THE SCENE CHANGES/BUD POWELL | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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THE SCENE CHANGES/BUD POWELL
All songs composed by Bud Powell.
1. Cleopatra's Dream – 4:22
2. Duid Deed – 5:06
3. Down with I – 3:58
4. Danceland – 3:41
5. Borderick – 1:58
6. Crossin' the Channel – 3:28
7. Comin' Up – 7:54
8. Gettin' There – 5:01
9. The Scene Changes – 3:59
10. Comin' Up [alternate take] – 5:26 (not on original LP)
BUD POWELLというとジャズ・ピアニストとして有名なんですが、私はそんなにいろいろと
聴いた事がない人だったんです。
個人的には1949年に録音された『スティット、パウエル&J.J』が大好きで
今でもよく聴いているアルバムなんです。本当に素晴しいアルバムなんですが、
50年代後半からは麻薬とかに犯されて障害もでてしまい、またJAZZ不振の時期に重なり
ヨーロッパへと活動の場を移しています。今回アップした『THE SCENE CHANGES』は
1958年に発売された作品で、時期からいったら体はボロボロになりだしている頃の
ものなんです・・・・で、実際に聴いてみると、どこが不調なのかわからないくらい
素晴しい演奏を聴かせてくれるんですよ。
パーソナルはBud Powell – piano、Paul Chambers – bass、Art Taylor – drumsの
トリオです。ベースがPaul Chambersっていうので「うわ~っ」って感じですけど、
本当にこの3人の演奏は素晴しいです。オープニングの軽快なBUDのピアノが素晴しい
「Cleopatra's Dream」から本当に感激の演奏が聴けるんですよ。Art Taylorのブラシが
とても印象的ですし、BUDの縦横無尽に流れ出すピアノの音は最高です。
もちろんPaul Chambersのベースがしっかり屋台骨を作ってくれているので安心!(^^
続く「Duid Deed」では、またまた軽やかな指さばきのメロディから入って来るピアノが
印象的な一曲なんです。すごく艶っぽいメロディはいいんですよね~。それにノリノリの
BUDが声(うなりというか歌声というか)を出しながら演奏しているのも最高~なんですよ。
彼のご機嫌さが伺える一曲だと思いますよ。
3曲目の「Down with I」はかなり早いテンポで3人の演奏が聴ける曲なんです。
とにかく早いピッチで繰り広げられるんですが、聴いていると慌ただしさは感じず、
軽快なノリに乗せられている雰囲気さえする名曲です。Art Taylorのハイハットとステック
裁きは絶妙ですし、Paul Chambersのベースのソロにも驚きです。本当に圧巻の一曲!
次の「Danceland」はちょっとオシャレな雰囲気なメロディを、区切るように演奏している
BUDのピアノがフックになっていて、その後を繋ぐ演奏がすごく流れるようないい感じで
演奏されるんです。相変わらず遠くからノリノリのBUDの声が聴こえてくるのも
最高の演出かもしれないですね。(^^
5曲目の「Borderick」は2分にも満たない曲で、JAZZとしては珍しいかもしれませんね。
曲はすごく明るいメロディが奏でられていて、なんだかパーティやクリスマスとかで
流れそうな感じの曲ですよ。思わずほころんでしまいそうになります。
続く「Crossin' the Channel 」ではテンポ・アップの演奏で疾走しちゃいます。
こういう時のBUDのピアノって軽快というよりは、鬼気迫る感じすらして凄いです。
それにそのピアノを支えるPaul Chambers のベースも、Art Taylorのドラムスも
凄い凄い!二人とも小刻みなリズムを演奏しているにも関わらず、まったくそういう感じが
なくて、そこを余裕で演奏するBUDがまたかっこいいんです。
7曲目の「Comin' Up」は、ちょっと不思議なアクセントをもったリズムで入って来る曲で
一瞬あれっ?って思うんですが、そこに軽やかなピアノのメロディがかぶさってくるという
面白い構成の曲です。ここではピアノ、ベース、ドラムスが同じリズムを叩き出しているようで
メロディ主体と言うよりは、リズム主体に聴こえる一曲なんですよね。
次の「Gettin' There」はスイング気味の雰囲気と、BUDのオシャレな演奏がとても
印象的な曲です。BUD自身の演奏も最高なんですが、その様子はバックでこぼれて来る
彼の声が物語っていると思います。この曲でのArt Taylorはしっかりキープしていますけど、
曲の最初の方ではっとさせるような叩きを一瞬いれたりしてかっこいいんですよ。
こんなにノリのいい曲って、実際に聴いちゃったらワクワクしちゃうでしょうね、きっと。
さてBUDが最初からうなっている「The Scene Changes」が流れてくると、
このアルバムも閉めにはいります。
ここでも流れるような巧みの指さばきが素晴しいBUDですが
本当にこれだけの演奏が出来ているのに、麻薬におぼれちゃうなんて残念です。
それくらいこの曲でのノリ、軽快さ、フック、迫力・・・を楽しむ事が出来るんです。
Paul Chambers、Art Taylorのソロも圧巻ですよ。聴きごたえ十分なんですから~。
最後にCDのボーナスとして「Comin' Up」の [alternate take] が収録されていますが、
本当だったら別の曲を入れてほしかったな~って個人的にはおもっちゃいました。
本当に素晴しい演奏で私を楽しませてくれたBUDの『THE SCENE CHANGES」ですが、
こんなにいいアルバムをだしたにも関わらず、41歳という若さで1966年に亡くなって
いるのが本当に残念でなりません。もっと沢山の作品を聴きたかったですよ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=msc0jh2e0Bs
https://www.youtube.com/watch?v=ae-LKUc_SjM