GIVE THE PEOPLE WHAT THEY WANT/THE KINKS | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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GIVE THE PEOPLE WHAT THEY WANT/THE KINKS
1. Around the Dial 4:45
2. Give the People What They Want 3:45
3. Killer's Eyes 4:40
4. Predictable 3:31
5. Add It Up 3:14
6. Destroyer 3:47 Billboard 85位
7. Yo-Yo 4:10
8. Back to Front 3:15
9. Art Lover 3:22
10. A Little Bit of Abuse 3:45
11. Better Things 2:59 Billboard 92位
『GIVE THE PEOPLE WHAT THEY WANT』は81年にKINKSが発表したアルバムで
ロック・オペラ系のアルバム制作に区切りをつけた後の作品なんです。
そういうわけで純粋にロックを楽しくやっている感じが伝わる好アルバムになっています。
楽曲は全てRay Daviesによるもので、メンツはRay Davies、Dave Davies、
Jim Rodford、Mick Avory、Ian Gibbonsという構成になっています。
他には当時Ray Daviesの奥様(確か)だったChrissie Hyndeが「Predictable」
「Add It Up」「Art Lover」「A Little Bit of Abuse」で参加しています。
オープニングの「Around the Dial」ですけど、この曲から音の厚い演奏でかましてきて
思わず「いいですね〜」って言ってしまう感じの曲なんです。
歌が始まるとなかなかノリの良い弾けたロックで楽しませてくれるんです。
最初聴いたときはKINKSってこういうロックをやっていたんだと思うくらい、
それ以前やっていたロック・オペラが小難しく感じていたのでだったらもっと早く
このへんのアルバムを聴いておけば良かったと後悔したんですよね〜。
Ray Daviesのちょっとクセのある荒れた声がこの曲にピッタリなのも最高です。
2曲目のタイトル曲「Give the People What They Want」は出足から更にノリノリの
ドラムスで捲し立ててくるかっこいいロックンロールなんです。
どこかパンクさもあって良い感じでバラついた雰囲気が最高なんですよ。
サビ部分とかは結構パンクを意識していると思いますし、出足のドラムスからの始まりは
クラッシュあたりを意識しているのかなと思います。良い意味でパンクの弾けた部分を
取入れて更にKINKSらしい味付けで表現している佳曲だと思います。
3曲目の「Killer's Eyes」は落ち着いた優しいメロディを聴く事ができます。
曲がバラード風な感じなので最初の透明感のあるアレンジは凄く美しいんですが、
途中から結構粗いギター音とドラムスのバタバタな音が入って来て雰囲気が変わるんです。
そんな状態で穏やかに歌うRay Daviesが印象的なんですよね〜。
でもただバラードみたいな曲を「らしく」演出するよりは、普通にロックしてやった方が
私は正解だと思います。「らしく」やっちゃったら本当に面白くないですからね〜
この仕上がりはなかなか気に入っちゃっています〜〜〜。
4曲目の「Predictable」は先に書いた様にChrissie Hyndeがヴォーカルで参加しています。
出足から彼女のコーラスがはいってくるんですけど、すぐわかっちゃいますね〜
やっぱり個性的な歌声ですから気がついちゃいますよね。(^^
この曲のイントロのキーボードの音がどこかスプリングスティーンっぽくて面白いですし、
全体の雰囲気が飾りっけがないところにこの曲の魅力が感じられますし、

スタジオ一発録り見たいな音が身近に感じられて好きなんですよね。

最近のロックが忘れてしまった「雑」さがあってすごく良いです。
続く「Add It Up」もChrissie Hyndeが参加している曲で、

こちらはなにやらカッコいいギターで攻めて来る走りのロックって感じです。

歌が始まるとちょっとレゲエみたいなカッティングをベースに進行していますけど

、要所でロックっぽさを出して来るので曲自体にアクセントがでて印象に残るんです。
こういうシンプルだけど突き抜けたロックはやっぱりカッコいいですですよ〜〜〜
この頃って先にも書いたパンクだったりスカビートが流行っていた時期ですから
そういったものを上手く取入たあたり凄いな〜と思います。

普通だったらベタな真似になっちゃいそうですからね。
6曲目の「Destroyer」はシングルになってBillboard で85位まで上昇した曲です。
個人的にはシングル向けの曲なのかな?って思うんですけど、

曲としてはよく出来ていると思うんです。

ただバックで流れるリフがどこかで聴いた事のある奴で・・・・
KINKSってたまにこういうリフを堂々と使っちゃうので驚きます。
サウンドからしたら別にそういう引っ掛かるようなリフを使わなくても曲自体は
ちゃんと出来ていたと思うのですが・・・・・
7曲目の「Yo-Yo」はやや落ち着いた雰囲気で始まる曲なんですが、

相変わらずドラムスのスネアはなんとなく目立ちゃいますね・・・
曲自体はどこかもの悲しい部分も感じられますが、

サビ部分のギターの音はなかなかカッコいい音を響かせてくれているんです。
意外にこの曲は他の曲よりは地味に聴こえるかもしれませんが、

個人的にはアルバムで一番完成度の高い楽曲じゃないのかなって思っているんです。
曲の流れも良いですし、光と影みたいな部分も上手く表現出来ているという意味では
他の曲より数段上手く構成していると思います。

ただシングル曲には難しいでしょうね。
次の「Back to Front」はなんだかパンク的なベースからスタートする曲ですが
それに被せて来るギターとヴォーカルがかっこいいんですよ〜。

どこか荒れた空気を漂わせているところがこの曲の魅力の様な気がします。

全体としては詰まった感じはしないんですけど、音一つ一つにシマリが感じられて

緊張感が伝わる様なんです。
コンパクトに纏められている分、曲としてのインパクトがより明確に押し出して
強くなっているところは脱帽ものではないでしょうか。
9曲目の「Art Lover」はなんともホンワカしたトロピカルさとでもいうのでようか・・・
すごく緩やかな空気を楽しめる曲です。曲調は薄らとスカが織り込まれていて
わかり易いメロディが親しみをわかせてくれます。
もちろんアレンジもそういう雰囲気を出していますけど、これも大げさなものではなく
至って控え目な感じで纏め上げているあたりKINKSのセンスの良さを感じますね。
こういう曲が入っているとアルバム自体の幅が出てクオリティも上がる様な気がします。
10曲目の「A Little Bit of Abuse」はどこか出足がニック・ギルダーのヒット曲みたいな
感じがしますが、歌が始まると意外にメロディに引き摺り感があるので

不思議に感じますが、サビになるとふっと軽さが見えて来ます。

ただこのサビの部分にもニック・ギルダーが見え隠れしてくるんですけど、

もしかして「Hot Child in The City」引っ張ってます?
私はこの曲の良さよりもそっちに引っ掛かっちゃって・・・・(^^;
11曲目の「Better Things」はシングルになってBillboard で92位まで上昇しました。
・・・というか92位って入ってすぐ落ちちゃった感じですね・・・・
この曲はもう〜出足のノリのよいピアノとギターのいい感じの流れ具合が心地良い曲で、
相変わらずのドラムのスネアがバタバタなのがいいです〜〜〜(^^
この曲はメロディもわかり易くていいですし、ポップな雰囲気が漂っているので
すごく馴染んで来るんです。こういう良い意味での軽さはすごくいいですね〜。
ヒットは望めないとは思いますけど、シングルで聴きたくなる曲だと思います。
通してこの『GIVE THE PEOPLE WHAT THEY WANT』を聴いてみると、
とても内容の良いアルバムに仕上がっていて、このアルバムが切っ掛けでそれ以後の
アルバムがヒットしたと言うのも頷けます。
このアルバムを聴いたらKINKSって小難しい曲をやるんだと勝手に思っていたのが
間違いだとわかりましたし、本当にもっと早く聴けばよかったと反省しています。
最後にこのアルバムは81年に発表されてBillboard で15位まで上昇しています。