LISTEN TO WHAT THE MAN SAID/WINGS | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

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LISTEN TO WHAT THE MAN SAID b/w LOVE IN SONG/WINGS
1975年6月21日にBillboardで1位に輝いたCaptain & Tennilleがヒットさせた

「愛ある限り」を作ったNeil Sedakaがこんな事をタイム誌に語っています。
「ポップスのヒットは帽子をかける鉤が必要なんだ。

鉤はメロディでも詩でもいいけど、詩とメロディが上手く結びついているのが

一番いいんだ。Paul McCartneyはそいつをやってのけたんだ。

あの曲は素晴しいよ!」
これは1975年7月19日にCaptain & Tennilleの「愛ある限り」をBillboard1位から
引きずり落としたWINGSの「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」に向けての賛辞でした。
Neil Sedakaにそこまで言わしめた「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」は
本当にポップスの名曲だと思います。
大ヒットアルバム『Band on the Run』のあとに発表された『Venus and Mars』への
期待は非常に大きかったわけですけど、

その期待に応える・・・それ以上の出来を私たちに届けてくれた証明の様に

「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」を第一弾シングルとして
発表してくれたのですから、ヒットしないわけがありませんよね。
この曲は当初イントロがピアノだけでスタートしていたようですが、
何か物足りないという事でスタジオに遊びに来ていたDave Mason にギターを

弾いてもらい、スタジオの近くに住んでいたTom Scottを呼んでサックスを

演奏してもらったそうです。
こういう偶然性を上手く使うセンスはBEATLES時代からありましたけど、
WINGSでもそのマジックを使ったようです。(^^
でもバンドにはDenny LaineもJimmy McCullochもいたわけですから
このギターリフを彼らに演奏させても良かったのではと素人考えでは思いますが、
それでは煌めきが足りなかったのかもしれませんね。
こういう突発性のアイデアの良い所を上手に取り入れるセンスは

本当に素晴しいと思います。個人的にはこの曲を初めて聴いた時は、

なんて印象に残るポップスなんだろうと思ったのですが、
今ではそういう言葉で説明がつかないほど、

素晴しい曲ではないかなと感じているんです。
『BAND ON THE RUN』の大成功をうけて曲の制作にも余裕が出てきたのか、
それまでにないMcCARTNEY-POPS WORLDを展開してくれています。
雰囲気、あのネズミーランドのような感じですよね。(^^
個人的には後半部分の印象的なメロディの繰り返しが気になるところですが、
その繰り返しはアルバムでは「TREAT HER GENTLY」に続く最高の流れを

作ってくれています。
シングルではフェイド・アウトですから、ちょっと寂しさが残ってしまいますし、
アルバムで曲の始まりでしゃべり部分がカットされているのも残念なんです。
やはりあのしゃべりから入れてもらわないと「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」の
雰囲気がでてこないような気がするんです。
ちなみにこの曲は出足の♪Any time〜Any day〜You can hear the people sayの
部分は一回きりしか歌われず、後は♪Oh〜yes,indeed we know〜のくだりを
4回連続で繰り返してうたうという不思議な曲なんですよね。
さて、そんなメジャーヒット曲のB面になっているのが「LOVE IN SONG」です。
この曲も『Venus and Mars』に収録されている曲ですけど、
PAULの曲作りの凄さを証明するかの様な名曲なんです。
「LOVE IN SONG」というとなんだかちょっと気恥ずかしくなるようなタイトルですが、
このへんをサラッとタイトルにしちゃうのがPAULらしいところで
BEATLES時代やソロ転向すぐにはちょっと考えられない感じです。
ですがWINGS結成後徐々に「LOVE」を表にしたタイトルを出して来たのは
ある意味いろんな箍が良い意味で外れたからかもしれません。
タイトルはちょっとくすぐったくなる感じですけど、
流れるメロディは予想だにしないマイナーな雰囲気を醸し出す名曲なんです。
出足はピアノとギターで静かに始まり、それに伴うようにPAULの柔らかい歌が
浸透するように流れて来ます。
そして♪I can see the places that~ の歌い出しから一気に盛り上がる所は、
やはりPAULの凄さを表現していると思います。
この部分の展開はメロディの美しさ、うねりも素晴らしんですが、
アレンジも非常に素晴しいんです。
先の♪I can see the places that~のバックで流れるLindaのコーラスは
非常に素晴らしいですし、パーカッションの入りや間の使い方も曲を引き立てる
大切な役割を果たしています。
普通だったらこのタイトルを聞いて、こういうマイナーな雰囲気は想像できませんが
それを素晴しいアレンジて表現出来るPAULの才能は凄すぎます。
本当に枯れ具合が秀逸な曲ですけど、75年の『VENUS AND MARS』の頃は
ほんの少しですけどPAULのヴォーカルにかすれを感じてしまいます。
でもそのほんの少しのかすれ具合がこの曲に非常に合っているんですから
偶然とは言え驚いてしまいます。
「LOVE IN SONG」を初めて聴いた時はなんて美しくてフックの強い曲なのだろうと
感激していた私は、この曲はシングルのA面で発売してもいいのではと思います。
それくらい素晴らしい曲だと思っていたんですよ。
こうなると、このシングルは最強のカップリングという事になるわけですね。(^^
最後にこのシングルはBillboardで1週1位に輝き、RIAA公認ゴールドディスクに
輝きました。私としては1週のみの1位に納得はしていないのですが・・・
この時点でソロになってから5枚目のRIAA公認ゴールドディスクとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JifQwN-crfg
https://www.youtube.com/watch?v=mDRBauMP_FM