傘にあたる
雨の音が

雨の中
傘も差さずに
あなたと真剣に走ったこと

雷が鳴って
近くのお店に
逃げ込んで

濡れた髪を
ハンカチで
拭いてくれたこと


遠い思い出
なんて懐かしい

梅雨空が
まぎれもなく
あの日を連れてくる


家族のために
飲み物を運んでいたら

これ
前にも運んだこと
あるよね

自分に言ってみた

デジャヴ

かな

それとも

過去と未来が
入り混じったかな


一瞬で
あの日
あの時に
戻れる

音楽だったり
小説だったり
映画だったり
会話だったり

目には見えない
タイムマシン
タイムマシンを造っている

誰に何を言われようと
タイムマシンを造っている

でも
完成しない

何年かかっても
完成しない

それでも
研究しながら
造り続けてる

タイムマシン

心の中にも
タイムマシン

河川敷で見た
紅(くれない)色の
秋の夕陽

信号機の向こうに見えた
悲しげ色の
冬の夕陽

スーパーの駐車場で見た
広々とした
春の夕陽

ビルの間から見えた
濃い色の
夏の夕陽


どれもこれも
心に残る

あの日
失恋して
慰められ

あの日
あの人と
初めて出かけて
祝福されたように

あの日
落ち込んでいた心を
励まされ

ただの風景なのに
特別な風景になったのは
いつからだったろうか

見上げれば
いつもそばに

感謝の気持ち
忘れることはなく