車窓から眺めるロワール川には朝日が差しはじめ、まるで印象派かターナーが描いた絵のようでした。その時々で考えることは違っても、この景色は変わりません。
 
先日、夫の出身地が珍しくテレビ番組で紹介されていました。放送時間は15分ほどでしたが、息子も加わり3人で視聴しました。
 

現地の人たちには暮らしやすい街としてそれなりに人気があるものの日本での知名度はそんなに高くはなく、番組タイトルの「フランス 憧れの街」にはなんとなく気恥ずかしさを感じます。

 

2011年の番組の再放送だったので今の街の様子とは別世界でしょう。それでもパリとは違い、洗練されていない雰囲気、穏やかでのんびりした人々。「憧れの街」ではなく「懐かしい街」です。


学生時代によく通った界隈や友人が住んでいたアパルトマンを食い入るように見ていた夫。男性の姿に自分の父親を重ね、独特の話し方をすることに初めて気付くなど発見もあったようです。

 

「世界ふれあい街歩き」より

 

前回書いたように私は形のない文化よりも、そこに暮らす人間に惹かれます。フランスに関して具体的にいえば、

 

もの凄い音を立てて鼻をかむのはもちろん、シュッとした高い鼻から毛が出ていたり、爪楊枝ならぬ小指で食べかすを掻き出したり、といった女性の所作。

 

振る舞いにおける性差が小さい点が気に入りました。その後、泥臭い人間が作り上げた国として興味を持ち、20代、30代は定期的に足を運んでいました。

 

 

最初に出会ったのがこの国だっただけで、どこでも良かったのです。「おフランス」のイメージに程遠い私ですが、必然的に周りには「おフランス」好きの人が集まります。

 

私、フランスが大好きなんです!

 

と告白されるたびに後ずさりしてきた半生でしたが、そのお陰である傾向に気が付きました。

 

フランスというか欧米が大好きで、日本の周辺の国々が大嫌いな方々が一定数いることです。

 

憧れる国について話すときの上気したお顔に対し、嫌う国について話すときの眉をひそめたお顔がなんとも好対照で、思わずまたまた後ずさり。

 

今回、「文化に憧れる②フランス」と目を引きそうな?タイトルをつけてみましたが、これは後に続く文章の前菜のつもりです。メインディッシュにありつけるかどうか。

 

そういう私にも日仏を比較し、無い物ねだりをしていた時期もありました。ブログを書いているうちに考え方も変わっていくものですね。