>オリジナルフルアルバム
>タイトル:WARP
>アーティスト:JUDY AND MARY
>リリース日:2001年 2月 7日
>記事作成日:2020年 7月 27日





久しぶりに聴きました!

確か、先日、サブスクアプリ内でどなたかのアーティストの項目を見てる時に“同じ系統のアーティスト”みたいなところでジュディマリを見かけたんですね。で、懐かしいなぁと思いながら、本作を聴いてみたのです。
久しぶりに聴いたけど、やっぱり良かった。



『Rainbow Devils Land』
本作はTAKUYAさんがトータルプロデュースをなさっているそうで。そういう先入観があって聴くからかもしれないけど、“ロックバンドの曲”というよりは“ミクスチャーロック”という印象が強い本作。その中でもその筆頭格なのが、この曲。デジタルのシャープなビートとオモチャ箱をひっくり返したような賑やかな楽器陣の融合。
これは、“それまで”のジュディマリファンからしたら、かなりのイメチェンですよねぇ。ぼくは、嫌いじゃないです。

『WARP』
表題曲。
最初聴いた時、バグったのかと思いました(笑) シンセの音(多分)が、サスティンで伸びるギターのように伸びて、そんでおしまい。
アルバムの“ストーリー”的には必要なトラックなんでしょうけど、正直仕掛けが高度過ぎてやや置いてけぼり。

『Brand New Wave Upper Ground』
活動休止を経ての最初のシングル。この曲が使われていたポカリスエットのCM、めちゃくちゃ印象に残ってるなぁ…もちろんこの曲の印象が。それまでのジュディマリのテイストはありつつ、どこか吹っ切れたかのようなキャッチー一色の曲で。聴きやすい…というか聴き易さしかない爽快なアッパーチューン。「これはこの先のジュディマリに期待大だぞ!」なんて思ってたら、程なく解散を発表してました…。

『カメレオンルミィ』
“それまで”のジュディマリの面影を感じさせる、キャッチーな中に程良いマニアックさが混ざり込んだ曲。この、拒否感を与えない程度の程良いクセを混ぜ込んだ作風が、「いわゆるジュディマリ」といった感じ。

『PEACE』
TAKUYAさんもボーカルを取っている、実質的に“デュエット”的な構成。
解散前に別アレンジがシングルで切られてましたが…この時期のシングルがどれもキレッキレで分かりやすい感じだったのに、「最後はこんなに“淡い”感じの曲で〆るのかー」と、ちょっとなんか違和感を覚えた事を思い出しました。いや、ぼくが勝手に違うものを期待してただけなんですけどね。

『LOLLIPOP』
これもまた、ポップでキュートなポップチューン。色で言えばパステルカラー、柄で言えば水玉。つまり正にロリポップキャンディのイメージ。甘くて、ほんのちょっとだけ酸っぱくて、可愛らしい曲。

『あたしをみつけて』
これもCMで凄くよく聴いたなぁ。アッパーであったり、洒脱であったり…ポップで刺激的な方向に振り切れている曲が多い本作にあって、地に足がついた感じのじっくりと聴かせてくれるミドルチューン。殆どがTAKUYAさん作曲のもので占められてる本作にあって、この曲は五十嵐公太さんによるものなんですね。凄く良い。

『motto』
この曲のYUKIさん、凄くハスキーボイスですよね。ちょっと、言われなかったらYUKI(ジュディマリ)だと気付かないレベル。確かこの作品の少し前くらいに、ポリープの手術をなさっていた記憶が…それと関係あるんでしょうかね? でも別に、それが嫌だとかそういう事では一切なく、むしろこのしこたまパンキッシュな曲にこのハスキーボイスはミラクルフィットしております。
というワケで、アタマのネジが2つ3つ吹っ飛んでるようなパンクチューンが、ぼくは大好きなんです。

『ラッキープール』
ぼくは、ジュディマリの数多ある名曲の中でもこの曲が特に好きなんですよねぇ。田舎者のぼくが、春休みに首都圏にある親戚の家に数日間居候しまして。新譜を買う事も、レンタルする事もままならない田舎とは違う都会の中で、この曲を含む幾つかのシングル(他には、宇多田ヒカル『Can You Keep A Secret?』とかバンプの『天体観測』とか鬼束ちひろの『眩暈』とかね)を手に入れて。MD(懐かしい!)にまとめたマイベストを聴きながらあちこち歩く…あの春が、ぼくの中で最も眩しい春でした(笑) その景色、気温、風の匂い…それらが今でも、この曲を聴くたびに鮮明に蘇ってきて。
ぼくにとって、この曲は“特別”なのです。

『Sugar came train』
ヤンチャで賑やかな演奏陣と、それと対比するようにゆったりと浮遊感すら漂う雰囲気のメロディラインをなぞるボーカルと。まぁ、よくよく聴くと、リズム隊はまぁ「ハイテンション」くらいなんだけど、ギターTAKUYAさんだけ“イッちゃってる”レベルのテンションの高さな気もしますが(笑)

『ガールフレンド』
YUKIさんのしなやかな歌声が響き渡ります。これもまた、オケ的にはテンション高めだけれどもボーカルは割合しっとりとした雰囲気。ボーカルのスタイルが、比較的前期のYUKIさんぽい感じに近いと感じました。

『ひとつだけ-Ver.WARP-』
とにかく、メロディが好きですね。耳と心を、鷲掴みにされるんです。決して派手派手なものでもないとは思うんですが、なーんか中毒性を感じるのです。この曲は、やはりギターがテンション高めではあるものの演奏陣のプレイもバランスがよくて、ほんと、あらゆる面で“聴きやすい”曲だと思います。



そんな、計12曲。

凄く聴きやすいアルバム。聴きやすいけど“凡庸”では一切なくて…むしろ、ギターはハイテンション過ぎるしアレンジ自体はそれまでのジュディマリとは一線を画す感じではあるんだけど、そういう諸々の要素が些末な事に思える程に、各曲のまとまりの良さと聴き易さとが際立っている。

劇薬みたいなもんなんでしょうかねぇ。異常なまでのポップネスを感じる本作は、だけど“これ以前”のジュディマリとは確実に異なる雰囲気を帯びていて…この選択肢って、“一回使ってはい解散!”もしくは“この方向に路線転換してずーっとやっていく”の2つしかないような気がするんです。“ちょっと試しに”というレベルじゃないし、かといって五十嵐公太さんや恩田快人さんがこの方向性のままずーっと続けていくのはなんかイメージがつかないし。

なんというか…解散から逆算しての、“最後の大爆発”みたいな雰囲気を感じる作品です。





お気に入りは、
#01 『Rainbow Devils Land』
#02 『Brand New Wave Upper Ground』
#07 『あたしをみつけて』
#08 『Motto』
#09 『ラッキープール』
#12 『ひとつだけ-Ver.WARP-』





この作品が好きなら、
・『PRESENTS』/My Little Lover
・『Bring it!』/PUFFY
・『Crispy Park』/Every Little Thing
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!