VENUS AND MARS/WINGS | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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VENUS AND MARS/WINGS
All songs written by Paul and Linda McCartney (listed as "McCartney"),

except where noted.

●Side One

1.Venus and Mars

2.Rock Show

3.Love in Song

4.You Gave Me the Answer

5.Magneto and Titanium Man
6.Letting Go

●Side Two

1.Venus and Mars (Reprise)

2.Spirits of Ancient Egypt

3.Medicine Jar(McCulloch, Allen)

4.Call Me Back Again

5.Listen to What the Man Said

6.Treat Her Gently – Lonely Old People

7.Crossroads Theme(Tony Hatch)

1973年から1976年というのはPAULにとっても、
そしてWINGSにとって
全盛期だったと思います。

その全盛期の時期で今回アップしたアルバム『VENUS AND MARS』を
発表した時期が一番煌びやかだったのではないでしょうか。

前作『BAND ON THE RUN』では、PAULとLINDAそしてDENNYの3人という

極小メンバーで制作されたわけですが、全世界的に大ヒットをした勢いで
メンバーを補充して、取りかかったのが『VENUS AND MARS』でした。

Jimmy McCullochとGeoff Brittonを新たに加入させ、
「LOVE IS SONG」「LETTING GO」「MEDICINE JAR」をレコーディングしたわけですが、

Allen Toussaintのスタジオでレコーディングする前にGeoff Brittonが

脱退してしまいます。

この頃はメンバーが落ちつかない時期だったので、

個人的には仕方がないな~とあきらめてもいました。
ですがすぐにドラマーのジJoe Englishを迎えレコーディングを始めたのです。
ここでWINGS最強の布陣が出来上がったわけです。

このアルバム『VENUS AND MARS』が発売された時は、
もう友達内では狂喜乱舞して
毎日その話ばかりしていました。

その時の一番人気の曲は「MAGNETO AND TITANIUM MAN」と「MEDICINE JAR」!

個人的には断然「MEDICINE JAR」が好きだったのですが、

この曲はギターのJimmy McCullochの作品だったので・・・
やはりPAULファンは
PAULの曲を一押ししなくてはという友達内の風潮でしたから、

正面切って「MEDICINE JAR」をシングル・カットしてほしいとは言えませんでした。

でもこの曲はいつきいてもゾクゾクしてしまうんですよね。
あのJimmy McCullochのギターは本当にかっこいいんですから。
アルバム『BAND ON THE RUN』ではいろんな面で完璧なつくりが成されていて、
本当に何かを加えることが出来ない感じでしたけど、
この『VENUS AND MARS』では作品そのものに隙間というのか遊びの余裕が
出てきていて、非常にリラックスして聴ける雰囲気を持っています。
派手な曲もあれば、しっかりと聴かせるバラード系もありますし、
ロックな作品も収められていて、バラエティーさが凄く前に出ています。
その代表なのがアルバムのオープニングを飾る「Venus and Mars」です。
この曲はLPのB面のトップにRepriseとして登場していて
LPという流れを上手く使った流れにしています。
この「Venus and Mars」の何とも落ち着いて和む雰囲気が印象的で、
いかにもPULらしいメロディの作りなんです。
Venus and Marsという二つの対比も意味がある様な無いような感じが
良いんですけど、多分別に意味もないとは思いますが、
個人的には非常に大好きな曲で、ずっとこの曲をRepriseとつないで
シングルにしてほしいと思っていたら、次の「Rock Show」のメドレーを
シングルにしちゃいました。
この「Rock Show」はもう~ライブを意識したロック・ナンバーで
本当にアレンジ、ノリ、メロディ・・・どれをとっても聴いている側を
そっくり飲み込んでライブの醍醐味を感じさせてくれる最高の曲ですね。
この曲ではもう~Jimmy McCulloch無しでは成立しなかったと思うくらい、
彼のギターが全面に出てきていて、華やかな雰囲気を作っています。
もう~こういうロック・ナンバーを聴かされたら、ファンは涙してハマるしか
無いんじゃないのかなと思うくらい最高の出来栄えだと思います。
歌詞にはJimmy Pageまで出て来てロック・ファンは更におぉ~って
唸らせてくれるんですから憎いですね~~~
この曲は先に書いた様に「Venus and Mars~Rock Show」として
シングル・カットされ、75年にBillboardで12位まで上昇する
ヒットとなっています。ちなみにシングルではエンディング前に
フェイド・アウトしてしまうので、アルバムとは別編集となっています。
3曲目の「Love in Song」は「Rock Show」とは対比されるような曲で
とても静かな空間に入っているような雰囲気を感じる曲です。
動と静くらいの雰囲気の差が前の曲とはあるわけですけど、
それ故にこの淡々とした素晴らしいメロディが浮きだって来るのではと
思えるくらい耳に残るんです。
シンプルな曲なんですが、非常に計算されたアレンジの細かさには
驚かされるほどです。
キーボード、ストリングス、コーラス、パーカッションといった音が
違和感なく馴染んだ状態で添えられているのはさすがです。
こういう曲がさりげなく入っているところが、この時期のPaulの凄さだと
思えてなりませんね。
そして「Love in Song」に続くのが「You Gave Me the Answer」で
この曲はピアノから入ってくる曲で、ちょっと最初はサラッとした
曲なのかなと思ったら、すぐに昔懐かしい感じのボードビル的な
雰囲気で楽しませてくれる曲に早変わりします。
このへんはPaulの得意としたところで、もう独壇場ですね。
音も少しこもった雰囲気を意図的に使い、バックでは管楽器を上手く
配置して更に昔感に味をつけてくれているんですからいう事なしです。
この曲はPaulのお気にりの様で、よくライブでも披露されています。
5曲目の「Magneto and Titanium Man」はw足しのお気に入りの曲で、
個人的にはシングルにしてほしかったなと思っていた曲です。
最初はなんだかたどたどしい語り調で歌われていて「あれっ?」と
思ったんですけど、サビからの展開がかっこよくて、
Paulのヴォーカルがとにかく映えているんですよ。
曲の引き立て方をちゃんと知っているというのがPaulの凄さでしょうね。
前半の雰囲気と後半の雰囲気の展開の差があって聴きごたえが
十分楽しめる曲だと思います。
さてこのサイド最後の曲は、このアルバムからの第二弾シングルとして
カットされた「Letting Go」で、非常にフックの強いリフが聴ける
素晴らしいロックナンバーです。この曲では
Jimmy McCullochのギターが
堪能的に鳴り響くところが最高にかっこいんです。
Paulもこういう曲を作るんだと驚かされたんですけど、やはりこのずっしりと
した音の重さがとてもいいんです。バックのホーンも良い感じでこの曲を
盛り上げてくれているのが素晴らしいですね。
これほど効果的にホーンが入って来ている曲も珍しいくらいですけど、
ここまでホーンを使っているPaulのプロデュースも素晴らしいです。
この曲はアルバム『WINGS OVER AMERICA』でも聴けますが、
ここでのライブ演奏は最高の仕上がりで聴かせてくれています。
ちなみにこの曲もPaulのお気に入りいで「この曲はシングルにしたら
大ヒットするだろう」と言わしめた曲でしたが、Billboardで39位と止まりは
ご本人が一番驚いた事でしょうね。
この「Letting Go」はシングルになる時に日本で邦題がついて
「ワインカラーの少女」となりました。当時私はアルバムにこういう曲が
なかったので、シングル単独で発売したのかと思ったら、
急遽「Letting Go」に邦題をつけたんです。
ちなみにこの「Letting Go」のシングルは、アルバムとは別バージョンと
なっています。
サイド代わって1曲目は「Venus and Mars (Reprise)」で
A面の「Venus and Mars」の歌詞を変えて演奏されていて、
演奏時間もこちらの方が50秒ほど長くなっています。
エコーのかかったPaulの歌声が素敵です。
この「Venus and Mars (Reprise)」からメドレーとして流れてくるのが
Denny Laineが歌う「Spirits of Ancient Egypt」で、曲はPaulが作っています。
曲はなんとなくオリエントな感じが漂っていて不思議な感じがする曲で、
アルバムを買った当時はちょっと私はいわkんを感じたんです。
Denny Laineが歌っているという事もあるのかもしれませんけど、
なかなかクセのある曲をDenny Laineに歌わせるんだな~って思いました。
でもその不思議さが聴いているうちにクセになって好きになるんですから、
不思議なものです・・・
そして3曲目に流れてくるのが「Medicine Jar」で、私がこのアルバムを
最初に聴いたときにドハマりしたのが、この「Medicine Jar」でした。
曲はJimmy McCullochが作っていて、もちろんヴォーカルも彼です。
とにかく出足のギターが最高にかっこいんですよ。
このギターで私は引っ張り込まれましたからね~~~
メロディも非常に惹きつけるものがあって、この曲は絶対にシングルとして
カットしてほしいと思ったんですけど、その願いはかないませんでした。
まっ、WINGSの曲として考えればシングルは難しいとは思いますけど、
この曲は名曲だと思いますから残念な気持ちになります。
映画の『WINGS OVER AMERICA』でこの曲を演奏するJimmy McCullochは
最高にかっこよかったですよ。
続く4曲目の「Call Me Back Again」なんですが、実はこのアルバムで最初
苦手だったのがこの曲だったんです。
スローな感じの曲でブルージーさもあって、当時の私としては退屈に
感じてしまったんです。聴いているとなんだか永遠と続いている様で
いつ終わるんだろうと思っていたくらいなんですが、
実際この曲はそんなに演奏時間は長くないんですよね。
今は好きな曲ですし、こういった曲がアルバムに入っているとアクセントが
出来て全体に面白い流れが作れていいんです。
更にこのテンポから続く「Listen to What the Man Said」は流れていく
雰囲気が最高に良いんですよ。お膳立てが出来上がってますから、
「Listen to What the Man Said」が流れて来て最大限に盛り上がれます。
この曲では何といっても曲の抜けの良さが最高で、メロディ、アレンジ、
シングルとしてのフックの強さが全て備わったポップス最高峰の曲です。
ギターのリフはDave Masonが弾き、Tom Scottのソプラノ・サックスが
映えた演奏で曲全体の彩度をあげてくれています。
さらにここでのJoe Englishのドラムスが良くて、シンバルの入りとかが
絶妙なんです。こういう所がこの曲が更に引き立っているところなんです。
こういう曲はやはりPaulにしか出来ない曲なんですけど、
やはりこの曲を初めて聴いたときは本当に感動してしまい、
その斬新で新鮮な曲調に感動すらしてしまいました。
本当にシングルになるべくして作られた名曲ですね。
この曲はアルバムからの第一弾シングルとしてカットされて、
75年にBillboardで1位に輝き、RIAA公認ゴールドディスクに輝いています。
この「Listen to What the Man Said」にメドレーで続くのが、
これまた名曲の「Treat Her Gently – Lonely Old People」なんです。
この2曲はメドレーになっていますが、元々別々の曲を持ってきて
繋ぎあわせたものではなく、同時に作られていたそうです・・・
最初からこういう構想で2曲が作られていたそうですが、
初めてこのメドレーを聴いたときは、単に1曲の曲でタイトルが長いのかと
思っていたくらい同じ雰囲気なんですよね・・・
それだったら1曲のとして発表してもって思いますが、そうじゃないんでしょうね。
この曲はアルバムの中でも大好きな1曲で、聴いていると感動しちゃって
涙目になりそうになるんですよね・・・・
この曲も私からしたらシングルのA面にして発表しても良かったと
思うんくらいの名曲なんです。
この名曲の後に流れるのがインストの「Crossroads Theme」で、
曲を作ったのはTony Hatchです。
Paulが人の曲をアルバムに収録するのって珍しいんですけど、
この曲はテレビのオペラ番組のテーマ曲だったんです。
本当かどうかは知りませんが、何でもこの番組が高齢者に人気があり、
先の「Lonely Old People」にひっかけて「Crossroads Theme」を
収録したそうです。ここでのギターの演奏が凄く良いんですよね~。
こういう感動のインストでアルバムを閉じるというのも、
聴いてて凄く広がりを最後まで感じられて良いんですよ。
全体を通して日の打ちどころのない仕上がりのアルバムとして
Paulの代表作として挙げられます。
傑作アルバム『BAND ON THE RUN』とは違った雰囲気を持った傑作として
この『VENUS AND MARS』は私にとっても大切な1枚となっています。
ジャケットも素晴らしいですから、これを眺めるだけでも私は嬉しいです。
ただ残念なのが、これだけクオリティが高い作品にもかかわらず
Grammyにノミネートされていないという事が信じられません・・・・
それだけGrammyというのはわけわからないという事なんでしょう。
最後にこのアルバムはBillboardで1位に輝き、RIAA公認プラチナディスクを
獲得しています。
https://www.youtube.com/watch?v=NgmJktHe_XQ
https://www.youtube.com/watch?v=z_29ira9fyo
https://www.youtube.com/watch?v=NrIE5e4GQ20
https://www.youtube.com/watch?v=YvT8kiam7Hg