、90年代〜00年代の邦楽ヒットチャート好きだったら好きになるに決まってんじゃんかー。あの頃のゆずとかが好きな人は、絶対好きでしょ。

好きだわぁ。


『ふたりぐらし』

泣かせにくる歌詞…10代なら「ホントそう」って泣いて、20代なら「けっ。分かったような事を」と思い、30代なら改めて「マジでそれな」って思うと思う(笑)。

柔らかくマイルドな歌声が、曲の切なさを強調している。


『kiiteruno?』

この曲は、ちょっと、RADWIMPSになろうとした感じ? 毒っ気のある曲。シニカルなユーモアと、毒々しい音と。

面白いと思うけど、いかんせん、声が柔らか過ぎる…。5年後、もっといろんな表現方法を身につけたボーカルで歌うところを見てみたい感じかな。


『ex.ボーイフレンド』

キャッチーで、軽やかに、楽しげに、辛辣(笑)。

メロディが好きです。特にサビ。メロディ自体も恐ろしくキャッチーだし、そこに充ててる言葉もメロの跳ね感を最大限に活かすワードが当てがわれていて、言葉とメロが一体になってぶつかってくる。


『花』

オーソドックスなポップロックのアレンジ。トリッキーな事はしていないんだけど、そもそもメロディが物凄くキャッチーなので、全然「平凡だなー」にはならない。


『タイムマシン』

ミドルバラード。歌詞は青臭いですけど(笑)、この歳になって聴くと、一周まわって沁みてくる。

グロッケンかな、木琴的な音が鳴っていて。主張は強くないんだけど、良い感じで“つなぎ”として機能していて、曲全体の空気感を決定づけているように感じる。


『アダムとイブ』

サビの「“君が一番”じゃなくて“君しか居ない”んだって」という一節…リリシスト的に、かなり会心の出来なんじゃないかな(笑)。物凄く推してくる感じ。

重すぎず、軽すぎず、絶妙な聴き心地のアレンジとプレイが良いですね。




そんな、計11曲。


失礼な、かつ上から目線の偉そうな言い方になってしまって大変恐縮なんですが…このバンドの音楽、物凄く「おしい!」。

…もちろん、ドンピシャでハマる人も多いと思います。こんなに耳馴染みが良くて、キャッチーで、時代に合ったマイルド加減で切ないながらもあったかい気持ちになる作風なので。だからあくまで、このバンドやバンドの作風を批判したいのではなく、ぼく個人の受け取り方として、「惜しいなって思いました」という事です。

90年代の、ミスチルやスピッツやあの界隈辺りから確立されていった日本のポップロックの系譜を、強く感じます。もっと言うと、ミスチルやスピッツの流れを汲むゆずやスキマスイッチの流れを汲むのがこのバンド、という感じ。

…で。

凄く良いんだけど…ひとつ、このバンドの個性が欲しかった。凄く耳馴染みが良かったんだけど、“このバンドならでは”の要素をぼくは見つけられなくて。しばらく時間が経った時に、「あれ、あの曲…シズゴだっけ?サウシーだっけ?マルシィだっけ?それともメレンゲとか⁉︎」みたいな感じで、“同業他社”とごっちゃになっちゃう感じがあって。もうほんの1つだけで良いから“このバンドならでは”のものがあると、グッとインパクトが増すと思うんだけどなぁ。そういう意味で、「惜しい!!!」。

もちろん、個人の感想です。このままのこのバンドがドンピシャな人も多いでしょうし、それを否定するつもりも一切ありませんし、何よりもこのバンドが将来有望である事にはなんの疑義もありませんです、はい。






お気に入りは、

#05 『足りない』

#08 『ex.ボーイフレンド』

#09 『花』

#10 『タイムマシン』






この作品が好きなら、

・『SINCE』/the shes gone

・『sweet life』/Mr.ふぉるて

・『サラダデイズ』/Saucy Dog

などもいかがでしょうか。






サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)












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