VERTICAL MAN/RINGO STARR | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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VERTICAL MAN/RINGO STARR
1. One
2. What in the... World
3. Mindfield
4. King of Broken Hearts
5. Love Me Do (John Lennon/Paul McCartney)
6. Vertical Man
7. Drift Away (Mentor Williams) 
8. I Was Walkin' (Richard Starkey/Mark Hudson/Dean Grakal) 
9. La De Da
10. Without Understanding (Richard Starkey/Mark Hudson/
Steve Dudas) 
11. I'll Be Fine Anywhere
12. Puppet
13. I'm Yours (Richard Starkey/Mark Hudson/Mark Nevin) 
14.Mr. Double-It -Up
15.Everyday
RINGO STARRというとどうしても他のビートルズのメンバーから引き離された
イメージがあります。
確かに自身の作品も、かなり周りの仲間に手助けされている部分があるので、
仕方がないのですが。ですが、彼のアルバムを各々をちゃんと聴くと、
RINGOらしさがあってすごく楽しめる作品ばかりなんです。
ポリドール時代の作品も同様に私は好意的に受け止めています。(^^
RINGOの傑作というとやはりクオリティといい、メリハリといい、
シングルのヒット性といい文句なく『RINGO』だと思うのですが、
それに続くアルバムとしてくい込んでくるのは今回アップした

1998年の作品『VERTICAL MAN』だと思います。
このアルバム全体のクオリティは非常に高く、話題性も十分にあり、
RINGO自身の作曲家としても素晴しさを再評価させてくれています。
それまでのアルバムというのは、楽曲によって個性のあるメンバーが

やっていましたが、このアルバムでは演奏メンバーが固定されて

それまでになかったバンド・サウンドになっているんです。

まっ、それは統一感が全体に出て来る反面、
同系色染まってしまっているマイナス部分があるんですけどね。
そういうマイナスを極力押さえる為に、各曲のゲストも大物が参加して

独自のカラーを着色しているわけです。

その独自のカラーを出してくれている大物ゲストというのが、
Paul McCartney and Linda McCartney、George Harrison、Joe Walsh、
Ozzy Osbourne、Steven Tyler、Alanis Morissette、Brian Wilson、
George Martin、Timothy B. Schmit、Tom Petty・・・
どうです、このメンバー。すごいでしょう~。(^^
作曲に関しては基本的にRichard Starkey/Mark Hudson/Dean Grakal/
Steve Dudasで行っていて、それ以外はクレジット通りとなっています。
オープニングの「One」を初めて聴いた時、思わず「明日への願い」みたいな曲が
流れてくるのかと思ったんですけど、そこまではインパクトがあるわけではないので、
割とすんなり聴いてしまう曲です。
ですがメロディの作りはよくて、途中のアレンジとかも結構ハードに

決めてくれていてすごくいいんです。
続く「What in the... World」では、ベースとコーラスにPaul McCartney、
そしてギターをJoe Walshが担当しています。
やっぱりPaul McCartneyのコーラスが入って来るとしまりますね~。(^^
曲もいい出来で聴いていて首を降って一緒に歌いたくなるんですよ。
ここでのJoe Walshのギターもなかなかで、ちょっとハードな感じも

この曲ではピッタリかもしれませんね。
3曲目はJoe Walshのギターがフューチャーされた「Mindfield」です。
コーラスにはお約束のようにPaul McCartney and Linda McCartneyが
参加している所がRINGOの曲らしいです。
ノリのいいイントロから、ちょっと人をくったようなヴォーカルで始まるこの曲も
なかなか凝った曲で、中間部分でのシタールやギターにハッとさえられるんです。
ただJoe Walshのギターが全体にハードなのが気になるところですけど・・・
次の「King of Broken Hearts」は、George Harrisonの
スライドギターが聴ける佳曲です。
ちょっとスローな感じの曲ですけど、それがGeorge Harrisonのスライドに
とっても合っていて、聴いていて落着くんですよ。
メロディも素晴しくていろんな面において感動させられる曲ですよ。
途中の不思議な展開からGeorge Harrisonのスライドが入って来て、
ストリングスと交わる所など本当に素晴しいの一言です。
そしてこのアルバムで一番話題になって驚かされたのが「Love Me Do」です。
もちろんBEATLESのカバーになるわけですが、RINGOはロックさせているんです。
それにブルースハープが最初から入ってきて、これまたかっこいいんですけど、
それもそのはず!AEROSMITHのSteven Tylerが吹いているんですから!
Steven Tylerが参加しているのはMark Hudsonとのつながりで
呼ばれたようです。
それにしてもMark Hudsonはいろんな意味でこのアルバムに
貢献してくれています。     
さてタイトル曲「Vertical Man」でコーラスをつけているのはOzzy Osbourne!
Ozzy OsbourneとRINGOに接点があったんですね・・・
曲の方はマジカルの頃を彷佛させるアレンジで、ズンズンと歩んで行くような
雰囲気は懐かしさすら感じさせてくれています。
タイトル曲だけあってバランスといい、クオリティといいすごくいいんですよ。
それにしてもなんでOzzy Osbourneのコーラスは普通なんでしょうか。(^^
まっ、叫んだりはしないまでも、もっと前に出て来てもいいと思うんですが・・・
この「Vertical Man」はビートルズ解散後のメンバーが作った曲の中でも、
ベスト3に入るビートルズ・オマージュ・ソングかもしれません。
7曲目の「Drift Away」も豪華なメンバーが集まっているナンバーで、
Tom Petty、Alanis Morissetteがヴォーカルで参加しているほかに、
Steven Tylerも登場してくれています。但しドラムスで!
これって驚くでしょう~、ドラムスなんて。
もともとSteven Tylerはドラマーだったので上手なんです。
それにしてもRINGOを前に叩くなんて緊張しなかったのでしょうか?
ちなみにSteven Tylerはコーラスにも参加しています。
「Drift Away」という曲は、THE BANDとかがやってもハマリそうな曲で、
聴いていて徐々に馴染んできそうなメロディが素敵なんですよ。
ここまで折り返しなんですけど、本当に充実した内容で大満足です!
さてここから後半戦です!
折り返し1曲目は「I Was Walkin'」です。
この曲はかっこよくて、STONESやマーク・ボランがやっても似合うナンバ-
間違いなしです!
ギターがかっこよくてノリが最高です。
それにSteven Tylerのブルースハープがとてもかっこいい!!
こんなかっこよくロックしてくれるRINGOをバックのコーラスで
支えてくれているのがPaul McCartneyとAlanis Morissetteですから
言う事なしです!間奏の部分やブレイクの部分なんてAEROSMITH顔負けだから
仰け反っちゃいます!(^^V
そんな派手派手な曲の後にながれるのが、いかにもRINGOのイメージにあった
のんびりソング「La De Da」です。
この曲はメロディもいい感じなんですけど、コーラスが特にいいんです。
本当に広い草むらの中を高く足を上げて歩いて行きそうな気持ちになるんです。
そんな気持ちにさせてくれるコーラスには、Paul McCartney、
Steven Tylerを含めた大勢の皆様のおかげです。ギ
ターのJoe Walshも非常に曲に馴染んだソロを聴かせてくれて、
心地よさがまた広がっていくようですね。
こののんびり感は絶対に他のミュージシャンには出せないですよ。
ちなみにシングルにもなっていて7inchのアナログ盤やCDも出ています。
10曲目の「Without Understanding」は全体にロック色の強い曲で、
それまでのRINGOからしたら異色かもしれません。
とにかくギターが前に出て来ているのに、ちょっと驚いてしまいます。
メロディーもそれまでのRINGOが歌う感じではないので
逆に新鮮な感じすらします。
この曲ではあのBrian Wilsonがバックでコーラスをつけてくれていて
もうその豪華さに脱帽ですよね。(^^
続く「I'll Be Fine Anywhere」は、前曲とはガラッとイメ-ジが
変わってオールディーズな雰囲気が漂う曲となっています。
ここでは George Harrisonが再度登場し、存分にギターを弾いてくれています。
こういうノリのいい曲での George Harrisonのスライドもすごく栄えていて
聴きごたえがあります。
RINGOと George Harrisonって本当に相性がいいんですね。
12曲目はEAGLESのTimothy B. Schmitがコーラスで参加している
「Puppet」です。
ベースとドラムのリズム隊がちょっと陽気で弾んだ感じで演奏されていて、
それにかぶせてRINGOのヴォーカルが入ってくるので、
聴いていてもなんだか急に楽しくなっちゃうんですよ。
すごくRINGOらしい曲で、私も大好きな一曲なんです。
バックのキーボードがすごくいいんですよ。
そしてアルバムを締めくくるのが「I'm Yours」なんですけど、
このバラードな感じの曲はGeorge Martinがストリングスのアレンジをしていて、
最後を締めくくる素晴しい仕事をしてくれています。
ただ、このアルバムの雰囲気からいったら、明るいノリのいい曲で終わった方が
すごく良かったような気がするんですよ。
ここだけサントラのエンディングみたいになっちゃっているのが、
個人的には残念なんですけど、曲は美しく纏まっているんです。
・・・で、通常はここで終りなんですけど、日本盤のみボーナスが
2曲付け加えられていて、実はこの2曲も素晴しい出来の曲なんです。
私はボーナス嫌いなんですけど、この2曲に関しては入れてもらう事によって、
よりアルバムの雰囲気を醸し出した陽気な感じで終わらせてくれたと思っています。
その1曲が「Mr.Double-It-Up」です。
スライドが印象的で、陽気で明るいノリは本当にRINGOのイメージにあっているんです。
カントリー調のロックンロールと言えばよいのでしょうか・・・
プレスリーとかが歌っても似合いそうなナンバーなんですよ。
ライブでも盛り上がるのではないでしょうか。
そして本当の最終曲と考えてもいいのではというのが「EVRYDAY」。
シンプルなドラムから入ってくる曲で、テンポはミディアムな感じなんです。
メロディもいいですし、こういう曲の方がエンディングに相応しいと思いますが・・・
「I'm Yours」で終わるよりは、絶対に「EVRYDAY」で終わった方が
アルバムの雰囲気としてはクオリティが上がると思うんです。
アルバムはBillboardで久々にチャート・インして61位まで上昇しています。
これは『Ringo's Rotogravure』以来のベスト100ランクインとなりました。
61位というのは決して高い順位ではないんですけど、
ファンとしては本当に嬉しい61位でした。
ただこのアルバムが61位に甘んじるような内容ではないという事を
付け加えておきたいです。
私はこの『VERTICAL MAN』がRINGOの最高傑作だと言われても
頷ける作品だと思っています。