SLIDE IT IN/WHITESNAKE | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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SLIDE IT IN/WHITESNAKE
●Side-A
1.Gambler 
2.Slide It In 
3.Standing in the Shadow 
4.Give Me More Time
5.Love Ain't No Stranger
●Side-B
1.Slow an' Easy 
2.Spit It Out 
3.All or Nothing 
4.Hungry for Love
5.Guilty of Love
WHITESNAKEというと、DEEP PRPLE解散後David CoverdaleとTommy Bolinが
結成しようと考えていたバンドだったわけですが、Tommy Bolinの死によって
David Coverdaleひとりで立ち上げたバンドとなりました。
デビュー当時からソウルフルな雰囲気をだしていましたが、
これはPURPLEのアルバム『Stormbringer』や『Come Taste the Band』の
流れがそのまま引き継がれたのだと思います。
メンバーの移動が絶えまなくあったものの、その音楽性は一貫していて

WHITESNAKEのソウルフルなサウンドは守られてきました。
そのサウンドが最後となったのが、このアルバム『SLIDE IT IN』です。
ゲフィン・レコードからの発表という事もあり、当時はかなり鳴り物入りな感じで、
宣伝もさせれて当時の彼等のアルバムでは最大のヒットとなりました。
このアルバムを聴くとわかりますが、このアルバムの中でも次に発売される
大ヒット・アルバムを思わせる楽曲が入っています。
ただ、ここではMel GalleyやMicky Moody、
Jon Lordがそういう感じを押さえ込んでいるため、それまでのサウンドを
維持出来たと思っています。
逆に言うとそうした昔ながらのサウンドから抜けたいDavid Coverdaleとしては、
自ずとメンバー・チェンジを考えるわけだと思います。
これは個人的な考えですけど、この頃のDavid Coverdaleにはメンバーを維持する
気持ちはなかったのではないでしょうか。
どちらかというと楽曲に合わせてアルバム毎にメンバーを変えたかったのではと
思っています。
私にしてみればメンバーがコロコロ変わるというのは絶えられなくて
離脱してしまうんですよね。
アルバムの内容はすこぶる良くて全体の評価からすれば
彼等の作品でも上位に入るないようだといってもよいのではないでしょうか。
アルバム・オープニングを飾る「Gambler」は、WHITESNAKEらしいサウンドが
聴けるナンバーで、その後のWHITESNAKEが置き忘れたサウンドが

ここにあると思います。
続くタイトル曲の「Slide It In」は、出足からこれWHITESNAKE?って
思ってしまったナンバーです。
何回聴いてもこれはKISSのようなナンバーには違和感を感じてしまいます。
曲としてはいいと思いますけど、WHITESNAKEがやらなくてもいい曲ではないでしょうか。
もしかしたらアメリカ進出の為かもしれませんが、こういう小細工は不必要だと思うのです。
そんなモヤモヤとした気持ちを一掃してくれるのが「Standing in the Shadow」です。
この曲くらいWHITESNAKEらしい佳曲はないのではないでしょうか。
こういう曲を歌わせるとDavid Coverdaleは最高ですね。(^^
「Give Me More Time」もなかなかの曲なんですが、
ややポップな面が見隠れするところが気にはなるところです。
この曲に限った事ではないのですが、Cozy Powellのドラムスがちょっと浮いている
感じがするんです。Cozy Powellは素晴しいドラマーなんですけど、
WHITESNAKEには合っていない気がするんです。
お互いのスタイルが違うので、サウンドがうまく噛み合っていないよう

な気がしてなりません。
これはベースのColin Hodgkinsonも同じで、何か違うんですよね。
実際アルバム『セインツ&シナーズ』の発表後の武道館ライブを観たのですが、
Cozy PowellとColin Hodgkinsonはバンドのサウンドに馴染んでいませんでした。
ただB面1曲目の「Slow an' Easy」に関しては、二人の演奏は良かったと思うんです。
迫力のある曲ですから、やはりパワーのある演奏がピッタリはまっています。
個人的にはこの曲のようなサウンドはZEPにまかせておいて、もっと「らしい」曲を
やっていってくれた方がうれしかったです。
この曲や次作の「Still the night」があったからこそ、Jimmy Pageとの
夢のコラボも実現したわけですけど・・・・
この曲ではMicky Moodyのスライドギターがそういったイメージを
一瞬押さえてくれるのが、WHITESNAKEとして救われた感じがします。
逆に言うとこの曲のソロは合っていないともいえるのですが、
私はとても好きなソロです。
ここでのCozy Powellは本当に独壇場です。(^^非の打ちどころがありませんから。
David Coverdaleとしては「All or Nothing」が一番良い面が表現された曲で、
聴きようによっては大ヒットした次作アルバムに繋がる曲になるのでしょうけど、
ここではJon Lordのキーボードが、しっかりその一線を引いて「らしさ」を
止めてくれているのには拍手を贈りたいですね。
後半にきてロックンロール・ナンバー「Hungry for Love」は私にとっては
手放して喜んでしまうんです。ちょっとベタベタな感じは仕方ないとしましょうね。
・・・で最後を締めくくるのが、先行でシングル発売された「Guilty of Love」ですが、
この曲が必要だとは私はまったく思わないんです。
アメリカ進出の切っ掛けかもしれませんが、こういう曲は必要無いと思います。
本当にこの曲だけ異質なんですよね・・・ゲフィンの要請なんでしょうか?
このアルバムはもともと Eddie Kramerのプロデュースで制作されていたのですが、
途中でMartin Birchに変わっています。さらにこのアルバムが発売された時には、
ベースのColin HodgkinsonとギターのMicky Moodyに替わり、
Neil MurrayとJohn Sykesが名前を連ねています。
John Sykesのようなギタリストは、ツインでやるのはあっていませんから、
Mel Galleyも自ずと脱退に追いやられてしまった感じになります。
私はこのようにスタッフやメンバーがコロコロ替わるのが嫌いで、
あまり長く聴いていこうという気がなくなってしまうんです。
どんなに大ヒットして売れた作品をこの後だしても完全にWHITESNAKEとしては
聴いていません。
David Coverdale Banとして私は聴いています。
そういう意味では本当にこのアルバムがWHITESNAKEとしての

最後のアルバムだと思っています。
このアルバムはUK仕様とUS仕様に曲順とかが変えられていれ、
そういうところからもアメリカ戦略が見えてきますね。
このアルバムはBillboardで40位までしか上昇しませんでしたが、
当時のPURPLEファミリーとしてはヒットの部類のランクです。
更に当時このアルバムはRIAA公認ゴールドディスクを獲得するヒットとなりました。
これもPURPLE解散後のPURPLEファミリーとしては初のディスク獲得となっています。
最終的にはRIAA公認プラチナディスクを獲得し、USで200万枚を売り上げました。