図書館のロビーで -11ページ目
傘にあたる
雨の音が
雨の中
傘も差さずに
あなたと真剣に走ったこと
雷が鳴って
近くのお店に
逃げ込んで
濡れた髪を
ハンカチで
拭いてくれたこと
遠い思い出
なんて懐かしい
梅雨空が
まぎれもなく
あの日を連れてくる
家族のために
飲み物を運んでいたら
これ
前にも運んだこと
あるよね
自分に言ってみた
デジャヴ
かな
それとも
過去と未来が
入り混じったかな
一瞬で
あの日
あの時に
戻れる
音楽だったり
小説だったり
映画だったり
会話だったり
目には見えない
タイムマシン
タイムマシンを造っている
誰に何を言われようと
タイムマシンを造っている
でも
完成しない
何年かかっても
完成しない
それでも
研究しながら
造り続けてる
タイムマシン
心の中にも
タイムマシン
河川敷で見た
紅(くれない)色の
秋の夕陽
信号機の向こうに見えた
悲しげ色の
冬の夕陽
スーパーの駐車場で見た
広々とした
春の夕陽
ビルの間から見えた
濃い色の
夏の夕陽
どれもこれも
心に残る
あの日
失恋して
慰められ
あの日
あの人と
初めて出かけて
祝福されたように
あの日
落ち込んでいた心を
励まされ
ただの風景なのに
特別な風景になったのは
いつからだったろうか
見上げれば
いつもそばに
感謝の気持ち
忘れることはなく

