AMMONIA AVENUE/THE ALAN PARSONS PROJECT | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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AMMONIA AVENUE/THE ALAN PARSONS PROJECT
●Side-A
1.Prime Time   vocal: Eric Woolfson (5:03)
2.Let Me Go Home   vocal: Lenny Zakatek (3:20)
3.One Good Reason   vocal: Eric Woolfson (3:36)
4.Since The Last Goodbye   vocal: Chris Rainbow (4:34)
5.Don't Answer Me   vocal: Eric Woolfson (4:11)
●Side-B
1.Dancing On A Highwire   vocal: Colin Blunstone (4:22)
2.You Don't Believe   vocal: Lenny Zakatek (4:26)
3.Pipeline  (instrumental) (3:56)
4.Ammonia Avenue   vocal: Eric Woolfson (6:30)
Alan ParsonsといえばBEATLESの『ABBEY ROAD』やPINK FLOYDの『狂気』の
制作に携わった事で有名ですが、Eric Woolfson に誘われてエドガー・アラン・ポーを
題材にしたアルバムを作る事になった事でALAN PARSONS PROJECTがスタートします。
もともとミュージシャンとしての才能が二人ともあったから出来たのでしょうけど、
かなり勇気があるなと私なんかは思うんですけどね・・・
このPROJECTは上記の曲目をご覧になるとわかるように、ヴォーカリストが曲によって
異なっています。
これは「PROJECT」の名の通り毎回ミュージシャンを変えてアルバムを制作しているのは
Steely Danに少し近いスタイルなのかもしれませんが・・・。
ALAN PARSONS PROJECTというと『I Robot』『Eve』『Eye in the Sky』のような
名作がありますけど、日本では特に『Eye in the Sky』からのタイトル曲のヒットで
一般にも知れ渡ったと思います。実際この曲はポップで親しみやすいメロディが
とても良かったですし、Billboardでも初のTOP3にはいりましたから。
この『AMMONIA AVENUE』ですが、前作『Eye in the Sky』の流れを踏んだ
親しみやすい曲が多いんです。
前作までと違うといえば、ギターの音が今回はかなり前に出てきている事です。
どちらかというと、メリハリがきいていてフワッとしたサウンドがやや後退しているんです。
とは言っても違和感がでていないので、すんなり聴けるアルバムには違いありません。
まずはオープニングの「Prime Time」ですけど、この曲はアルバムからの第二弾
シングルとしてカットされ、84年にBillboardで34位まで上昇しています。
曲の入りはALAN PARSONS PROJECTらしく静かに音が流れてきて
少しずつ音が重なっていきます。
歌メロは軽めな感じでとても穏やかな雰囲気になっています。
ただベースとドラムのリズムが何気にディスコとかの音に感じてしまうのが
少々気になるのと、歌メロのサビを考えたらもっと全体にメロディにフックを
つけてほしかったです。ちょっと「Eye in the Sky」を意識しすぎた感じですね。
2曲目の「Let Me Go Home」はなかなかロックしたリフが強調された曲です。
ヴォーカルのLenny Zakatekの歌いっぷりもロックロックしていてかっこいいんです。
私のALAN PARSONS PROJECTという勝手なイメージからしたら
こういう曲が出てくるとは思っていなかったので驚きました。
落ち着いた雰囲気な曲を作るイメージが強いもので、ここまでロックした曲をだされると
どちらのロックバンドですか?って聞いてしまいそうになります。
でもこの曲の振り切り方はALAN PARSONS PROJECTとしては面白いですし
正解だと思います。個人的にはシングルにしてほしかったですけどね。
3曲目の「One Good Reason」は出足から弾んだベースが出てきて驚きますが、
曲の方はどこかPOLICEの節回しを感じさせます。またギターも何気にPOLICEみたいな
雰囲気を感じさせます。これはこれで面白いんですけど、ギターのソロが少々硬くて
その部分だけ他から持ってきたような音なんです。
もっと奥行き感が欲しいところですけどね・・・ちょっと残念です。
4曲目の「Since The Last Goodbye」は雰囲気がガラッと変わって
アコギの弾き語りから始まります。なんだか牧歌的な空気に包まれていきそうな感じは
とても落ち着き感を味わせてくれます。
歌メロは淡々としながらも光が当たっているような心地よさを与えてくれます。
派手ではないですけど凄く聴き入ってしまう曲なので、これをもっと煌びやかにしたら
プログレ感も強まって私好みになるんですけどね・・・(^^;
5曲目の「Don't Answer Me」はアルバムからの第一弾シングルとしてカットされ
84年にBillboardで15位まで上昇するヒットとなっています。
この曲を初めて聴いたときは大滝詠一さんが曲を提供したと信じて疑わなかったほど
曲のアレンジや歌メロの雰囲気が大滝詠一さんなんです。
多分この曲を日本語歌詞に置き換えて大滝詠一さんの『ロンバケ』に入れても
違和感はないでしょうね〜、きっと。(^^;
曲としてはとても分かりやすくて親しみやすくなっていて、アルバムの中でも一番
明るく映えた楽曲なのでシングルというのも肯けます。
さてサイドが代わって1曲目の「Dancing On A Highwire」はとても柔らかな
ギターの音が奏でられて始まるんですが、ベースの弾んだ音が私には引っかかりがあって
もう少し抑えてくれた方が全体がくっきりとすると思うんです。
サビ部分が非常に良いので個人的にはこのリズムじゃない方が良いのではと
思ったりもするんですよね・・・ただこの感じは今までのALAN PARSONS PROJECTの
サウンドではあるので、これを変えるとまた印象が違いすぎるかもしれませんね。
どうも「Eye in the Sky」のヒットが尾を引いているような気がしてないません・・・
2曲目の「You Don't Believe」もリズム隊の音が弾んでいて強調されています。
80年代の音がしっかり組み込まれている感じがします。
歌メロにしても、全体のアレンジにしても映えていて目立っているあたりは
完全にこの時代の音を凌駕しようとしているようにも感じ取れます。
私はこういうサウンドを聴くとキーボードとベース、ドラムを70年代っぽくしたら
さらにカッコよくなるのになんて思ってしまうわけです・・・・
それは私の勝手な思いで、このバックの演奏がなければこの曲の映えた印象は
得られなかったでしょうけど・・・
3曲目の「Pipeline」はタイトルがタイトルなのでVenturesを思い出しますが、
全く違いますので・・・。この曲はインストなんですけど、この曲がすごく良くて
ALAN PARSONS PROJECTらしい一曲だと思うんです。
ややキーボードの音が普通っぽい感じがしないでもないですけど、
曲の雰囲気をしっかりだしていますし、サックスやリズム隊との関わり具合も
よく馴染んでいていいんです。
私はこういう曲が好きなので、もっとこういうタイプの曲を入れてくれたら
良かったのになんて思ったりもするんです。
ちょっと演奏時間が短い感じもしますけど、しっかり4分やっているので
短くはないんです。いい曲はずっと長く聴いていたいですからね〜。
そしてこのアルバム最後を飾るのが、タイトル曲の「Ammonia Avenue」です。
タイトル曲だけあっていい曲なんですよね〜。
マイナーな雰囲気なんですけど、とても奥深い雰囲気が漂っていて
この世界に引き込まれてしまいそうになります。
アレンジといい、構成といい本当に感動させられる素晴らしい曲だと思います。
プログレ感も出ていてこのへんはさすがALAN PARSONS PROJECTと言った
感じではないでしょうか。
これだけ聴かせる曲で展開もすごいので、アルバム片面全部をこの曲をベースに
組曲形式に作ってしまえばいいのにって思ってしまうくらいです。
それくらいいい曲だということなんです。
全体を通してアルバムのクオリティは高いと思いますが、幾分曲のバラ付きが
気になるところですけど、作品としてはおすすめの1枚です。
ジャケットはHipgnosisのStorm Thorgersonが担当しています。
やはり彼らのアルバム・ジャケットはHipgnosisじゃないといけませんよね。
最後にこのアルバムは84年に発表され、Billboardで17位まで上昇し、
RIAA公認ゴールドディスクを獲得しています。