挨拶代わりに男性が女性を褒めるという習慣。フランス語に"galanterie"(ギャラントリー)という言葉があります。これは、騎士道から受け継がれた精神の一つで、女性に対する礼儀や気遣いのことです。

 

女性も慣れたもので、さらっと笑顔でmerci(メルシー)と返します。男女が敵対視していない点。かつ、それぞれが自立している点。私は、フランスのそんなところが好きでした。

 

フランスは、アメリカやイギリスなどのアングロサクソン系とスペインやイタリアなどのラテン系の中間なのかもしれません。

 

日本は、どうでしょうか。残念ながら、ますますギスギスした関係になってきているように思います。

 

もともと同性同士で行動することの多く、男女ともにステレオタイプでお互いを判断してしまっているのではないでしょうか。

 

友人の彼氏や結婚相手を紹介して欲しいのですが、なかなか会えず。どんな人を選んだのかという興味もありますが、それよりも相手と一緒にいるときの友人の別の一面を見てみたいのですが。

 

それに対し、フランスでは、どんな場にも基本的にカップルで参加。相手がいる場合、別行動を取るカップルが少ないという意味です。

 

数年前のパーティ。子供たちを先に寝かせて、大人だけの時間を楽しみました。

 

一口にフランス人女性と言っても、さまざま。今までに会った女性たちを思い浮かべると、やはりcoquette(コケット)、色っぽい女性が多いです。

 

男性に媚びたり、頼ったりするための色気ではなく、内面から出てくる色気。男性は男性で、coquetteでありながら、しっかり自分を持っている女性を尊重し、温かく見守るタイプが多い気がします。

 

フランスに行くたびに、カップルたちの言動を観察しては、軽妙なやりとりに関心させられます。この習慣は、親から子へと受け継がれるものなので、なかなかマネできません。

 

だから前回書いたように、ハラスメントの話題を耳にすると、残念で、複雑な気持ちになるのです。

 

 

お互い自立しつつ、男性は女性にやさしく、女性もそんな男性に感謝する。そんなフランスではなくなりつつあるのでしょうか。