>オリジナルフルアルバム
>タイトル:THE LOVE ROCKS
>アーティスト:DREAMS COME TRUE
>リリース日:2006年 2月 22日
>記事作成日:2020年 3月 29日





久しぶりに聴きました!

“春になると聴きたくなる曲”の、ぼく的Best 5に入る曲『めまい』。それが収録されているアルバム。なので、この時期になると、必ず聴くアルバムですねぇ。
つか、こんな名盤、感想書いてなかったんだ…何年か前に書いた記憶があったんだけどな、あの記憶は何なんだ。幻覚か?(笑) どんだけ無駄な幻覚なんだよ。

…春だから⁉︎



『愛がROCKするテーマ』
開幕を告げるインスト曲。“アルバムのイントロダクション”というよりは、“ライブのオープニング”感を強く感じる。ゆったりとしたビートから徐々に加速度を増していく構成…この曲の時点で、既に心を鷲掴まれる。

『PROUD OF YOU』
本編スタート。
強く背中を押してくれる応援歌。分かりやすい表現でストレートに応援してくれる歌詞って、ともすると陳腐になりかねないと思うんだけど…サウンド(アレンジ)のキャッチーさと相まって、不思議と素直に聴けるんです。穿った見方をするクセが染み付いてるぼくが素直に受け取れる応援歌って、そうそうない(笑)

『また「つらい」が1UP』
ドリカムにしか…というか吉田美和さんにか思いつかないタイトルですよね。でも、曲タイトルとして完璧というか、歌詞で描かれる物語を凝縮しているから凄い。近年のアーティストさんは平易な言葉を使って表現するのが上手だけど、それにプラスしてベテラン勢はコピーライター的才能も併せ持ってるのが特徴ですよね。サザン桑田さんを筆頭に、ミスチル桜井さんにしても、スピッツ草野さんにしても、つんくさんにしても。

『めまい』
そして、「この曲の為にこのアルバムを聴く」と言っても過言ではないこの曲。
夜桜が映像として見えてきそうな程の臨場感を伴う、圧倒的にメロウなバラード。鼻先をくすぐる春の匂いも、少しだけ冷たい夜風も、ふんわりと舞うピンクの花びらも…目の前に広がるんです。しかも、ぼくは失恋なんかしてないのに、失恋の痛みに耐え切れずに泣いてしまいそうになるし(笑) この曲は、曲の世界が世界ごと聴き手に憑依してくる感覚。
あぁ、悲しくなってきた…。

『JET(Album version)』
かと思うと、ウッキウキなラブソングへ(笑) そうか…今まで、近年出てきたアーティストさんの作品とこの世代のベテラン勢の作品との間に漠然とした“違い”を感じてきたんだけど、この“バリエーション”なのかもしれない。そもそも似たような曲を量産するアーティストも多いけれども、そうじゃないとしても、“感情”なり“温度感”なり“空気感”の使い分けがあるかないか。最近のアーティストさんには、楽しい曲でも失恋ソングでも応援歌でも、どんな曲でもそのアーティストのキャラみたいなのが均一に出ちゃってる気がするんだ。肉も野菜も魚も、どんな食材も全部焼肉のタレで炒めちゃってる的な(笑) その点、ドリカムを始めとするベテラン勢は、素材(曲)ごとに調味料も調理方法も盛り付けの器も…全部その都度変えてる感じがする。

『哀愁のGIジョー』
ボッサのテイストの、大人っぽい曲。ボッサと言っても、アゲアゲのほうじゃなくて渋みの強いじっとりとした感じの。
しかし…GIジョーと失恋ソングって、同居出来るんだ(笑) まぁ、単純な失恋っていうよりは離婚とかそういうニュアンスに近いけど…GIジョーが別れの象徴になった事がある人なんかほぼほぼ居ないと思うのに、でも曲を聴き終えた時に共感してる人はものすごく多いと思うんです(じゃなきゃポップソングとして成り立たないと思うし)。そのマジックが、ドリカムならでは。

『SUNSHINE(album version)』
シリアスな空気とラテンのパッション的なものが奇跡的に両立してる、独創的なアレンジ。燃える部分と、張り詰める部分と…どういう時に聴いたらいいんだ?コレ(笑) でも、繰り返し聴きたくなる中毒性に満ちているのもまた事実。
しっかし…これ『めざましテレビ』のテーマソングだったの⁉︎   朝にコレ⁉︎   コレを推したドリカムも、採用した番組側も、超攻めてるじゃないですか。

『ていうか』
快活でアップテンポなリズムに乗せて、割と辛辣な歌詞。このギャップが、好き。このオケで甘いラブソングだったら、多分ぼくの記憶には大して残らなかったと思う。しょっぱいというか、ほろ苦いストーリーがこのオケに乗っかってるからこそ、大好き。

『WIFEHOOD ステ奥伝説 PART1〜主婦の精 妻の精〜』
タイトルの意味がさっぱり分からん(笑)
これは初期のドリカムを想起させるような、とにかくメジャーな響きの強い優しく楽しくポップな曲。生活臭の強い歌詞がカラフルポップなオケに乗っかる事で、地味な一般人が夢の世界を垣間見る的な効果もありそう(笑)

『ウソにきまってる』
ストリングス(シンセかな)が緊張感強く鳴っている、このアルバム中でもかなりシリアスな曲。コーラスによるカウンターラインが、曲の個性を強めてる。そして、中村さんのベースラインがグルーヴィ。パーツごとに聴くと結構キャッチーで快活な感じの部分も多いんだけど、曲全体としてはだいぶシリアスですね。
この曲もまた、好きだ。

『空を読む(album version)』
ふんわりと柔らかく、そしてほのかに香る感傷にキュンと来る曲。
まぁ、歌詞を直接的に読めば“恋愛ソング”なんだろうけど…もっと広く、人(性別問わず)との距離感の事であったり、自分の生き方であったり、そういうものと照らし合わせながら聴く事も出来る歌詞だと思います。ぼくは今でも、この曲の「明日が読めるわけでもないのに どうして空を見上げてるんだろう?」というフレーズが頭に浮かぶ事が多いです。それは、自分を見失いかけてる時に。そこで「自分、なんでこんな事をしてるんだろう」ってネガティブに思うのか、「ぼくが目指してるものが何だったか思い出そう」というポジティブな気持ちになるのか、そうやって自分の真意を整理したりしています。

『何度でも(album version)』
やべ、泣きそうだ。今回久しぶりに聴いて、もう何度も何度も聴き込んだ歌詞なのに、改めて刺さった…。ぼくの仕事(業種)はどんどん規制が出来て、あらゆる面が厳しくなってきていて。厳しくなって来れば来るほど周囲にもあらゆるものを求めざるを得なくなっていて…人材育成なんてのは長期戦だって事は分かってても、どうしても即効性を求めてしまって。それが分かっててももうどうにもならなくて…っていう状況で、「10000回だめでへとへとになっても 10001回目は何か変わるかもしれない」って歌詞が、胸に、刺さってきた。。。あぁ、やばい。

『SPOON ME, BABY ME』
きっと『何度でも』で終わっても…というか、『何度でも』で終わったほうが、アルバムとしての収まりは良かったんじゃないかな?と思うんです。感情をぐわーっと煽ってぽんと終わったほうが、分かりやすいというか。でも、ぼくは、ラストにこの曲があってくれる事で、なんか凄くしっくり来ました。ここまでのどの曲とも似ていない、アダルティでクールなこの曲が、高ぶった気持ちをいい感じに冷やしてくれるというか。アドレナリンを鎮めてくれる的な(笑)
この曲がラストにある事で、アルバム全体が、「分かりやすい」けれども「分かりやす過ぎない」奥行きのあるものになっているようにも感じます。



そんな、計13曲。

今聴いても、まっっったく遜色のない素晴らしさ。やはり、名盤というものは、時代であるとかブームであるとかというのにはまったく左右される事のない普遍性を纏っておるものですよねぇ。

ドリカムはそんなに積極的に聴いているアーティストさんではないのですが、この作品は、本当にもう何度も何度も何度も聴いています。
本作でどハマりして、続く何作かは前のめりに聴いたんですが…なんか徐々に、生音のグルーヴ感が薄らいでシャカシャカした音になっていったような気がするんですよねぇ。
ここらでもう一回、肚の真ん中にズシンと来るような楽曲が聴いてみたいなぁ。





お気に入りは、
#01 『愛がROCKするテーマ』
#02 『PROUD OF YOU』
#03 『めまい』
#06 『哀愁のGIジョー』
#07 『SUNSHINE(album version)』
#08 『ていうか』
#10 『ウソにきまってる』
#11 『空を読む(album version)』
#12 『何度でも(album version)』





この作品が好きなら、
・『湿った夏の始まり』/aiko
・『0』/Superfly
・『The beginning』/絢香
などもいかがでしょうか。