シリーズ山の写真⑲・根子岳、四阿山 | 稜線の風に吹かれて

稜線の風に吹かれて

いつもは低い山、ときどきは高い山、その報告と日々折々に感じたこと、思ったことを気ままに綴ります。

「にっぽん百名山」はじめ山の番組はよく観るが、「そこに山があるから」もほとんど観ている。

先日は「四阿山と根子岳」だった。

番組は、四阿山から根子岳へだったが、私はだいぶ前だが、逆に根子岳から四阿山へと辿ったことがある。

根子岳の草の斜面と、二つの山頂からの展望は忘れられない。

 

根子岳山頂。右奥に四阿山。(2008年10月3日)

 

根子岳から四阿山を望む。

 

根子岳を下ってきたところから根子岳を見上げる。

 

四阿山頂を望む。

 

四阿山頂の祠。

 

四阿山方向から根子岳を望む。

 

*番組でも金子貴俊が言っていたが、根子岳は、田中澄江の「花の百名山」にも選ばれている。

その根子岳を田中澄江が登ったときのことがとても面白く書かれていて思わずクスッと笑ってしまう。

 

登ったのは戦後十年たった頃、というから昭和30年頃か。

菅平での「小学校の教師を中心に学校演劇について研究する夏期講習の会」で「夫と一緒によばれていった。」

翌日は朝8時の電車で上野へ帰らなければならないというが、根子岳を前にして「どうして登らずに帰れよう。」かと。

しかし、夫は山に登る人ではない。午前6時半には戻って来なければ電車に間に合わない。

どうしたか、・・・「明け方二時に出」るという。

暗いので「一人の男の先生が一緒にいってあげる。」ということになった

さて、山の支度はして来ていなかったが、

「宿の浴衣を着て、宿の女主人の半幅帯を借り、裾をからげて素足に藁草履。」という出で立ちで、標高差650mを4時間で往復するという。

山に対する思いが半端ない。

そして、山頂に立ち「うれしくて涙が出たが、」すぐに走って下る。

すると、放牧されている牛に追われ、連れの先生に助けてもらう。

そして、「ズボンに山靴の登山者がぽつぽつ上ってきた。浴衣の裾をからげ、手拭いを姉さんかぶりにした女が走ってゆくのをどう見ることか。そんなこともかまわず、ただただ走った。」

・・・・なんとも面白い光景だったろう。

 

ちなみに「花の百名山」での根子岳の花は、「ウメバチソウ」。