A QUICK ONE/THE WHO
●Side one
1.Run Run Run
2.Boris the Spider (John Entwistle)
3.I Need You (Keith Moon)
4.Whiskey Man (Entwistle)
5.Heat Wave (Brian Holland/Lamont Dozier/Edward Holland)
6.Cobwebs and Strange (Moon)
●Side two
7.Don't Look Away
8.See My Way (Roger Daltrey)
9.So Sad About Us
10.A Quick One, While He's Away
●1995 reissue bonus tracks
11.Batman (Neal Hefti) (theme from Batman the TV series)
12.Bucket T (Dean Torrence/Roger Christian/Donald J. Altfeld)
13.Barbara Ann (Fred Fassert)
14.Disguises
15.Doctor, Doctor (Entwistle)
16.I've Been Away (Entwistle)
17.In the City (Moon/Entwistle)
18.Happy Jack (Acoustic Version)
19.Man with Money (Don Everly/Phil Everly)
20.My Generation / Land of Hope and Glory (Townshend/Edward Elgar)
THE WHOというとアルバム『TOMMY』以降の作品目が行ってしまって、
それ以前の作品に関しては何となく食わず嫌いというか黙殺というか・・・
作品としての対象から外れていたんです。
今回アップした『A QUICK ONE』もそんなアルバムの一枚で、
昔から存在は知ってはいましたけど、
別段有名な曲も入っていませんでしたから今まで耳を傾けなかったんです・・・
今回はCD(1995年re-release)でご紹介させて頂く関係上
スペースがないものですから先に結論を言いますと・・・素晴しい作品です!!!
これっ、買った方がいいですよ、ホントに。
こんなに良いのならさっさと買っておけばと、私は後悔しちゃいましたよ。
このアルバムが発売されたのが1966年ですから
BEATLESの『リボルバー』発売が同時期なんです。
アルバムのおおまかな雰囲気はビートバンドみたいなサウンドなんですが、
曲によってかなり凝っていたりして、展開とかを考えると
BEATLESの『サージェント~』みたいな雰囲気すら漂う作品となっているんですよね。
(UKで4位まで上昇しています。)
オープニングの「Run Run Run」は出足が「My Generation」に似た感じで
始まるかっこいい曲で、Pete Townshendのギターが迫力あって
かき鳴らす残響音が最高なんです。
このへんを聴くとまだまだ1964年あたりのサウンドを感じますけど、
よくまとまっていて聴きごたえ十分なナンバーです。
続く「Boris the Spider」はJohn Entwistleの曲で、ベースとギターがメリハリを
効かせている曲です。
聴きようによっては何か演劇とかに使われてもいいような感じで、
夜聴くとちょっと怖いかも。
1966年にこういう曲をすでに作っていた事に私なんかは驚いてしまうんですけど。
3曲目の「I Need You」はKeith Moonの曲で、一瞬BEATLESの曲をカバーしたのかと
思いました。(^^曲の方はかなりドラムが前に出ていてややうるさいくらいですが、
Keith Moonの素晴しいドラミングが聴けるのでヨシとしましょう。
実はこの曲を聴いて、Keith Moonにこういう作曲の才能があるのだと
感心してしまったんです。
私はこの後も、作曲をどんどんやればよかったのにと思うくらい、
良く出来た曲だと思っています。最後の酒場みたいな感じの終わり方も最高です。
続く「Whiskey Man」もJohn Entwistleの曲なんです。
意外にポップなロック・ナンバーで彼らしくホーンも入っていて曲の幅を広げています。
そのホーンのアレンジも効果的でいいですよ。
ただJohn Entwistleにしてはクセが弱いような気もしますけど・・・(^^
次の「Heat Wave」はこのアルバムで唯一他人の曲で軽いタッチのナンバーなんです。
結構他のミュージシャンもカバーしていて知っている方も多いのでは。
いい曲ですけど出来ればオリジナルで埋めていってほしかった気がします。
そしてアナログSide oneを締めくくるのはKeith Moonの「Cobwebs and Strange」です。
流れてくるメロディはさながらサーカス状態です。
こういうサウンドをアルバムに持ち込むんですからやっぱり凄いですよね~。
思わず吹き出しそうになりますから。(^0^
ですが、その後すぐに流れるKeith Moonのドラム・ソロとコメディ・サウンドのコラボは
凄まじいものでして、圧巻!この一言に尽きます。
もう~これは聴いていただかないとわかりません!ホントに。
サイドが代わって「Don't Look Away」が流れるんですけど、
前曲が凄まじすぎてなんだかホッとしてしまいます。
これはPete Townshendの曲でかなり聴きやすいメロディで親しみやすのでは
ないでしょうか。途中のカントリー風のギターソロもなかなかのものですよ。
そんな流れで入ってくるのが「See My Way」で、Roger Daltreyの曲です。
これでメンバー全員の曲が揃った事になります。
メロディとしては普通かなと思うんですけど、ドラムスやホーンのアレンジで
クセがでていて面白い曲になっています。
中でもJohn Entwistleの弾けてはずむベースが凄いんです。
これだけでも聴く価値がありそうですよ。
続く「So Sad About Us」の出足のギター、ドラム、ベースの入りがかっこよすぎて
ハッとさせられてしまい、さらにメロディもコーラスもすごく耳に残っていい感じ。
大好きなナンバーです。(^^
そして次作『TOMMY』に繋がるミニ・ロック・オペラ「A Quick One, While He's Away」の
登場です。9分30秒の曲ですけど、聴きごたえ十分の素晴しい曲ですよ。
ここでこういう曲が出来たというのが凄いですよね。
なんと言っても曲に広がりがあって、聴いていてこの世界に入り込みそうですから。
それにしてもよくこんなの作れたものですよね・・・恐るべしTHE WHO!
このアルバムはUKでは『A QUICK ONE』、USでは『HAPPY JACK』の
タイトルで発売されています。曲を一曲差し換えられているだけなんですけど、
私はオリジナルのままでいいような気がしましたけど・・・
bonus tracksに関しましてはEP『READY,STEADY,WHO』などの収録曲を収めています。
珍しい曲も入っていますし、「Batman」や「Barbara Ann」なんていう曲まで入っています。
これが結構様になっていていいんですよね~。
特に「Barbara Ann」はハマっちゃいますから。(^^
あと時代だと思いますけどBEATLESの『リボルバー』から影響を受けた
「Disguises」もあって楽しいですよ。
bonus tracksも聴きごたえがありますので、ぜひ聴いてみてくださいね。
本当にお薦めですよ。
最後にこのアルバムは66年にUKで4位まで上昇しています。
ちなみにUSでは収録曲を若干替えて、タイトルも『HAPPY JACK』として
発売されています。
https://www.youtube.com/watch?v=Drm48bOirLw
https://www.youtube.com/watch?v=eIpsDTSmRyM