LEFT ALONE/MAL WALDRON | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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LEFT ALONE/MAL WALDRON
All compositions by Mal Waldron except as indicated
1. Left Alone (Billie Holiday, Mal Waldron) 6:06
2. Catwalk 6:56
3. You Don't Know What Love Is (Gene de Paul, Don Raye) 5:52
4. Minor Pulsation 8:14
5. Airegin (Sonny Rollins) 7:11
6. Mal Waldron Interview: The Way He Remembers Billy Holiday 4:09
MAL WALDRONを知ったのはかなり前の事で、あるアルバム・カタログにチャールズ・
ミンガスのアルバムが紹介されていたんです。
たまたま同級生がその紹介されていたアルバムを持っていたので
印象深かったんですが、そのアルバムが『直立猿人』だったんです。

ガキンチョの頃ですから、JAZZなんてわかんないし~状態でしたが、

その同級生が大絶賛していたものですから覚えていたんです。

このアルバムにピアニストとして参加していたのがMAL WALDRON
だったんです。・・・で今回アップしたアルバム『LEFT ALONE』ですが、
これジャケットだけはずっと前から知っていたものの、

MAL WALDRONのアルバムだなんてわからなくて・・・

ジャケットの印象が強かったのでしょうね、ガキンチョの私には。(^^
彼は50年代後半をBillie Holidayのバックとして参加しましたが、
59年にBillie Holidayが亡くなった後にこのアルバムを制作しているんです。
オープニングの「Left Alone」はクレジットをなっていただければわかるように、
Billie HolidayとMAL WALDRONとの共作となっています。
MAL WALDRONは知らなくてもこの「Left Alone」は、誰もが一度は耳にしたのでは・・・
というほどのナンバーです。多分聴かれたら「あ~っ」って言われる曲だと思います。
MAL WALDRONの静かなピアノに導かれ、Jackie McLeanのあのアルト・サックスの

渋いメロディが心にしみ渡るように流れてくるんです。

あくまでも静かに淡々と流れるメロディに飲まれてしまいそうな雰囲気の中、

サックスからMAL WALDRONのピアノが前にでてくると
これがすごく落ち着いた独特の響きで感動させてくれます。
あまりにも深くしみ込みそうなのがBillie Holidayへの気持ちを表しているかのようです。
ただただ名曲と言うしかないですね。
続く「Catwalk」は、出足からJulian Euellのベースが静かに空間を響かせると、
それに合わせてMal Waldronのピアノが流れるように入ってくるんです。
ややスローな雰囲気ながら軽やかなタッチは、タイトルに似合った曲だと思います。
どこかとなくしなやかさとクールさが味わえますし、
そのバックでAl Drearesのドラムスがタイトにしめてくれているのがステキです。
全体を通して感じるサウンドは、微妙な空気の流れまでも敏感にとらえて
表現しているかのように私には聴こえるのですがどうでしょうか?
3曲目の「You Don't Know What Love Is」では、Mal Waldronのピアノが
ゆるやかなタッチで、それでいて耳を傾けざるを得ないような雰囲気を

醸し出しているんです。
あくまでも淡々とした流れをつくっているんですが、しっかりとしたメロディが
とてもいいんですよ。特に後半のピアノの強いタッチは、

私の何かを熱くさせてくれるような気さえします。

こういう曲は夜ゆっくりとあじわいたいですね。
次の「Minor Pulsation」では、いきなりAl Drearesの軽快なドラミングから始まり、
その中へMALの激しいピアノが飛び込んで行き、大きなうねりを作っていくんです。
こうなるとピアノとドラムスの闘いの様にも感じます。こういう曲を聴いていると、
ジャズ・ファンに怒られてしまいそうですが、何となくプログレを思わせるんです。
EL&Pのサウンド自体がジャズを受け入れたサウンドですから、
この曲のようなうねりのある曲はロック・バンドに多大な影響を与えた事でしょう。
それにしてもAl Drearesのドラム・ソロは圧巻!
本当に仰け反りそうな感じのドラミングを披露してくれています。
もうこれはジャンルを超えた演奏としか言い様がありませんよ。
このアルバム最後の演奏曲「Airegin」はSonny Rollinsの曲で、
今にも語りかけてこられそうなMALのピアノに引き付けられる魅力を感じる曲です。
そんな美しいピアノの響きから、軽いステップでも踏んで行く状況の中から、
軽快なノリのリズムに代わって行く所が最高です。
Al Drearesのドラミングも、繊細にして要所にメリハリをつける叩きは素晴しいです。
ここでのMAL WALDRONが弾くピアノは、低音がアクセントになって響いていますし、
途中で叩き込んでくるAl Drearesのドラミングは圧巻です。
もちろんJulian Euellのベース・ラインも卓越していて、どれも聴きごたえ充分です。
こういう曲を聴かせられたらノルしかないでしょう~。(^^
このアルバムの最終には、MALがBilly Holidayの思い出を語ったインタヴューが
収録されています。それだけBilly Holidayに対しての思いが強かったのでしょうね。
「Left Alone」で始まり、「Mal Waldron Interview: The Way He Remembers 
Billy Holiday 」で終るなんて、なんだか感動してしまいますね。
一曲一曲を聴いても、通して聴いて本当に素晴しいアルバムなので、
ぜひ多くの方に聴いてもらいたいアルバムだと思います。