GYPSY/GYPSY | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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GYPSY/GYPSY
01.Gypsy Queen Pt.1
02.Gypsy Queen Pt.2
03.Man Of Reason
04.Dream If You Can
05.Late December
06.The Third Eye
07.Decisions
08.I Was So Young
09.Here In My Loneliness
10.More Time
11.The Vision
12.Dead & Gone
13.Tomorrow Is The Last To Be Heard
A bonus track, "The Innocence"
GYPSYというバンドは実は何も詳しい事を知らないんです。
バンド名は何となく覚えていましたし、ジャケットのミュシャ(?)のイラストも
記憶に残っていましたが、音源に関しては聴いた事もなく今に至ったんです。
たまたま他のブロガーさんのところでこのアルバムが紹介されていて
何となく記憶をくすぐられたんです。
それで中古屋を駆け巡ったり、オークションを検索したり・・・
・・・で、ようやく音源を聴いて思った事は「すごい!」。
サウンドは1970年という事もありすごく時代を感じますけど、
内容は素晴しいですし今聴いてもなにも違和感がありません。
サウンド的には安易かもしれませんが、この時代のSANTANAのサウンドに
近いかもしれません。
メンバーはEnrico Rosenbaum(vo,g,per)、James Johnson(g,vo)、
James Walsh(kbd,vo,per)、Doni Larson(b)、Jay Epstein(ds)、
Preston Epps(per)の6人です。
ギターとパーカッションがラテン色をなんとなく醸し出しているのでSANTANAの

ような感じをうけるのでしょうね。
オープニングの「Gypsy Queen Pt.1」がスタートするやいなや、
なんともラテンなサウンドが流れてきます。
凄く親しみやすいメロディとバックの演奏がよくて、

そのキャッチーさが耳に残ります。
ギターのストロークといい、キーボードの時代を感じる音といい、
一気にウッドストックあたりに飛んじゃいそうな雰囲気です。
ヒットこそしていませんが、この曲はシングル・カットされていて国内でも
シングル発売されています。
続く「Gypsy Queen Pt.2」はストリングが織り交ぜられた曲で、
とても心地よい雰囲気を持った曲です。
この雰囲気のサウンドは後にSANTANAも参考にしたのではと思うくらい印象が
似ているんです。2分30秒くらいの曲ですけど、非常に構成もよくコンパクトに
まとめられた佳曲だと思います。
3曲目の「Man Of Reason」ではちょっとリフの効いたギターと

小刻みなドラムスのリズムで始まるのですが、ヴォーカルはいたって普通な

雰囲気のポップ調のロックを聴かせてくれるんです。
途中転調してピアノとツインのギターの演奏が特徴的なインストから
また例のリフでヴォーカルが入ってきます。
すごく面白いんですけど、残念ながらエンディングがふっと終ってしまうので、
もっとエンディングを考えたら引き立ち方も違っていた曲になっていたと思います。
前曲のふっと終った後を受けるのが「Dream If You Can」で、
こちらも力強いスタートとコーラスを前面にフューチャーした曲です。
全体に言えるんですけど、このバンドはコーラスを非常に多様していて、
さらに2本のギターとキーボード、パーカッションで組み立ているんです。
個人的には、この2本のギターのユニゾンをもっと聴きたい感じではあるのと、
3・4曲目はもっと長く演奏してもいいのではと思ったりもします。
それくらいいい演奏なんですよね。(^^
イントロを聴くと一瞬SANTANA?って思う「Late December」が始まります。
この時代のキーボードはみんな同じ音のような気がするんですけど、
こうやって聴くとSANTANAもDEEP PURPLEも同じ音色を出していたのだなと思いました。
この曲はメロディがややソフトなのか、バックの演奏との絡みが面白く聴こえるんです。
このへんがGYPSYというバンドの特長なのかもしれませんね。
そしてこのアルバムの中でも大好きな「The Third Eye」が6曲目として登場します。
ピアノの音に導かれてギターの音が静かに響き渡る出足は素晴しく、
更にヴォーカルがその雰囲気を噛み締めるように歌いだされる所はゾクゾクしてしまいます。
ここでもストリングが導入されていて、ストリングと共に曲が転調していくんですが、
このへんを聴くと何かのサントラを聴いている感じがして心地よさが伝わってくるんです。
ギターの音もリズミカルに演奏されたりして素晴しい曲です。
「Decisions」はちょっとプログレっぽい導入部分が不思議な感じを出していますが、
そこからなんとも耳に止まるメロディが入ってきます。
この曲もこのアルバムを代表する1曲で、各楽器の演奏が目立ちながらそれでいて
調和しているサウンドがとても心に残ります。
途中でまた一瞬プログレ風になってくるのも、個人的にはとても好きな部分なんですが、
こういう部分があるのでカテゴリーだとプログレに入れられたりするのかもしれませんね。
そんな事はないんですけどね・・・・?
まっ、演奏時間もこの曲は8分超えしていますからね。
でもこの8分はまったく長さを感じさせないので、もう終り?って思ってしまいますよ。
「I Was So Young」は印象的なリフにのせて、ヴォーカルがラテンロックしています。
ギターもいままでになくハードな感じですよ。
基本的には彼等の本質的なものは変わっていないので聴きやすさはベースとしてありますし、
ラテン・ロックもかなり前に出て来ていて、夏にはちょうどいいかもしれませんね。
ただ終わり方は工夫した方がいいような気がしますけど・・・(^^
「Here In My Loneliness」ではいきなり明るいサウンドが広がってきて
ヴォーカルも爽やかな日射しにピッタリな感じですごくいいんです。
ここだけサマービーチって感じでしょうか・・・それにしても曲が短すぎなんですよね。
3分くらいで終っちゃうとすごく物足りないんですよ。
そんな物足りなさを感じながら始まるのが「More Time」です。
この曲はちょっと他の曲と違っていて、スライドギターのソロとかが入っていますし、
ヴォーカルはロックしているのが「えっ?」と思っちゃうんです。
ちなみにこのスライドギターでフェイド・アウトしていくのが物足りませんが・・・
続く「The Vision」はちょっと東洋的な感じのヴォーカルで始まり、
それにキーボードとコーラスが美しく包みあげていくような曲なんです。
ここでのストリンのアレンジはとても素晴しくて、それに絡んでピアノがいい音を
奏でてくれています。それに4分30秒過ぎの転調も絶品ですので楽しんでほしいです。
一転「Dead & Gone」ではアメリカン・フォーク・ロックのようなサウンドを
聴かせてくれますが、雰囲気はAMERICAみたいな感じと言えばよいのでしょうか・・・
でもちょっとこっちの方が音が太いかな?
なかなか良い曲でライブとかでやっても受けそうな曲だと思います。
ですが、後半からちょっとジャジーな雰囲気の曲で締めくくられているのには驚きます。
ジャジーと言ってもラテンさはほんのり感じられるアレンジでちゃんと残っていますので、
そんなにイメージは崩れないと思いますが、ここまで前半と後半が違う曲調だと
メドレーと言った方がわかりやすいような気もしますね。
組曲と考えた方がいいのかも・・・曲の終盤でまたアメリカン・フォーク・ロックな
サウンドに戻り本当にジャジーなサウンドで終っていきます。
トータルで10分を超える大作ですが、これも曲の長さをあまり感じさせない曲ですね。
そしてエンディングは「Tomorrow Is The Last To Be Heard」なんですけど、
ここではちょっと泣きのギターも聴けてラテンしているんです。
なんとなくこのサウンドが安心感を与えてくれるのが不思議ですね。
この最後の曲でドラムスのソロがフューチャーされているのも盛り上がりを出すため
なのでしょうか。確かにドラム・ソロ以降、演奏がハイになっているのがいいですよ。
かなり締めくくりとしてはいい感じで終ってくれています。
ボーナスとして「The Innocence」が収録されていますが、
ヴォーカルというかメロディがブルース・スプリングスティーン風なのには
驚いてしまいました。曲はすごくキャッチーなんですけど、この1stのサウンドには
合っていないのではないでしょうか・・・・
あくまでも本編とは分けて聴いて頂いた方が作品としてはいいと思います。
最後にこのアルバムは非常にクオリティの高い作品で、まだ聴いた事がない方には
ぜひ聴いて頂きたいサウンドです。
すごく懐かしさもありますし、それ以上に熱さを感じさせてくれる名盤だと思います。