3週間ぶりに会ったGさん。幼なじみと日本旅行、大学の仲良し4人組でタイ旅行を満喫した顔は、こんがり日に焼け、いつの間にか、あごひげも伸びていました。

 

3か月半のインターンシップを終え、今週末には帰国します。短い期間ではありましたが、Gさんのお陰で、感覚を研ぎ澄ますことができ、歩み寄ることを教わり、言葉の壁も目の当たりにしました。

 

好奇心があり、心を開いていると、人が集まるもので、ジムで出会った日本人と仲良くなりバーベキューに誘ってもらったり、旅先のゲストハウスの主人に車であちこち連れて行ってもらったり、充実した滞在だったようです。

 

レッスンの後は、夫を交えて送別ランチをしました。二人は初対面で歳も二回り離れていますが、同国人のよしみか食事中、話は尽きませんでした。

 

示し合わせたかのようにストライプでお揃い

 

私にとってGさんは初めての生徒。知り合ったきっかけは紹介でした。去年、Facebookで繋がった元同僚。私が試験に合格し、退職し、働き方を変えようとしているのを知っていました。

 

退職後、準備という名の尻込み期間1か月半を経て、そろそろ動くかと腰を上げた2週間後、「うちの会社に日本語を勉強したがっている外国人がいるんですけど」と連絡をくれたのです。

 

Gさんは、私が初めて海外渡航した1997年生まれ。しかも、その時に滞在した街、フランスのトゥールーズ出身。当時、お腹の中にいたGさんが186cmまで成長し、22年後、日本でお会いしました。

 

 

ワインを飲み干したGさん。念のため、私に確認してから、店員さんに日本語で「すみません、お水をください」。しっかり通じました。

 

日本語学習歴ゼロ、滞在期間は3か月半、ヨーロッパ域外に出たのは初めて。文字や語順だけでなく、文化も異なる土地で過ごした日々。自分の中でいろんなものがひっくり返ったことと思います。

 

最後のレッスン。前回から3週間も空いてしまいましたが、日本とタイ旅行で経験したことを「行く」「食べる」「見る」の「ます形」を使い、文章を作ってもらいました。

 

母語(フランス語)とローマ字で書かれたカードを並べ替える方法ですが、エンジニア志望だけあり、言語を学ぶ時も、構造を理解し、それを応用しようとするという姿勢でした。

 

旅行について「ました」(過去)、帰国について「ます」(未来)、帰国後について「たいです」(願望)で文章を作った後は、同僚や友人たちに対して使える感謝、別れの言葉を紹介しました。

 

 

新米であっても、一人一人に真摯に向き合っています。だから、何人生徒がいるとか、他の生徒がどうだとか、いう話は失礼だと思っています。Gさんは一切、その類の質問をしませんでした。
 
でも、今回で終わり。お土産にもらった舞妓さんストラップを手にしながら、実は初めての生徒だったこと、いい生徒に巡り会えて良かったと思っていること、を正直に伝えました。

 

エンジニアはエンジニアでも、セールスエンジニアを目指していて、後1年、大学に残るそうです。帰国して1週間後には、研修と学業半々の忙しい生活が始まります。
 
 
これを書き記すのは思い出を大切にしまい、前に進むため。Gさんとの出会いを振り返ることは、次に向けたイメージトレーニングにもなります。
 
別れ際、本人も言っていたように、また日本に戻ってくるような気がします。清々しい笑顔の別れでした。
Gさん、ありがとう。またね。