HEAD HUNTERS/HERBIE HANCOCK | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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HEAD HUNTERS/HERBIE HANCOCK
1. Chameleon (Herbie Hancock/Paul Jackson/Harvey Mason/Bennie Maupin)
2. Watermelon Man (Hancock)
3. Sly (Hancock)
4. Vein Melter (Hancock)
HERBIE HANCOCKというと60年代をMiles Davisと一緒に、数々の名演を残した
ジャズピアニストでMilesの『SEVEN STEPS IN HEAVEN』から『IN A SILENT WAY』の
間で活躍しました。最初の頃は普通にジャズ・ピアニストとして演奏していましたが、
Milesのサウンドの変化と共にHERBIEもファンクな方向へ流れて行きました。
特に『BITCHES BREW』前にはMilesの元を離れていますが、ソロになってからの
彼のサウンドは『BITCHES BREW』と同じ方向を向いています。
今回アップした『HEAD HUNTERS』は1973年に発売された作品で、
HERBIE HANCOCKというミュージシャンの新しい展開を送り出した
傑作となりました。サウンドはファンクともクロスオーヴァーとも言える内容で
全体にエレトリックなサウンドはかなりノリの良さを感じさせてくれるんです。
メンバーはBennie Maupin(saxophones)、Paul Jackson(bass)、
Bill Summers(Congas etc.)、Harvey Mason(drams)というラインナップです。
アルバムを通してファンクっぽさが漂っていて、どう考えてみてもMilesと一緒に
やっていた60年代初期の雰囲気はなく、ジャズの新しい転換期から発展させた
サウンドになっていると思います。流れでいうとIssac Hayesの「黒いジャガーのテーマ」
見たいな雰囲気がしているアルバムではないでしょうか。
この「黒いジャガーのテーマ」も71年の大ヒット曲ですから、いろんなジャンルの
ミュージシャンがファンク的なサウンドへ向いていたのでしょうね、きっと。
オープニングの「Chameleon」にしてもそういうファンク的なクロスオーヴァーな
サウンドで、完全にエレクトリックな雰囲気に包まれたノリのいい曲に仕上げています。
「Chameleon」は15分以上の演奏しているわけですけど、このようなファンクな
雰囲気だと意外に心地良い感じで、それこそ「ながら」状態で聴いたりしてしまいす。
そういえば私がいろんな音楽を聴きだした頃は、スパイロ・ジャイラとかがヒットしていて
聴いていましたけど、Herbie Hancockは73年にはそういうサウンドをだしていたのは
凄いですよね。ただ同時期にMilesは『On the Corner』出しちゃってますから・・・
同じエレクロニックでも完全に方向が違っているのが面白いですよね。
HERBIE HANCOCKというと「Watermelon Man」を上げる方が多い人気の曲が
2曲目に登場しますが、この曲はサウンドを聴くとかなり密林を感じる音が
飛び交ったり、永遠とリズムをとったりしている不思議な曲です。
その不思議な出足が終ると、都会的な雰囲気のシャレたサウンドが流れて来て
私たちの耳を楽しませてくれます。
意外にHERBIE HANCOCKの演奏よりも、Bennie Maupinのsaxophonesが
前に出ていているようなんですが、要所要所でしっかりHERBIE HANCOCKの
演奏がフックをつけてくれているんです。この都会的な雰囲気から後半に移ると
またあの密林みたいな感じになっていくので、終了してもその不思議なリズムが
頭の中をずっと駆けているようです。(^^;
3曲目の「Sly」はかっこいいブレイクを入れながら、曲がかっこよく進行していきます。
やはり雰囲気は流れるようなフュージョンな感じですが、バックで響くBill Summersの
Conga類の音がとてもいいんです。そういう生の音をバックに、HERBIE HANCOCKの
エレクトリックな音が加わると、全体のイメージが跳ね上がり、膨れ上がっていくような
勢いになって行くのが感じられます。ここでのBennie Maupinのsaxの演奏は
かなりフリーな感じで縦横無尽に暴れているようです。まっ、この曲での演奏は、
各自の暴れ具合が半端じゃないので驚かされてしまいますけどね。(^^
4曲目最後の「Vein Melter」はちょっとアンダー気味の落ち着いた感じがする曲で
何か落ち着いた雰囲気はするものの、すごく緊張感が漂って来るような
張りつめた曲なんです。
淡々とした雰囲気ながらHERBIE HANCOCKとBennie Maupinの演奏が
膨らみをもたせているので、アルバムの中でも一番ジャジーな感じを持っている
一曲だと思います。意外にこういう曲が一番安心して聴けるような気がしますよ。
またPaul Jacksonのbassの音が永遠と同じ感じでリズムをとっているが
ず~っと頭の中で反復しては慣れないんです。完全に取り込まれていますよね。(^^
アルバム収録として4曲という少なさですが、ヴォリュームを考えると十分すぎる
内容だと思いますし、クロスオーヴァーのような、プログレのような

ジャジーのようなサウンドは非常に聴いてて楽しめると思います。
もしもまだ聴いた事のない方がいらっしゃれば、

ぜひ聴いてほしいHERBIE HANCOCKの代表作だと思います。

最後にこのアルバムは73年にBillboardで13位まで上昇するヒットとなっています。