How are you?

 

英語で話し掛けてくる人たち。一体だれ?

 

フランス人たちです。Vさん、Gさん、Nさん。動機は何であれ、来日して日本語を学んでいる20代前半から30歳前半の面々。

 

初対面のとき、フランス語で話したはずなのに、その後、会うたびに出てくるのは英語です。普段、日本語で話さず、英語に頼っている証拠でしょう。

 

「今、英語で話しているよ」と私に指摘されるまで気が付きません。「あれ?なんで英語で話しているんだろう」と本人が自問するほど。

 

Gさんは比較的、早い段階で、英語が出なくなりました。もう少し滞在していれば、日本語がぐんと上達したと思うのですが、残念ながら3か月半のインターンシップを終え、帰国済みです。

 

アウェイにいるフランス人たちを観察するのは面白いものです。言葉の端々に「欧米中心主義」が感じられると、この時とばかりに意地悪したくなります。

 

例えば、Vさん。日本語がままならない自分のことを棚に上げて、日本人の英語力を馬鹿にする言動が目立ちました。そこで一言。

 

半年後、日本を大好きになっているか、それとも、大嫌いになっているかのどっちかだね、と。

 

もちろん後者という意味です。自信のなさ、不安や不満を抱えているとき、どういう態度を取るかが試されるわけで、周りを下に見ることで自分の心の安寧を保つというのはいただけません。

 

英語で書かれたテキスト。これは最終手段です。日本語学習歴ゼロの方か短期滞在の方に使おうと思っています。

 

「英語が話せない、または、英語で話してくれない」というのがフランス人に対する一般的なステレオタイプのようですが、私にとっては英語を話すフランス人の存在は驚くことではありません。

 

1990年代半ばに語学研修に参加したときの話。たった5週間で磨いたフランス語を帰国前にパリで披露すると、店員から返ってきたのは英語でした。

 

2000年代に入り、同じ職場(日本国内)で働いていたフランス人たち。英語の話せない人は皆無でした。(海外に出る人は、日本人でも英語を話せる人が多いのと同じですね。)

 

それもそのはず。英単語のうち3割がフランス語由来のものだそうですから。日本人が学校英語で頭を悩ませる文法も、フランス語の複雑な文法に比べれば何てことはありません。

 

だからフランス人が英語を話せたところで自慢にはならない、というのは夫の意見でもあります。ここにも英語が堪能なフランス人が一人。

 

 

実際に、2か月後のTOEICに向けて勉強していると出てきます。フランス語に似た言葉が。例えば、

 

quarantine:(伝染病予防のための)隔離、検疫

→フランス語ではquarantaine。意味は、約40。昔は隔離期間が40日だったから。

 

debris:残骸、破片、がれき 

→綴りもフランス語のまま(débris)ですが、アメリカ英語では「デブリー」と発音するのが面白いですね。「フィアンセー」「ランデヴー」と同様、語尾を伸ばすのも。

 

少し話が逸れて、この「ランデヴー」は、恋の駆け引きのような響きですが、appointmentと同じ意味なので仕事でも使われます。昔、職場のアメリカ人に歯医者の予約にも「ランデヴー」を使うと伝えたら大笑い。

 

ブログの続きを書きたいところですが、明日の勉強に備えるため、そろそろ寝る時間です。

 

さて、来日して3か月のNさん。明日の日本語レッスンで、How are you?と話し掛けてくるでしょうか。

 

日本に暮らす外国人にとって、英語の使用は、他言語、他文化との付き合い方のバロメーターのようです。