「司法試験」の伊藤塾の伊藤真塾長が書かれた本です。この中において勉強法等も参考になったのですが、僕がすごい印象に残ったお話をさせていただきます。(勉強法につきましては改めて紹介させていただきます。)
それほど難しい事件ではなかったのであるが、ある事件の前の担当の弁護士が辞めてしまい引き継ぐこととなった。被告には40歳前後の中年の男性で、落ち着いた人徳のある人物に思えた。その方がこう切り出した。
「先生、ちょっと質問をしてよろしいでしょうか」
私は当然、弁護方針や判決の見通しについて聞かれるのかと思い、入念に準備した書類を取り出そうとした。しかし、彼は私の目を見ておもむろにこう聞いたのである。
「先生の”人生の目標”は何でしょうか?」
私はうろたえた。法定で裁判官に質問されるよりもはるかにドキドキした。正直に言って、それまで彼から質問されたようなことを真正面から考えたことはなかった。しかし、普段からぼんやりは考えていたので、
「私の人生の目標は、世界中の子供たちの笑顔を取り戻すことです。」
すると顔色変えずに落ち着いて
「ああ,そうですか、それはなぜですか?」と聞いてこられ、ドキドキしながらも彼の質問に答えた。
「人間は誰しも幸せになる権利があると思うし、日本の子供だけでなく、世界中の子供も同じです。世界にはまだ悲惨な状況に置かれた子供たちがいるので、そういう子供たちが幸せになれる社会をつくりたいと思います。」
「そうですか、先生はそのために何をされていますか」
「私ができることは限られていますが、事件ごとに憲法の価値を伝えていきたいと思います。」
その後、彼は私に弁護を任せることになった、とのこと。今でも彼から問われたこの三つの質問は、私が生きる上での根底をなす問いになっている、とのこと。
「あなたの人生の目標は何でしょう?それはなぜですか?そのために何をしているのでしょう?」
僕も常日頃から、自分自身に問い掛けて生活していきたいと思います。
「流れ星を見ている間に願いことをすると叶う」というのは、「流れ星」が見つけてから消えるという短い間に、願いが言えるほど、常日頃から目標や目的を強くもって行動しているから「願い事が叶うのだ。」という節もある。