>トリビュートアルバム
>タイトル:サンボマスター究極トリビュート ラブ フロム ナカマ
>アーティスト:Various Artists
>リリース日:2020年 3月 25日
>記事作成日:2021年 2月 12日





聴きました!

8割方感想を書き終わってたのに、完成させてアップせずに忘れていた記事を見つけた(笑)

サンボのトリビュート。ただそれだけでもう、ワクワクが止まらなかった。そして、参加アーティストのラインナップに再びワクワク。なんてぼく好み(笑)
せっかくだから限定版を買おう!と思ったんだけど、ちょっと出遅れたらこんなご時世になってしまって。バタバタしてる間に5月になっちゃって、Amazon見たら限定版は“一時的に品切れ”になってて。ようやく、ようやく、先日ようやっと届きました!



まずは各アーティストによるカバー曲が収録されている本編、Disc 1から。



『ロックンロール イズ ノット デッド』/SUPER BEAVER
最初聴いた時、ちょっとビックリした。SUPER BEAVERなのにサンボで、サンボなのにSUPER BEAVER。声は紛れもなく渋谷さんのもので、演奏もシュッとした感じのSUPER BEAVERサウンド。なのに、凄く“サンボマスターを感じる”仕上がりだったと思います。なんというか…テンションというか、熱量みたいなものが正にサンボマスターのそれと同じだったからなんだろうな。
凄く良かった。

『できっこないを やらなくちゃ』/BiSH
最近急にそこここでお見かけするようになったアイドルユニット…アイドルなのか? フェスとかにもフツーに出てらっしゃいますね。
この方々の所属事務所やプロデューサーの方のやり口が好きじゃないのでどうしても敬遠してしまうアーティストなのですが、今回のこの曲はとても好きですよ(そもそもこのユニット自体を嫌いなわけではないので)。まぁ、デスクトップ上で随分エディットされてる感じのオケなので、この方々の“楽器を持たないパンクバンド”という肩書には「パンクではないかな…」とは思うけど、聴き易くてキャッチー。ラウドではあるけど生々しい音ではないので、聴き易さが前面に出てる感じ。「ブラックコーヒーは苦くてイヤ」という人に、ミルクと砂糖たっぷりのカフェオレを出す感じのマイルドさ。でもコーヒーはコーヒーですからね。

『光のロック』/ヤバイTシャツ屋さん
今回の“お目当て”のひとつ。思った以上にヤバTだった…男性ボーカルの曲なのでこやまさんが全編メインボーカルなのかと思ってたら、ありぼぼさんと半々だった。にしても、カウンターラインとしてのこやまさんの旋律があまりにも独創的過ぎて、面白かった(笑) コーラスって、普通は主旋律の3度下くらいをハモるものだと思うんだけど、この曲のカウンターラインはほぼオリジナルの旋律を辿っている。多分、カウンターラインだけ抜き出してもそれなりにオリジナルな一曲が出来上がると思う。一番最初に聴いた時はちょっと飲み込みづらかったけど、慣れるとクセになる!

『青春狂騒曲』/MONGOL800
青春パンクで一世を風靡したバンドが、青春パンクで一世を風靡したバンドの曲をやる…青春汁200%(笑) でも、作品のテイストは、小洒落た感じの軽快ポップチューンに仕上がってますね。ブラスなんかもゴキゲンに絡んで。
キヨサクさんの柔らかい歌声に、幸福感を覚えます。

『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』
Fear, and Loathing in Las Vegasなる方…“方々”?? まったく存じ上げないお名前だったので、気になってちょっと検索してみたら、バンドなんですよね。笑っちゃったのが、ウィキに“バンド名が長いため、「なんちゃらラスベガス」と呼ばれる事もある」との事(笑) ぼくも、もう今後完全に、なんちゃらラスベガスって呼ぶわ。
シンセがゴリゴリに効いている、もはやユーロビート的ですらあるアッパーチューン。ユーロビートとロックサウンドが同居している感じに、ぼくは岡崎体育テイストを感じました(別にカブってるとかそういう話じゃないですよ。音の方向性の話)。

『夜汽車でやってきたアイツ』
“銀杏BOYZみねたかずのV”名義。ソロユニットととなっている現在の銀杏BOYZが、“銀杏BOYZ”でも“峯田和伸”でもない第三の名義を使う事にどういう意図があるのかは分かりませんが、作風はまぁぼくの思う“まさに銀杏”な感じでした。割れた音でアカペラ展開する序盤に、「エレカシトリビュートのあの衝撃の再来⁉︎」と思いましたが、一応途中から楽器の音も入ってきますね。まぁ、テンションはまさに「あの時」のアレに近いものがありますが。
サンボのゴツゴツとした曲を、今回大概のアーティストは“より飲み込みやすい方向”にリメイクしていますが、この人のこの曲は、“より飲み込みづらく”なっている。良いですね!

『ラブソング』
ぼくが大大大好きな曲は、My Hair is Badさん。
この曲は、歌詞が完成されていて、メロディが完成されていて、歌詞とメロディとの相性も完璧で、だから乱暴な言い方だけど誰がどういうアプローチで再現したとしても良くなるに決まってるんだ。もちろん「マイヘアがオリジナルのパワーに便乗してやってる」って事ではなくて。そんだけ完成された曲を、引き続きいい感じに引き継いでいるなぁって思いました。山口さんとはまた違ったカタチの哀愁で溢れていて、ちょっと強がっているというか“涙堪えて「別に大丈夫だし」とか言っちゃう”若者の蒼さみたいなものをこちらのテイクには感じて。それはそれで、素晴らしい。

『世界をかえさせておくれよ』
愛だ恋だを歌わない事でテレビにまで出た打首獄門同好会の、もしかして初めてのラブソングになるんじゃないですか?(笑)
サンボ山口さんのコッッッテリとしたボーカルを、もしかしたら本作で最もストレートに継承してるかもしれないですね。会長のコッテリした歌声とあす香さんのクセのない歌声の対比が、相変わらず面白い。

『さよならベイビー』
10-FEET! いやぁ、参加者が本当に豪華ですねぇ。「テンフィと同じ作品に収録されるなんて、ヤバTこやまさんの感慨もひとしおなのでは…」とか余計な事も思います(笑)
どこか泥臭さを持ったサンボマスター(もちろん褒め言葉)に対して、こちらはとにかくスタイリッシュで垢抜けた感じのロックンロール。でも、語尾が敬語になってる箇所には山口さんを感じます。

『二人ぼっちの世界』
“お目当て”その2、岡崎体育! どんな風に来るのかと思ったら、シリアスだった! どシリアス。まぁ、曲目からしてその予感はあったけど。
殆どピアノオンリーの、美しくも悲壮なまでのバラードになってた。ヒステリックとすら言える程に感情的なピアノと、あくまでも淡々と歌うボーカルのギャップに、なんか泣けてくる。

『美しき人間の日々』
サカナクションの山口一郎さんと、Setsuya Kurotakiさんというトラックメイカー(という事でいいのか?)によるコラボ曲。デジタルサウンドのクールさ&シャープさと、一方で感情を鼓舞してくるエモーショナルさとが不思議と同居するサウンドには、サカナクションの作風を彷彿とさせるものがあります。
ボーカルにはサンボとはある種真逆のクールさがあり、オケにはまさにサンボと言えるエモーションがある。

『そのぬくもりに用がある』
本編ラストは奥田民生!!
ある時期からの民生さんって、ガンガンに攻める感じじゃなくてオトナに余裕のある渋い曲を多く作るようになった気がするんですよね。職人気質が強くなったというか。でも、この曲は、ぼくが一番好きだった頃の、とにかくキャッチーでギラギラしててパッショナブルな時期の民生さんを彷彿とさせるキャッチーさが感じられて、凄く良かった。ぼく好みの民生が、こんなところに(つい最近、同じ事をマキシマムザホルモンのYouTube動画における民生さんやミスチル桜井さんにも思ったなぁ)。



続いてDisc 2。こちらは、サンボマスターがDisc 1参加アーティストの中の何曲かをカバーした音源集。



『恋のかけら』
まずは民生さんの名曲から。
これ、確か民生さんのトリビュート盤に収録されてたヤツですよね。凄くムーディな、スローバラードにリアレンジされてます。しっとりして、でもやはりどこかねっとりとしている。

『星の数月の数』
こちらはモンパチの曲。これも、モンパチのトリビュート盤に収録されていたテイクかと思います。
フォークギターが牧歌的な雰囲気を醸し出す、優しい曲。凄く優しくて、でもなんだかちょっぴり切なくもあって。なんかキュンと来ます。

『いつか結婚しても(Live)』
マイヘアの曲のカバーを、ライブ音源で。
ぼく、マイヘアの曲をそんなにちゃんと聴いた事がないってのもあるんだけど…「サンボのオリジナルなんじゃないの⁉︎」っていうくらいに、凄くハマってる。
これ、良いですね。

『NO FUTURE NO CRY(Live)』
銀杏BOYZでシメ! オリジナルの、混沌を伴う激情とはまた異なる、もっと整理整頓された激情に痺れる。銀杏のほうには、右も左も上も下も分からなくなるような、雪崩に飲み込まれるような激情を感じるけど…こちらは、目的地点に向かって最短距離で駆け抜けるようなエモーションを感じます。ぼくは正直、こっちのが好き。



Disc 3は、DVD。『〈サンボマスターデカスロン〜強敵と書いて友と呼ぶ〜〉完全密着ツアードキュメンタリーDVD』なるタイトル。



まぁこれは、言葉でどうこう言っても仕方がないというか、観るしかないとは思います(笑)
ぼくが印象に残ったのは、やはり、山口さんの喋りですね。この人は、頭の中に浮かんでくる感情の1割もアウトプット出来てなさそう…「言葉にするのが下手」って意味ではなくて、「想像出来ない程沢山の色んな想いや感情が、頭の中で洪水起こしてるんだろうなぁ」って事。
「チケット争奪戦みたいになって、そこはごめん」「俺はやっぱみんなと会いたかった」「平成を生き抜けなかった仲間も沢山居るから。俺、今日もそんな事を想って歌ってるからな」っていうMCかありました。ぼくは数える程しかサンボのライブに参戦した事はないけど、やはり山口さんは、このバンドは、そういう事を思いながら音を鳴らしている事がたった数回のライブ参戦からも伝わってきて。だから、凄く刺さるんです。

“対バンツアーのダイジェスト”な訳で、対バン相手もチラホラと登場。やっぱり、銀杏BOYZ峯田さんとサンボ山口さんとのステージは、それだけで“両雄揃い踏み”なプレミア感が。
あとは、岡崎体育さん。一瞬だけど、この人の“素”っぽい瞬間が出てる気がして、なんか良かった。



そんな、計16曲 + 1本。

アツかった。サンボって暑苦しいくらいにアツい(褒め言葉)バンドだけれども、今回カバーしている方々も、押し負ける事なく歌って演奏している人たちが多かったように思います。愛されてるんですねぇ、サンボ。





お気に入りは、
○Disc 1
 #01 『ロックンロール イズ ノット デッド』/SUPER BEAVER
 #03 『光のロック』/ヤバイTシャツ屋さん
 #07 『ラブソング』/My Hair is Bad
 #08 『世界をかえさせておくれよ』/打首獄門同好会
 #12 『そのぬくもりに用がある』/奥田民生
○Disc 2
 #03 『いつか結婚しても(Live)』
 #04 『NO FUTURE NO CRY(Live)』





この作品が好きなら、
・『エレファントカシマシ カヴァーアルバム 花男』/V.A.
などもいかがでしょうか。





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