>オリジナルフルアルバム

>タイトル:Light years (THE NORTH FACE Sphere 2022 S/A)

>アーティスト:haruka nakamura

>リリース日:2022年 8月 12日

>記事作成日:2022年 9月 21日






聴きました!


ここ数年で急激に好きになったアーティスト、haruka nakamura。その、最新作。

詳しい事はよく分からんのですが、THE NORTHFACEとのタイアップ?コラボ??作品だそうで。ノースフェイスの“店舗のBGM”らしいです。

夏の本作から始まり、季節ごとに4枚の作品がリリースされるんだとか。

こりゃあ夢のような企画。




『Light years』

あぁ…もう…いいっ!

「あぁ〜、haruka nakamuraを聴いてんな〜っ!」って感じ(笑) 当然なんですが。涼やかな、どこまでも涼やかで透明感のあるピアノ。自然光のような、鮮やかなんだけど柔らかな光のような音。どこまでもピュアで、でも燦然とそこにある。

そんな、ぼくの大好きなピアノの音色に加えて、打ち込みのビートが聴こえてくる。この感じは、懐かしい雰囲気ですね。初期のほうの作品に通じるものがあります(ぼくはリアルタイムでは聴いてませんけども)。


『残照』

迫力といいますか、凄みといいますか…それは別に、3D映画を観た時のような感覚ではないし、悪役商会の皆さまの顔面の圧とも違う(笑) 畏れ敬いたくなる感じというか、大自然を目の当たりにするような音。ゾッとする程美しく、笑うしかない程に残酷な。


『sunset waves』

これはもうね、由比ヶ浜辺りで、観光客が急激に減っていく夕暮れ間際の時間帯あたりにオレンジ色の海辺を眺めながら聴くしかないでしょう。最初、曲タイトルを見る前から(音を聴いただけで)、実際に夕暮れの海辺のイメージが湧いたんです。歌詞がないのに情景描写が完璧に施されていて、圧巻です。


『ORFE』

少し、シリアスが強めに。そうは言っても、急き立てられるような緊迫感という事では全然なくて、何というか…自分にはちょっとだけ敷居が高いかな?って感じのカフェに入る時のような、エグみのない緊張感。


『to the SEA』

前曲の程よい緊張感の余韻で、非常に朗らかで軽快で軽やかに聴こえる。深煎りのブラックコーヒーの後だと、甘さ控えめのケーキも甘みがとろけて感じられるような感覚。

一曲の中で、幾つかのパートに分かれてる感じ。海風を感じる爽やかさから、オーシャンビューのリゾートホテルから暮れゆく海辺を眺めるような落ち着いた空気に。これ、セブ島に新婚旅行に行った時に持って行きたかったわぁ(笑) 多分、旅行が8倍くらいドラマチックなものになった気がする。


『green grass』

海の青から、植物の緑へ。

でも、大自然そのものというよりは、イメージ的には“都心にある、ロハスがコンセプトのカフェ”って感じ。デジタルな質感のビートに、凄くアーバンな雰囲気を感じる。一方でサンプリングされたコーラスには、自然の丸みを感じる。そういう意味で、物質的なものと自然由来のものが折り重なる、都会のカフェっぽいイメージを受けたんだと思う。


『夏のピアノフォルテ』

haruka nakamuraの、ピアノの音。どうしてこうも独特なんだろう。長〜いグランドピアノのような深みもあるのに、調律もろくにしてない実家の片隅のアップライトみたいな気さくさもある。そして、それが「目の前で」ではなく「向こうで」鳴ってる感じ。その距離感が良いんだなぁ。“圧”にドキドキする事なく、リラックスして聴ける。音圧にぶん殴られるように聴くのが好きなアーティストも居るけど、この方の音楽は、日常のBGMとしてさりげなく鳴っていてほしい。「そういえばピアノが聴こえるね」ってくらいで聴くのが、一番贅沢な聴き方。


『northern Sights』

ちょっとファンタジックな印象を受けるのはぼくだけでしょうか? 無重力みたいな浮遊感。そして、星空のように、規則性はないのに整然としているように感じる音。これは、キャンプの夜に、星空を見上げながら聴きたいなぁ。その際には奥さんが彫ってくれたククサのカップで、程よい温度のコーヒーでも飲みながら。

あー、キャンプ行きたくなってきた。


『讃美歌ひとつ』

一見(一聴)すると、エッジの鋭いデジタルビートとエレピの音にとても現代的な雰囲気を感じるんだけども、実際さりげなく(でも確かに)讃美歌が聴こえてきたりして。讃美歌“まんま”を現代風にアレンジなんかすると大概何かしらのハレーションを生みそうなもんですが(苦笑)、こういう風に讃美歌をモチーフとしながらオリジナルの音を聴かせるというのは、凄く“アリ”ですよね。とにかく、濡れたエレピにゾクゾクし、グラマラスなベースにゾクゾクし、そして神々しいシンセに鎮められる。煽られて、煽られて、「落ち着け」と言われるような(笑)




そんな、計9曲。


確かに、夏のアルバムでした。

それは、海辺や川辺でうぇいうぇいやる感じの夏では当然なくて(笑) 自然の中を風が通り抜けるそれはそれはとても透明で心地の良い夏。

多分、海辺で聴くのがベストなのかな?と思います。波の音とかがするんでね。夕暮れ、少しだけ気温が下がって、凪の海を見つめながら穏やかな気持ちで聴くのに良いんじゃないでしょうか。

ただ、ぼくは、高原を思い浮かべました。それはきっと、ぼくが“ど田舎生まれ山間育ち、熊そうな奴は大体友達”なところで生まれ育ったからでしょう(笑) 朝イチの、澄んでいるんだけど湿度の高い独特な空気。もしくは、暑かったはずなのに陽が傾くと途端に肌寒さを感じるような温度感。そういうものを、思い出しました。

夏に帰省したら、散歩のBGMにしよう。






お気に入りは、

#01 『Light years』

#03 『Sunset waves』

#05 『to the SEA』

#07 『夏のピアノフォルテ』

#08 『Northern sights』






この作品が好きなら、

・『WORKS Ⅰ』/小林武史

・『暗やみの色』/レイ・ハラカミ

・『One Day』/小瀬村晶

などもいかがでしょうか。






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