>オリジナルフルアルバム
>タイトル:THE PARK
>アーティスト:赤い公園
>リリース日:2020年 4月 15日
>記事作成日:2020年 5月 6日





聴きました!

新生・赤い公園の初アルバム。まぁ、なにげにもうこの体制になってから1〜2年経ちますからね、そろそろ「新体制」って言い方もしないほうがいいのかもしれないけど。ま、こちらがその「新体制」後の初アルバムなので、そういう意味では本作を起点に「新体制」は不要にするのがいいのかも。

それにしても…ぼく、チアキさんの歌声が本当に好きだったので、「新体制」後の赤い公園の音楽(シングル曲たち)は、聴くたびに「悪くないけど…なんか違う」という気持ちを禁じ得なくて。
ずーっとそんな気持ちで聴き続けるのはきっと凄く(新しいボーカルの方にも、ほかのお3人にも)失礼な事なんだろうと思っていたので、本作を最後にして、今後赤い公園を積極的にチェックするのをやめようと思ってたんですよね。
そんな、ある意味での“決意”を持って聴いた本作。結果は…。



『Mutant』
冒頭は、ギターのカッティングがオシャレで濡れたエレピの音色と相まってスタイリッシュに鳴るオケ。でも、サビで一気にソリッドな爆音が炸裂して、極限までアグレッシブに展開。
正直、最初にヴァースの辺りを聴いた時には「やっぱり、“新体制”はちょっと大人しくなっちゃってるよなぁ」なんて思ってたんですが…サビ聴いて、そうじゃない事に気付いて、嬉しくなりました。

『紺に花』
ストリングスの絡む、でも真っ向からのロックチューン。ボーカルな方の、ちょっと可愛らしさと柔らかさの混じる声が凄く映えるアレンジで、圧倒的にキャッチー。『NOW ON AIR』辺りを彷彿とさせますね。
これも好きだ。

『ジャンキー』
ギターのキレがハンパない…やはり、津野さんってギターのテクニック、凄いですよねぇ。リズム隊もウワモノに呼応するようにソリッドでタイトな、かつうねるグルーヴを生み出していて、バンドの音を堪能出来る曲。

『絶対零度』
シングルとして聴いた時には、テンポや雰囲気がどんとん変わっていく奇抜な構成に初期(つまりチアキさん時代)を思い出して、だからこそ「これをもしチアキさんが歌っていたら…」なんて思ったんですよね。でも、今回のこのアルバムの流れの中でこの曲を聴いたら、なんか、フツーに良かった。ぼくの側が“慣れた”のか、それとも別の要因があるのかは分からないんだけど…強いて言えば、アルバムの他の曲も結構ロックだったので、サウンドのほうにより耳が行って、そっちを中心に聴けたからかもしれない(別に新しいボーカルの方がどうこうっていう話ではなく、「大好きなサウンドには変わりがない」って事を再確認出来たという意味)。

『Unite』
バンドのサウンドは引き続きアグレッシブながら、もっとドリーミンというか、ここまでの曲たちよりももうちょっとしっとりとした感じの曲。艶めかしいというか。
ピアノを効果的に混ぜ込んでますね。適度に落ち着きがあり、適度にアバンギャルド。

『ソナチネ』
ミドルバラード。もしチアキさんがボーカルだったら、同じこの曲でもきっともうちょっとスレた感じに聴こえてただろうなぁ(笑) あのほんのりハスキーがかった声は、どうしたってある種の風格というか、恰幅を醸し出してしまうと思うので。でも、新しいボーカルの方は、ある意味でスレた感じが皆無の、無垢で少女性が感じられる感触なので…“他意”がなく、字義通りに歌詞を楽しめる感じがあって、「これはこれで新鮮だなぁ」と好意的に受け取る事が出来ました。

『chiffon girl  feat. Pecori』
Pecoriさんというラッパーさんを迎えて。Pecoriって名前の割に、だいぶイカついラップをするんだなぁ…ってのが第一印象。ちょっと気になって検索してみたら、踊Foot Worksの方なんですね!!! ちょろっとしか聴いた事がなくて、ちょっと“ちゃんと”聞いてみたいと思っていた踊Foot Works。こんなところでお見かけ(?)するとは予想外。
でも、ボーカルよりも、ラップよりも、サウンドが1番目立ってる感じがして、それが面白かった。

『夜の公園』
ボーカルラインが、とてもスウィート。歌詞で描かれる世界は、甘酸っぱくて切ない。これはもう…ハイティーンくらいの時期に聴いたら、身悶えしてしまうに違いない! 「好き」だの「嫌い」だのが頭の9割…いや10割、なんなら11割を占めてる時代、それが青春(笑)
自分の事としてキュンと出来ない自分は歳を食ったんだなぁ…って、ぼくはそういう意味のほろ苦さを噛み締めてしまう名曲。
可愛らしい。これはもう完全に、チアキさんよりも今のボーカルさんの声のほうが似合ってる(チアキさんごめんなさい)。

『曙』
カラフルなバンドサウンドが、心を軽くしてくれる。ボーカル(メロディ・歌詞)はちょっと切なさを醸し出したりもしてて、でもだからこそカラフルなバンドサウンドが映えるというか。
上手く言葉に出来ないんだけど…ガキンチョの頃の、チャート追っかけてた頃のぼくが喜びそうな曲。あの時代の匂いがして、今回初めて聴いた曲なのになんか懐かしさに胸が締め付けられる感覚がある。不思議。

『KILT OF MANTRA』
これまた随分と可愛らしいな。アレンジが、可愛い。イメージとしては、『みんなのうた』とかで流れててもおかしくないような感じというか。でも、曲全体としては可愛らしいんだけど、各パートのプレイを個々で聴くと、結構ゴリゴリに力強くてアグレッシブなプレイをしてるんですよね。そのギャップも、なんか楽しめた。

『yumeutsutsu』
ラストはアッパーに、そしてソリッドに。
この曲に限らずだけど…以前以上に、津野さんのギターが前面に出てきてる事が多いですね。この曲もそう。存在感がハンパない。ぼくはリズム隊がグルーヴを生み出していくタイプのバンドサウンドが好きな傾向にあるんだけど、こんな感じでギターが先導するタイプのアンサンブルってのも聴き応えがあって楽しいですね。



そんな、計11曲。

冒頭でも触れた通り、本作を最後にして、赤い公園を積極的に聴くのをやめようと思ってたんですね。
でも…それ、撤回(笑) なんだよ、いい曲いっぱいあんじゃん。新しいボーカルの方(いい加減名前がスッと出てくるようになりたい)の歌声に合った曲が、たくさんあった。もちろん、中には「チアキさんだったらどうなってたかなー」と思う曲も無くはないけど、でもどの曲もちゃんと“今の赤い公園”で成立してるものばかりでした!

このバンドに関しては、単発(シングルとか)で断片的に聴くよりも、アルバムというまとまりの中であらゆる球種が目まぐるしく放り込まれてくるほうが好きみたいだ。





お気に入りは、
#01 『Mutant』
#02 『紺に花』
#03 『ジャンキー』
#08 『夜の公園』
#09 『曙』





この作品が好きなら、
・『猛烈リトミック』/赤い公園
・『SHISHAMO 6』/SHISHAMO
・『BI』/FINLANDS
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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