もう1月も下旬。まだ新春と呼べるのかどうか分からないけれど、スケジュール帳を確認したところ、読書リレーは1月11日に始まった。

 

海外在住の学習者が一冊の漫画を見せてくれたのだ。日本語が原作の翻訳版。ただ、初級レベルのため、単語と単語をつなぎ合わせて説明してくれても詳細は分からなかった。

 

そこで、レッスンの後、Wikipediaで調べてみた。1990年代の漫画で、社会派ドラマに分類されている。なるほど、この人が選んだ理由が分かった。特にこの箇所。

 

地球的規模で、戦争や紛争ではなく、平和を基盤とした経済行動を起こすべきとの信念

 

30年ほど前の話であるけれど、今こそ求められている信念なのでは?と思いつつ、私は結局読まない。その代わり、別の学習者にお薦めすることにした。

 

その人の新年の抱負は「日本語で本を読む」。「本」というのは、できれば小説。でも、漫画も含まれる。このLさんと最初のTさんは二人とも社会問題に高い関心を持っている。

 

Tさんが見せてくれた漫画をLさんに紹介。つまり、一つ目のリレーである。前週、Lさんは抱負を口にしたことで、有言実行スイッチが入ったのか、既に読書リストを作成。

 

参考にしているサイトを教えてくれた。選択できるのは日本語、韓国語、ドイツ語、スペイン語原作のもので、日本語の場合、JLPTのレベルで検索できる。

 

 

LさんはJLPT N2をお持ちなので、検索をかけると・・・

 

真ん中の『かがみの孤城』は既に読書リストに入れたらしい。読書習慣のない私も数年前、友人に勧められて読んだ。私にとっては過去の辛い記憶を掘り起こす小説だった。

 

 

Lさんから便利なサイトを教えてもらい、リレーのバトンを別のTさんに渡すことにした。この人は無類の読書好き。なかでもファンタジーが好み。

 

N2は持っていないものの、それに匹敵するレベルに達していると思う。そこで候補としてファンタジー小説でもある『かがみの孤城』を薦めてみた。

 

というのは、前週、今使っている読解のテキストが終わったらレッスンで小説を読もうという話になり、目を輝かせていたから。まあ、目が肥えている人に選んでもらうのが一番。

 

こだわりは、日本語原作であること。英語に翻訳されていないこと。実は以前、同じく英語が母語の友達と日本語の小説を読み始めたものの、途中で挫折したらしい。

 

そんな会を開いていたこと、そんな会が存在することに驚く。誰かと同じ速度で本を読み、感想を述べ合うなんて遅読の私には苦行そのものだから。

 

でも、日本語学習者のおかげで小説に対する苦手意識を払拭できるのでは?と淡い期待を抱いた1月だった。今年も時には他力本願で行こう。