THE HIGH NUMBERS LIVE 1964/THE WHO
1. I Gotta Dance To Keep From Crying
2. You Really Got Me
3. Young Man Blues
4. Green Onions
5. I Gotta Dance To Keep From Crying
6. Instrumental Jam
7. I Gotta Dance To Keep From Crying
8. Long Tall Shorty
9. Pretty Thing
10. Smokestack Lightning / Money (That's What I Want)
11. Here 'Tis
12. Smokestack Lightning
13. Walking The Dog
14. Unknown Instrumental
15. I'm A Man
16. Instrumental Jam
17. Memphis, Tennessee
18. Unknown Instrumental
この『THE HIGH NUMBERS LIVE 1964』は、THE WHOが正式デビュー前に
一時的に名前をTHE HIGH NUMBERSに代えさせられた64年のライブ・ブートです。
正式には1964年10月20日のWealstoneのRailway Hotel and Loungeでの
ライブになっています。そのライブに該当するのが1~11曲目で、
残りは同年のアビーロード・スタジオでの録音となっています。
さすがにTHE WHOとは言ってもデビュー前ですし、御世辞にも凄いとか素晴しいと
言った言葉はならびたてる事は出来ません。
ですが64年当時の他のミュージシャンの出した正規盤とかを聴くと、
録音状態や演奏とかはこの『THE HIGH NUMBERS LIVE 1964』と
大して変わっていない様な気もします。
そう考えるとブートといった感じは薄らいで普通に当時の正規盤のような感じで
聴けるんです。
まぁ~確かに素人が練習スタジオでやっているノリはありますし、
そこへお客が入っている様な感じさえします。
でもあんまり私は違和感なく聴けるんですよね。
何と言っても演奏はTHE WHOですからねぇ~。当たり前ですけどリズム隊は
すでに凄いですから、あのド級の演奏はすでに完成しているんです。
ただPete Townshendのギターの演奏が、THE WHOになりきっていなくて
どちらかというと当時のビート・バンドの演奏に類似しているとも言えます。
まっ、でも聴いてもらうとわかるんですが、ビート・バンド風のギターソロでも
後のTHE WHOを思わせる演奏は出ているんです。あとはあのジャガジャーンという
扇風機腕グルグル演奏がでればOKなんですよ。(^^
曲目を見てもらうとわかりますが、この時点で「Young Man Blues」を演奏していて
その演奏は初々しくも派手に決めてくれています。
面白いのはキンクスの「You Really Got Me」をインストでやっている事です。
インストといっても、それこそ練習スタジオで何の気なしにジャジャジャジャッって
やっているだけなんですよ。よくこれを人前で演奏したものだと驚きました。
それも何だか中途半端だし・・・冷や汗ものですよ。(^^;
あとはベタにロックンロールな「Long Tall Shorty」「Money」をやっていますけど、
この辺は当時の流行でやっているようですけど、他のバンドとは一味違った
尖った演奏を繰り出しているところは流石ですよ。
一番彼ららしい演奏は「Pretty Thing」「Smokestack Lightning / Money」
かもしれません。
ブルージーな演奏ながら、ブルースハープとドラムス、ベースはめちゃかっこいいです。
もちろんギターも派手に決めてくれていますよ。THE WHOに変身しつつある
過程のPeteが聴けるんですから面白いです。
ライブ最後の「Here 'Tis」なんてノリノリのビートバンド状態ですから、
なんだかこれも「THE HIGH NUMBERS」?なのって思っちゃいますよ。
THE HIGH NUMBERSっていろいろやっていたんですね。(^^
アビイロードでの演奏はインストの「Walking The Dog」をはじめ、肩ならし的な
インスト曲などをやっています。そんなインストの中でも「I'm A Man」のような
ブルースナンバーもやっていて、なかなかカッコいいんですけど、ギターのソロは
何かぎこちなくて、Peteは基本この手の曲の演奏は似合っていないのかな~なんて
思ったりもします。ただ曲が流れて行くうちに16曲目のジャムで演奏している
Peteのギターがすごいんですよ。聴いていたらそのままアルバム『Tommy』に
突入してしまうじゃなんて思うくらいカッコいいんです。またそのバックのKeithの
ドラムスが最高なんです。まだまだ音が若いですけど、すでにハイハットはいらない!
そんな状態で叩きなぐっています。いやはや凄まじいですよ,ホントに。
確かにアルバム通して聴くと粗いな~とは思いますが、これはこれでちゃんと楽しめますし、
何度も聴いてみたいと思わせる内容なんです。
それにしても「Memphis, Tennessee」まで演奏しちゃうなんて・・・
まっ、これはご愛嬌ですけど、これもなかなかKeithはかっこよく叩いているんですよ。
いろいろ書いちゃっていますけど,初期の彼らの初々しくも派手な演奏が楽しめると
いう意味ではおススメのアルバムだと思います。
特にTHE WHOファンは必聴盤ではないでしょうか。(^^