>オリジナルフルアルバム
>タイトル:The GARDEN
>アーティスト:the peggies
>リリース日:2021年 10月 20日
>記事作成日:2021年 11月 17日





聴きました!

結論から言うと、かーなり好きなアルバムになりました!!!



『センチメートル』
もう、圧倒的にメロディがぼく好みです。メロだけでも絶品だし、歌詞(言葉)との相性も抜群だし、とにかく圧倒的にキャッチー。
瑞々しい恋の歌は、やり方を間違えるとカフェオレに更にガムシロップを足してしまうような甘ったるいだけで不味いシロモノになってしまうと思うんですが…演奏はさりげなく(でも確実に)ゴツゴツしたロックンロールで、だからバランスが良くて好意的に聴ける。

『ドラマチック』
この曲は何が良いかって、ベースが凄く存在感を発揮しているところ。ぼくの持論として“ベースが効いてるバンドはホンモノ”というのがあるのですが(笑)、まさにそれ。ポップな曲でも、ちゃんとリズム隊が存在感を示す事で曲自体が締まって聴き易くなるんですよねぇ。ぼくが大好きなバンド・フレンズとかDADARAY(というか休日課長全般)なんかはまさにそんな感じで、この曲にもそういう良さを感じました。うん、ベースが効いてる曲はカッコいいよ…。

『スタンドバイミー』
こっちはギターがブリブリ言ってる。もちろんリズム隊も奔放に。
このアルバム、冒頭からここまで全部アッパーチューンなんですよね。でも、曲ごとにちゃんと味付けが変えられていて、だから飽きとかクドさとかそういうのと無縁なんです。失礼な言い方になるけど、少し前までの“ガールズバンド”って言われる人たちは、どの曲も「好き好き好き」だけの歌詞をパワーコードでガーってやる“だけ”のアレンジが多くて、そこに辟易する部分があったんですが…このアルバムには、そういうのが一切ない。

『Hello Sugar』
“ラップ”って程じゃないけど、メロというよりリズムを捉えて奔放に展開するヴァース。でも、それ一辺倒ではなく、サビではこれ以上ないくらいにメロディアスでキャッチーな“歌”になる。アイデアの出し惜しみがないので、ジェットコースターみたいな楽しさと華やかさがある。ほんと凄い。

『ドア』
スロウなテンポのロックバラードへ。
ここまではアレンジの多彩さにグッと来ていましたが、この曲みたいに“引き算”のアレンジが出来るところもまた憎い。いや、この曲も凝ったアレンジではあるんだけれども、音を“足す”だけでなく絞って余白と余韻を醸し出すその引き出しもあるというのが、凄い。まだまだ若手でしょうに。
骨太なバンドサウンドのおかげで、歌詞の感傷が大爆発している。10代だったら泣く(笑)

『Contrast』
メロウなバラードチューン。前曲にはバンドの力強さが説得力を生むバラードだったけど、こっちはとにかく繊細で美しくてそして儚さに満ちている、そういうところが素晴らしいバラード。バンド感は薄めだけど、バンドがこういう引き出しを持てるってのはぼくは大事な事だと思う(敬愛するMr.Childrenがそうなので、ほんとにそう思うんです)。

『足跡』
メロディが追いかけて来る。サウンドが追いかけて来る。疾走感のある曲が、急かすようにぼくを追いかけて来る。スリリングなアッパーチューン。
「なんか、アニメのテーマソングっぽいなぁ」と思ったら、アニメのテーマソングだった(笑) 音数の多さとか…とにかく情報と音符とがみっちりギッシリしてるヤツは、大概アニメのテーマソング(暴論)。

『アネモネ』
ミドルチューン。こういう流れで、アコギの音も聴こえてくるような甘酸っぱいミドルチューンを放ってくるとか…やりおる。アッパーチューンでテンションをぶち上げられて、バラードで一気にしんみりさせられてその落差に打ちひしがれて、そんでこんな瑞々しくて乾いたセンチメンタルを漂わせるミドルチューンを放り込まれたら、泣いちゃうじゃんか。
アネモネEP』からの再収録で。あのEPで聴いた時から大好きな曲だったけど、このアルバムのこの流れで聴いたら、尚更良かった…。

『スプートニク(2021)』
インディー時代の楽曲を録り直したもののようですね。そうやって聴くと、確かに出てきた頃のペギーズに近い感じがする。最近の曲よりも直線的で、ちょっとだけあどけない。

『TAIKIKEN』
90年代J-POPのチャートで見かけたような、とてもメロディがコッッッテリした曲。「一度聴いたらもう離さないぞ!」っていう、もはや怨念みたいなものが聞こえてくるかのような、とにかくキャッチーなメロディライン。どこのフレーズを切り取ったって耳に残る。そんなキャッチーなメロディラインに負けじと(?)、アレンジもシンセの効いたごく華やかなものに。
フレーズごとに、力強さが感じられたり切なくなったり楽しくなったり緊張が走ったりして…ぼくの心をそんなに弄ばないでぇ〜(笑)



そんな、計10曲。

『スタンドバイミー』のところでも書きましたが…いわゆる“ガールズバンド”と呼ばれるバンドって、ちょっと前までは「好き好き好き〜」をパワーコードでガーってやる人たちって感じだったじゃないですか。SHISHAMOあたりはそのパイオニアとしてポジションを確立してる感じもあって良かったんですが…あまりにも、“ジェネリックSHISHAMO”ばかりが出てきた気がしていて。
ぼくも、最初は正直peggiesにもそれと似たようなイメージを持ったりもしたんですが…本作とか、『アネモネEP』辺りを聴いていると、確実にそこから突き抜けてるんですよねぇ。歌(歌詞、メロ、歌声)の面でも、音(演奏、アレンジ)の面でも。“ガールズバンドシーンの一角を担う”のではなく、ひとつのバンドとして唯一無二の方向性に向かおうとしている感じがして、なんかそれが凄く良いなと思うんです。

いやぁ、凄く良かったです本作。2021年の作品の中でも、ぼく的にはかーなり上位。





お気に入りは、
#01 『センチメートル』
#02 『ドラマチック』
#04 『Hello Sugar』
#05 『ドア』
#06 『Contrast』
#08 『アネモネ』
#10 『TAIKIKEN』





この作品が好きなら、
・『d a n c i n g a l o n e』/Chiil Beans.
・『me me』/TETORA
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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