THIS GUITAR b/w MAYA LOVE/GEORGE HARRISON | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING) b/w MAYA LOVE
/GEORGE HARRISON

GEORGE HARRISONのソロ・アルバムというの不思議なもので、
購入時に聴いた時はさほど感激もせず普通に聴いていても、
時間がたつにつれジワジワと惹かれて行き、
いつの間にかはまり込んでしまっているんです。

そんなアルバムの筆頭が75年に発表された『Extra Texture
 (Read All About It)』で、このアルバムは本当によく聴いた作品なんです。

今回はこのアルバムから「YOU」に続いてシングル・カットされた
第二弾シングル「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」を
アップしてみました。

この「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」ですけど、
タイトルからわかるようにBEATLES時代にGEORGEが作った名曲
「While My Guitar Gently Weeps」の流れをくんだ楽曲なんです。
GEORGE自身がどれほどの思いで作ったかは私にはわかりませんが、

かなり「While My Guitar Gently Weeps」を意識したのは確かです。

「While My Guitar Gently Weeps」の場合メロディやアレンジが
非常に際立った曲で素晴らしかったんですが、
更にClaptonがギターで参加しているので悪いはずがありません。

では「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」はどうかというと、

イントロの滑り出しから落ち着いたというのか、
余裕を感じられるところが心地良くまたどこか曲の途中から
スタートした感じすらさせる雰囲気がとても気に入っているんです。

「While My Guitar Gently Weeps」のような緊張感のあるピアノと
エレキの音が交差する様な感じはありませんけど、
独特の粘りと独特な入りは凄く聴きごたえがあると思います。
また「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」が持っている
湿り具合がいかにもGEORGEらしさを印象つけていますし、
GEORGEの歌声に馴染んで来る様なんです。

もちろんGEORGEのスライドも素晴らしくて、曲全体を包む様な
雰囲気をつくりだしているわけなんですけど、
やはりここではJesse Ed Davisのエレキが冴え渡っています。

Jesse Ed Davisってそんなに有名ではないかもしれませんけど、
彼の実力は相当なものでGEORGEが行ったチャリティーライブ
『バングラ・デシュ』でドラッグとアルコール中毒で
実際に当日来るかどうかわからなかったClaptonの代役として
Jesse Ed Davisが呼ばれていた程なんです。
この曲でもスワンプ・ロック・ギタリストたる南部の泥臭いサウンドを

しっかりとギターにのせて表現してくれています。
Jesse Ed Davis自身アルバムを数枚出していますけど、
その作品以上にこの曲で彼の持ち味を
出し切っていると思います。
(ちなみにJohn Lennonのアルバムでも素晴らしいギターを
披露してくれています)

「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」で感じられる
穏やかさはJesse Ed Davisのギターの表現によるものですが、
それと共にDavid Fosterのピアノとストリングスのアレンジが

更にそういう雰囲気を醸し出させているような気がします。

David Fosterはどちらかというとキーボードでの演奏を中心としていて、
特にGEORGEの作品で貢献していますが、
音質の幅が幾分狭いのでいろんな曲に参加していますけど、
彼の演奏の感じはどれも似ていています・・・
まっ、それが個性なんですけど。

ですが、ここではピアノをやっているので、いつものDavid Fosterとは
異なる雰囲気を出していて曲にちょっとした緊張感を
あたえてくれているのも魅力なんです。

メロディ、演奏、アレンジとどれをとっても素晴らしい楽曲ですけど、
聴いていると結構な厚みを感じます。
でもここに参加しているのはGEORGEを含めて5人・・・・
Jesse Ed Davis、David Foster、Gary Wright、Jim Keltnerですから、
本当にいつものメンバーなんですよね。

この5人だから「THIS GUITAR(CAN'T KEEP FROM CRYING)」に
なったのかもしれません。

・・・にしても、この名曲がシングル・カットされたにも関わらず
チャート・インしなかった事が全くもって信じられません。
なんでBillboardにランクされなかったのか・・・???不思議です。
まっ、それでも名曲には変わりませんし、
私はずっとそう思って行きくので良いんです。(^^

さてB面の「MAYA LOVE」ですけど、この曲は74年に発表された
『DARK HORSE』に収録されていた曲です。
出足から♪Māya Love〜Māya Love〜という入りが好きじゃなかったですし、

全体のアレンジもパターン化している様に聴こえていたので
、聴いててもワクワクしなくて放り出していた感じなんです。

アレンジや曲の雰囲気からしたら前の『Living in the Material World』の
流れを踏んでいて私としては慣れはあったと思うのですが、
如何せんアルバム『DARK HORSE』の中に飛び抜けたヒット曲が
なかった上に、♪Māya Love〜Māya Love〜みたいな曲が

収録されているので、当時の私としては曲それぞれの良さを
見出せなかったのでしょうね。

今ではアルバム『DARK HORSE』は大好きな作品ですし、
「Māya Love」も好きでよく聴いたりしているんです。

この曲に限りませんけど、GEORGEの声のダメージがひびいているのと、
アルバムに数録されているそれぞれの曲のアレンジなどが、
そこまで行き届いてない感じが伝わって来てしまって
全体の印象を悪くした様な気もします。

ただそういった声の問題やアレンジの問題は74年に行われた
全米ツアーに合わせてアルバム『DARK HORSE』を制作していたのが、
非常にタイトなスケジュールで作業をやった結果のしわ寄せが
悪い結果に繋がってしまったと思います。

実際アルバム『DARK HORSE』は全米ツアーの終了間際に完成して
発表となりましたが、タイミングがズレてしまったためにセールス的にも
チャート的にも前2作を上回ることが出来なかったのは残念です。
ただその全米ツアーではアルバム『DARK HORSE』から数曲演奏され、

この「Māya Love」も歌われているんです。
今となっては貴重な音源となったわけです。
ライブ音源を聴くとGEORGEが新作アルバムからの曲として
「Māya Love」を紹介していますけど、オーディエンスは知らない曲なので

反応は全くなく、静かな状態で♪Māya Love〜Māya Love〜と
歌い出されるのはちょっと悲しい感じです。
ただ聴いてもらうとわかりますけど、音は臨場感があって
響きもよくて良いと思いますよ。

スタジオ・テイクの演奏メンバーはBilly Preston、Tom Scott、
Willie Weeks、Andy Newmarkといった気の知れたメンツで
固めているのも良いのですが、何か安定しすぎていて曲としての
展開が弱くなった感じもしないでもないです。

でもスライドが全面に入っていて、ホーンや跳ねたベースが
後押ししているとその後発表されたGEORGEの楽曲のベースに
なっていることがわかるんですよね。

このあたりから自分のカラーが固定してきていたのでしょうね、きっと。
なかなか面白いカップリングのシングルですけど、
ちがったタイプの曲が収まっている点では、シングルとしての面白さが
感じ取れて凄く良いんですよ。(^^
https://www.youtube.com/watch?v=GhVrArEaRwg
https://www.youtube.com/watch?v=3MOkSgGZ_kg