COME TASTE THE BAND/DEEP PURPLE | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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COME TASTE THE BAND/DEEP PURPLE
●Side one
1.Comin' Home 3:55
2.Lady Luck 2:48
3.Gettin' Tighter 3:37
4.Dealer 3:50
5.I Need Love 4:23
●Side two
1.Drifter 4:02
2.Love Child 3:08
3.This Time Around / Owed to 'G' 6:10
4.You Keep On Moving 5:19
DEEP PURPLEというとRitchie Blackmoreがいて・・・という流れに
なってしまうのは仕方がないことなんですけど、それだけRitchie Blackmoreが
在籍していた時期・・・とりわけ70年代半ばまでの作品に関しては
間違いなくPURPLEの黄金期と言っていいでしょう。
その後更なるメンバーチェンジでRitchie Blackmoreが脱退してからは
バンドの評価も下がってしまった感じは仕方がなかったですね・・・
ただRitchie Blackmore=DEEP PURPLEと決めつけるのはどうかと思います。
メンツが変わっていてもDEEP PURPLEという冠はあるわけですから、
周りがどうのこうの言ってもご本人たちが「DEEP PURPLE」と宣言すれば
それはそれでいいんじゃないかと思います。
まっ、好き嫌いとかは個人のもんだいなので仕方がないですけどね。
今回アップした通称4期のアルバム『COME TASTE THE BAND』は
そういう意味では一番最初にDEEP PURPLEを名乗った別のバンドみたいな
扱いをされたアルバムだと思います。
まっ、そういう考えはRitchie Blackmore=DEEP PURPLEのイメージを
強く持っているファンだとは思いますけど、後追いの私からしたらこの4期の
『COME TASTE THE BAND』はRitchie Blackmore在籍時のアルバムより
先に聴いた(聴かせてもらった)作品なので印象はすごくいいんです。
もしかしたらPURPLEもよくわかっていなかったので、雰囲気で気に入って
聴かせてもらっていたと思います。
話に聞くとライブでTommy Bolinがやっていると、結構なヤジが飛んだ
そうですから、Tommy Bolinも別にRitchie Blackmoreを真似る
つもりなんかないですから、当然全てにおいて違ってきて当然なんですよね。
だいたいTommy Bolinが嫌だったらライブに行かなければいいのにねぇ〜。
話を『COME TASTE THE BAND』に戻して曲紹介をしましょう。
オープニングの「Comin' Home」の最初の音を聴いた時は
これはなかなか前に出てきてかっこいいな〜と思ったのが第一印象でした。
ただやはりTommy Bolinのギターの音がそれまでと違うので
「あれっ?」と思ってしまったのも事実です。
ギタリストが違うんですから当然のことなんですけど、
自分の中でのスイッチの切り替えがすぐに出来てませんでしたね〜。
でもTommy Bolinのソロを聴くとこれがなかなかいい感じで
曲を引き立てていてかっこいいんです。
全体にバランスもいいですし、押し出し具合も強いので、
オープニングには最適な1曲だと思います。
ただもう少し歌メロにフックがあった方がよりかっこよくなったと思います。
2曲目の「Lady Luck」はやや跳ねた感じでBAD COMPANY的なサウンドに
なっているような気がします。
もともとDavid Coverdaleにはそういう要素も持っていたので
PURPLEとしてもBAD COMPANY的な曲を歌っていましたが、
この曲では歌メロの食いつきが弱いのか、それともバックの演奏が歌メロに
添えていないのか微妙ですけどフィット感を弱く感じるんです。
そういう意味ではTommy Bolinのギターに強引さをもっと出して
欲しかったなって思います。
続く「Gettin' Tighter」はメリハリのあるイントロからスタートして
即引きつけられてしまう曲です。
歌はGlenn Hughesがリードを取って歌っているので最初から最後まで
甲高い声が響き渡っています。David Coverdaleとは対局的な
声なので、バンドでこういう二人のヴォーカルがいるというのは
面白いと思うのですが、Ritchie BlackmoreがGlenn Hughesを
ヴォーカリストではなくベーシストとして扱っていたのが
なんとなくわかるような気もします。
Glenn Hughesのヴォーカルが引き立つって曲によりますね・・・
ヴォーカリストとしても素晴らしいですけど、どの曲でもピタッと合う
歌声ではないような気がします。
そういう意味ではDavid Coverdaleと絡むことでその良さが広がると
思うんです。この「Gettin' Tighter」もイントロの勢いがそのまま
続いていって勢いついた方が良かったと思いますし、
間奏のギターソロはなんだかブラック・ミュージック的になってしまい
曲の勢いを止めてしまった感じがします。
いい曲なんですけどね・・・すごく勿体ないです。
4曲目の「Dealer」は渋めな感じでDavid Coverdaleのカラーが強い
曲となっています。そんなに派手ではないですけど、David Coverdaleの
曲の持ち上げ方がすごくいいので映えてきています。
ただ途中Tommy Bolinが歌うパートのところがガクンと落ちるので
なんでこういう曲の流れにしちゃったのか気になりました。
アクセントなのかもしれませんけど、それだったらそれなりのメリハリを
つけないと、曲がギクシャクしているようにも聴こえてしまうんです。
それとTommy Bolinのギターソロは個性があっていいんですけど、
もう少し自身の表現を出し切った方が良かったかなって思いますね・・・
なんだか遠慮しているようにも聴こえますしね・・・
5曲目の「I Need Love」ってハードロック・バンドには似合わないような
タイトルなんですけど、これが出足からカッコよくてDavid Coverdaleの
渋いヴォーカルがしっかりと前にで、彼の持ち味も引き出されている曲ですね。
こういう曲の展開はDavid Coverdaleお得意の流れですから
独壇場とも言っていいでしょうね。
Tommy Bolinのギターも歌メロのバックでいい感じで曲を押し上げていて
十分に目立っているんですが、ソロ部分が今一つ映えてこないのが残念です。
これがTommy Bolinのスタイルといえばそうなのかもしれませんけど、
彼のソロ・アルバムを聴くともっと表現が豊かな演奏を聴かせて
くれているので・・・・
ただ曲全体としてはすごくいい曲ですし、アルバムの中でも目立っている
曲には間違いありませんけどね。(^^
さてサイドが代わって1曲目の「Drifter」は粘りのある演奏が堪能できる1曲で
かなりDavid Coverdaleのカラーが出ていると言ってもいいのかもしれません。
ギターの音なんかもかなり引きずり感があって手応えを感じますし、
ソロの表現も良いと思います。全体的にはソウルな雰囲気を纏ったロックと
言ってもいいのかもしれませんね。
この「Drifter」を聴いていると特に思うんですけど、このアルバムの先に
見えているのが初期のWhitesnakeのような感じがします。
もうこの段階でDavid Coverdaleの進む音楽性が決定したのかも
しれませんね。
2曲目の「Love Child」は出足からTommy Bolinのギターがめちゃかっこいい曲で、
David Coverdaleの歌いっぷりもいいんですよね〜〜〜
ややJon Lordのキーボードソロの音が気になるんですが、『BURN』の頃からこういう
音を使っていましたから、これも流れなんでしょうね。
でもイントロのキーボードの音はいつもの感じでかっこいいんです。
この曲は当時ライブでも演奏していましたから、メンツも気にっていたんでしょうね。
このアルバムの中でも目立った曲の一つだと思いますし、全体のまとまりも凄く
良い曲だと思います。この曲のエンディングの雰囲気が、次に流れてくる名曲
「This Time Around / Owed to 'G'」につながってくるのがいいんです。
曲は途切れて「This Time Around / Owed to 'G'」のピアノが響くと
なんだかメドレーみたいな感じがするんです。
「This Time Around」はGlenn Hughesが作った曲で、とても奥行きのある
曲なんですけど、透明感のあるマイナーな曲調がGlenn Hughesのヴォーカルで
より透明感を増していく感じがするんです。
当たり前ですけどGlenn Hughesが作った曲なので、歌メロとヴォーカルが
綺麗にシンクロしてきて本当に素晴らしい仕上がりになっています。
それまでもGlenn Hughesがメインで作った曲がありましたけど、
個人的にはダントツで「This Time Around」が彼の最高の曲だと思っています。
この曲でのアレンジもすごく深みのある感じで素晴らしんですけど、
やはりここではJon Lordがいい仕事をしてくれています。
Jon Lordがいなかったらこの曲の素晴らしさは半減していたかもしれないくらい
役割が非常に大きかったと思います。
それにしてもGlenn Hughesの歌を聴いていると泣けてしまいますね・・・
そして「This Time Around」とメドレーとなっている「Owed to 'G'」が
流れると、その雰囲気が一転してグッと引き寄せられるようなサウンドに
包まれます。この曲ではTommy Bolin、Ian Paice、Glenn Hughes、
Jon Lordによるインストが披露されるわけですけど、
この曲でのTommy Bolinの演奏は素晴らしんです。
とても表現が豊かで本当に感動させられる演奏です。
曲はTommy BolinとJon Lordによって作られているので、
Tommy Bolinが自由に演奏を披露していますけど、
こういう表現力のある演奏をできればこのメンツでもっと聴かせてほしいと
思わせるんですよね・・・・
この「This Time Around / Owed to 'G'」は本当にPURPLEの楽曲でも
秀でた曲の中に入れたいくらいの素晴らしい曲だと思います。
そしてこのアルバムの最後を締めくくるのが「You Keep On Moving」です。
この曲も大好きな曲で、名曲だと信じて疑わない一曲なんです。
出足のGlenn HughesのベースとIan Paiceのハイハットが凄くこの曲の
イントロダクションに緊張感を出してくれていて聴く側もなんだか
耳をしっかり傾けてしまいそうになります。
ここでもTommy Bolinのギターがいい感じで曲にアクセントをつけて
映えさせてくれています。少し太い音質がすごく新鮮に聴こえていいですし、
しっかりと新しいPURPLEのギタリストとして存在感を出してくれています。
David CoverdaleとGlenn Hughesのヴォーカルもフックになって
この曲に幅をつけてくれています。
高速で疾走する曲もいいんですけど、こういうスローで前に出てくる曲も
すごくいいと思います。
私がまだPURPLEをよく知らない頃に、友達の家でこの曲のシングルを
聴かせてもらった時によくわからないものの、なんだか引き込まれるような
曲だなぁ〜って思ったのがすごく記憶に残っているんです。
それ以来ずっとこの曲が好きなんです。
この曲は国内ではシングル・カットされていましたが、やはり以前のような
ヒットは国内ではしていなかったかもしれません。
ですけど、やはりこのシングルはPURPLEにとって重要なシングルだと思います。
まっ、私が大好きだからという強い推しもあるんですけどね。(^^;
アルバムを通して聴いてみると、Ritchie Blackmore在籍時の作品とは
異なる仕上がりとなっているわけですけど、バンドの流れとしてこの作品も
重要な1枚になっていると私は思っています。
よくこの4期はPURPLEじゃないというような評も見かけましたけど、
メンツがDEEP PURPLEとして発表している限り、周りがどうのこうの
言ってもPURPLEはPURPLEです。
個人的にはPURPLEのアルバムの中でも評価の高い1枚にあげています。
このアルバムが新生PURPLEのリッチーに対しての解答かどうかはわかりませんが、
充分に意思表示が出来た傑作ではないでしょうか。
最後にこのアルバムは75年にBillboardで43位まで上昇しています。
まっ、作品の内容からしたら43位なんてことはないんですけどね・・・
https://www.youtube.com/watch?v=FwGpPv5Umlc
https://www.youtube.com/watch?v=TmHbzL2XH4Y
https://www.youtube.com/watch?v=Kt3wUk0qzyA
https://www.youtube.com/watch?v=WLt0x7vgcac