要塞より、リビングに告ぐ。

要塞より、リビングに告ぐ。

舅との同居のはじまり。
私の逃げ場はキッチン。
要・団欒のリビングから自然に離脱できるから。
頑張らない、同居生活あれこれ。

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とうとう、政殿(舅)が我が家へやって来る日。


夫が、仕事終わりに政殿をピックアップして来る手筈。なんなら夕飯も済ませて来てと、お願いする。
私も仕事が終わって、急遽捕まえた友人と夕飯を共にした。


なかなかね。
帰れないんだな。
早く帰らないと、と思っているのに。
腰が上がらない。

三年前の私を知ってる友人。
一度も「帰れ」という言葉を言わなかった。
きっと、帰れない私に付き合ってくれたんだと思う。


無情に時は過ぎ、駄々こねたって帰らないといけない時間はやってくる。
そんなもんよ。

足掻くだけ、足掻けよ、肝の座らない女よ。
足掻かないとね、足掻く余地をまんまと見過ごしたとブルーになるからね、足掻くに限る。
足掻いて、結局何にもならないことを知れば、最後には「仕方ない…」と無理矢理諦めることもできる。
例え、"フリ"でもね。



タッチの差で先に帰ってた、政殿とその息子。


「ようこそ!」
…じゃないな。
「いらっしゃい!」
…でもないよな。



「お世話になります」
政殿がそう言った。


「うん。またよろしくね。お義父さん」




小さな世界が色も形も変えて、それがとても自分にとって大切だったんだったと、思い出した日。