OFF THE GROUND/PAUL McCARTNEY | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

Beatles大好きっ!猫大好きっ!

BEATLESを中心とした洋楽とニャンコの日々の生活をアップ。

OFF THE GROUND/PAUL McCARTNEY
●Side-one
1. Off the Ground
2. Looking for Changes
3. Hope of Deliverance
4. Mistress and Maid (Paul McCartney / Declan MacManus) 
5. I Owe It All to You
6. Biker Like an Icon
●Side-two
1. Peace In The Neighbourhood
2. Golden Earth Girl
3. The Lovers That Never Were (Paul McCartney / Declan MacManus) 
4. Get Out of My Way
5. Winedark Open Sea
6. C'Mon People
*secret「Cosmically Conscious」
最初からきつい事を書くようですけど、このアルバム『OFF THE GROUND』は
そんなに好きではないんです。
多分PAULのベストやクラシック、実験アルバムを除いたら下位のランクなんですよ。
だからと言って収録曲が悪いかといったらそうではないんです。
「Hope of Deliverance」「C'Mon People」「Off the Ground」
「Biker Like an Icon」のような素晴しい曲もあって、
非常にバラエティにとんでもいます。
ですがそれ以外の曲が私には好きになれないんですよね・・・
それぞれに聴けば良いところがありますけど、この作品からやたら環境や自然とかに
執着する曲が多くて・・・
個人的には、そういのって音楽とは切り離してやってほしいと思うんです。
それと「Mistress and Maid」と「The Lovers That Never Were」で、
Elvis Costelloと共作をしているんですけど、
これも私はどうもこれもしっくりこないんです。
Costelloは嫌いじゃないんですけど、PAULが彼とやる事によって結構
飲まれちゃってるのが嫌なんですよね。
先に述べたように素晴しい曲も多く収められていますが、
この作品当たりからシングルへのヒット性の思いが
PAUL自身薄らいで来ているような感じをうけます。
アルバム重視と言えばよいのでしょうか、それともヒットへの執着がなくなったのか・・・
聴く側が望むものと、PAULが作るものとの隔たりが出て来たとも言えますけど。
そのいい例が「Hope of Deliverance」「C'Mon People」のシングル不発です。
この2曲は非常によく出来た曲で素晴しいと思うんですけど、
ヒットに至るまでの何かがなかったのでしょうね、
信じられないくらいの不発で終っています。
アルバム全体からはそんなに感じませんが、基本的にはライブ感覚で
オーヴァーダビングもあまりしない事もあってシンプルさが目立っている曲もあります。
オープニングの「Off the Ground」は、シングルとしてもカットされた曲で、
非常にインパクトの強い曲となっています。
メロディもいいですし、アレンジも複雑じゃない分ストレートに曲の
良さが伝わってきますね。
特にコーラスとスライド・ギターが素晴しくていいんですよ。
ちなみにこのPVもいいんですよね~。
先に書いたようにシングル・カットされましたが、UKで41位止まりという結果です。
こんなに低いランクで止まる曲ではないんですけど・・・
続く「Looking for Changes」ですけど、実はこの曲苦手なんですよね。
曲調からするとライブ感覚の曲でノリもいいんですけど、個人的にはもうちょっと
丁寧に作ってほしかっと思うんですよね。
雰囲気からいったら『ヤァ・ブロードストリート』に入っていた曲にも似ています。
3曲目はこのアルバムからの1stシングルとなった「Hope of Deliverance」です。
この曲はアコーステックを中心に構成された曲で、すごく親しみやすい曲で
すぐにメロディが浮かんできそうな感じなんです。
ここではBlair Cunninghamのブラシが効果的に使われていていますし、
Lindaさんのコーラスも素晴しいんですよね。PVはなんだか宗教じみている所
あるんですけど、結構PAUL自身が楽しんで撮影に参加しているのがわかります。
シングルとしては、UKで18位、USビルボード83位という結果に
終っているのが非常に残念ですね。
4曲目はCostelloとの共作「Mistress and Maid」です。苦手な曲なんですけど、
このアルバムの中ではクセを出していて特長がある曲です。
雰囲気がワルツ調なので、何となく寸劇の曲みたいな感じがするのが気になるんです。
このへんはCostelloの勢いが強かったのでしょうね・・・あまりまとまりを感じません。
続く「I Owe It All to You」は、アコギが印象的ですごく耳に残る曲で、
なんとなく後のアルバムに入っている曲とダブルんです。
こういう曲を聴くとPAULが作り出すメロディって凄いな~と感心してしまいますね。
このアルバムの隠れた名曲といえる1曲ではにでしょうか。(隠れなくてもいいですけど)
さてこのサイドを締めくくるのが、このアルバムで最初に好きになった名曲の
「Biker Like an Icon」です。ライブ的な感覚で録音されているせいか、
シンプルでタイトな演奏をしているのが、この曲ではかえって良かったようで、
勢いをより感じさせてくれるような気がします。
ただ個人的にはもっとデコレーションしたらシングルとして華やかさがでたと思います。
この曲は何と言っても出足のピアノのかっこよさにつきますね。
つんのめりそうなスタートが何ともいえません。(^^
この曲は外国でシングルになっていますが、USやUKではカットされていないようです。
サイドが変わって1曲目「Peace In The Neighbourhood」は、
リラックスしたムードで始まる曲で、ピアノの響きがなんとも心地よい感じで、
PAULのヴォーカルもすごくいい雰囲気なんです。
アレンジその他からしたら、ちょっと物足りない気もしますけど
曲としてのバランスはすごく良い曲ではないでしょうか。
続く「Golden Earth Girl」では『リヴァプール・オラトリオ』で共作した
カール・ディヴィスがオーケストラのアレンジをしています。
「Mistress and Maid」もカール・ディヴィスのアレンジですが、
やはりPAULの曲にオーケストラをアレンジするのはGeorge Martinの
方があっているような気がしますけど、どうでしょうか?
この曲ではPAULのヴォーカルがちょっとつらい部分もありますけど、
素晴しいメロディを歌い上げてくれているのには感激してしまいます。
全体に美しく、しなやかな雰囲気が漂っていますが、
出来ればもうちょっとメリハリがあったら曲に個性が出たような気がします。
3曲目の「The Lovers That Never Were」はCostelloとの共作ですが、
音の上がり下がり具合があってCostelloの雰囲気を出しているような感じを
受ける曲です。
個人的には可もなく不可もなくみたいな曲ですけど・・・
なんだか中途半端なんですよね。アレンジも特段面白くもないですし・・・
こういう曲の後に突然ラフなロックンロールで攻めてくるのがPAULらしいというか、
安易というか・・・これもPAULらしと言えばらしいのかなぁ~。
ノリのいい「Get Out of My Way」の登場ですけど、ちょっと軽いかなっ。
曲自体は悪いとは思いませんが、アルバムとしてのバランスがバラバラなんですけど・・・
個人的には流れが悪いような・・・
一気にロックンロールしたところで、平静を保つような「Winedark Open Sea」は
聴いていて落ち着きますね。ただ曲自体の出来から言ったらそんなに出来が良いとは
思わないんですよ。「普通」のいい曲くらいでしょうか。
決して駄作ではないんですよ。ただPAULのハードルが高いだけなんです・・・(^^;
そしてラストを飾るのが、アルバムを閉めるのに十分な名曲「C'Mon People」です。
先に述べたようにGeorge Martinがオーケストラのアレンジを担当して、
素晴しい曲にしてくれています。やっぱりMartinはPAULにピッタリですよ。(^^
普通にピアノの弾き語りで始まるんですけど、そこから徐々に盛り上がって行く様は
圧巻の一言です。PAULのヴォーカルもかなり張っていてかっこいいんですよね。
その歌に合わせて少しづつ楽器が増えて行くのですからたまりません。
やはりこれを聴くとアルバム全体をMartinにゆだねてほしかったと思います。
それくらい素晴しい曲ですから。特に後半の展開はさすがとしか言い様がありません。
この曲のPVも素晴しい出来ですので、ぜひ見て頂きたいですね。
これだけの名曲ですからシングルにもなりましたけど、
何故かUKの41位止りというわけのわからないアクションになっています。
本当にファンとしては信じられない結果なんですよね・・・・
この「C'Mon People」で静かに幕を閉じて行くのですが、
遠くから徐々に近づいてくる音が・・・
それがシークレットとして入っている「Cosmically Conscious」なんです。
短い曲でほとんどフェィド・インとフェイド・アウトの曲なんですが、
この曲がすごくいいんです。
今までもPAULのソロに入っていた曲とは雰囲気が違うんですが、それもそのはず!
この曲は1968年ビートルズ時代にインドで作られた曲だそうです。
メロディの雰囲気からなんとなくビートルズを感じるんですよね。
ちなみに、このアルバムで一番好きな曲がこの「Cosmically Conscious」なんです。
過去に作った曲が好きなんて失礼かもしれませんが、魅力的なんですから仕方ないです。
このアルバムは、UKで5位、US Billboardで17位まで上昇し、
RIAA公認ゴールドディスクを獲得しています。
・・・というわけで、久々にこのアルバムを聴いたんですけど、
昔程悪い印象はなくてかえって印象が良くなったくらいでした。
こうやって聴きなおしてみるのも、評価がかわっていいかもしれませんね。(^^
※画像一番上が海外で発売されたLP盤、次が国内CD盤、そして一番下が国内で
発売された廉価盤となっています。