WHAT'S MY NAME/RINGO STARR | Beatles大好きっ!猫大好きっ!

Beatles大好きっ!猫大好きっ!

BEATLESを中心とした洋楽とニャンコの日々の生活をアップ。

WHAT'S MY NAME/RINGO STARR
1. Gotta Get Up to Get Down/Richard Starkey · Joe Walsh 4:20
2. It's Not Love That You Want/Starkey · Dave Stewart 3:34
3. Grow Old with Me/John Lennon 3:18
4. Magic/Starkey · Steve Lukather 4:09
5. Money (That's What I Want) /Janie Bradford · Berry Gordy 2:56
6. Better Days/Sam Hollander 2:49
7. Life Is Good/ Starkey · Gary Burr 3:11
8. Thank God for Music/ Starkey · Grant Michaels · Hollander 3:38
9. Send Love Spread Peace/Starkey · Gary Nicholson 2:58
10. What's My Name/Colin Hay 3:45
RINGO STARRって元メンバーの中でここまでコンスタントにアルバムを
発表してくれるミュージシャンになるとは思いませんでした。
意外に俳優やったりして過ごすのかなと思っていたら、
RINGO STARRが一番音楽活動が活発な感じなんです。
今回アップした『WHAT'S MY NAME』は2019年に発表された作品で
かなり意欲的なアルバムに仕上がっています。
アップル時代は曲に合ったいろんなミュージシャンとのコラボで
完成させてきましたが、いまは馴染みのあるミュージシャンと
曲作りをしている感じが凄く強いです。
今回もJoe Walsh、Richard Page、Steve Lukather、Benmont Tench、
Edgar Winter、Paul McCartneyといった人たちと再び顔をあわせて
和気あいあいと制作した感じがします。
それではアルバム1曲目の「Gotta Get Up to Get Down」は義理の弟
Joe Walshとの共作曲で、出足から「迷信」みたいなファンキーな
リフが流れ出す押しの強い曲です。カラーとしてはJoe Walshが強く出ている
感じがしてくる曲なんです。かなり1曲めから攻めて来るファンクな音に
驚かされてしまうんですけど、今までのRINGOのアルバムにはなかった
サウンドは非常に新鮮に私の耳に入ってきました。
2曲目の「It's Not Love That You Want」は Dave Stewartとの共作で、
この曲は明るめのロックンロールに仕上がっています。
幾分RINGOカラーが強くなっている分、まろやかさが出ているのかなと
思うんですけど、このへんはDave Stewartがそういう事を前提に
まとめ上げた感じがします。
とても聴きやすいノリの良い曲に仕上がっていて良いんですが、
出来ればもっとこの曲独自のフックのあるアレンジにしてくれたら
目立ってきたと思います。
3曲目の「Grow Old with Me」はご存知John Lennonの死後発表された
名曲です。この曲ではPaul McCartneyがレコーディングに参加していて
かなり「Free bird」の雰囲気に近い作りになっている感じがします。
もともとRINGOはバラードを歌うと素晴らしくハマる声なんですけど、
BEATLES時代もJohn Lennonが作った「Goodnight」を歌っていたりして
相性は良かったので、ここで「Grow Old with Me」の選曲は
外しようがないくらい素晴らしい出来になっていると思います。
こうやって聴くとまるでJohn LennonはRINGOの為にこの曲を
残していたんじゃないのかなと思ってしまうほどです。
この曲の間奏ではGeorge Harrisonを思わせるメロディが流れてきて
BEATLES感がすごく高くなっています。
4曲目の「Magic」はSteve Lukatherとの共作になっていて
Steve Lukatherが絡んでくると独特なギターの音が流れてきて
直ぐに彼がいることがわかります。
個人的にはSteve Lukather感が強いギターは好きではありませんが、
これくらいの存在感のあるギターであればいい感じで聴けます。
ただやっぱりRINGOが歌う曲でSteve Lukatherのような超絶ソロを
織り込んでくるとなんだか雰囲気が違うんじゃないかって思いますねぇ~。
曲はなかなか良くて、今までのRINGOの楽曲には感じられない
フュージョンな雰囲気を味わえるような気がします。
5曲目の「Money」はBEATLESのカバーでお馴染みの名曲ですが、
BEATLES時代はJohn Lennonが歌って圧倒的な凄さを
放っていたわけですけど、この曲を果たしてRINGOが歌いこなせるのかと
心配してしまった私ですが・・・このRINGOバージョンを聴いて
こう来たかぁ~って思ってしまいました。
真っ向から立ち向かったらJohn Lennonに勝てるわけもなく、
勝負は最初からみえているのは明白・・・それをやや加工した歌声で
あの重みのあるロックンロールを変則アレンジでかわしてきたのには
驚いてしまいましたよ。まっ、この変則的なアレンジを聴く側が
どう受け止めるかによって評価が変わる所でしょうね・・・私はOKでした。
6曲目の「Better Days」は出足からなかなか挑発的な演奏で
スタートしてきて、聴く側を惹きつける魅力を持っている曲だと思います。
なかなかヌケもよくて今までのRINGOの雰囲気とは一味違うサウンドを
楽しむことが出来ると思います。
なんとなく見逃してしまいそうなナンバーですけど、これはなかなか
アルバムの中でも印象的な曲だと思います。
7曲目の「Life Is Good」は出足からいい感じで耳に飛び込んでくる
爽やかロックなんです。
全体に明るい雰囲気を醸し出していますし、アレンジやメロディにも
フックがあっていい曲なんですよ。
派手ではないんですけど、全体の仕上がりとしてはクオリティの高い
楽曲なのではないでしょうか。聴けば聴くほど今までのRINGOには
出てこなかったメロディなので個人的には凄く惹かれてしまう曲です。
8曲目の「Thank God for Music」もノリの良い演奏で始まる曲で
聴きやすさを感じる曲です。
良い感じで馴染む曲なんですけど、やや平坦さが気になるので
こういう曲をRINGOが歌うと盛り上がりどころが見えないかなと
思ったりもします。でも曲は聴きやすくて好きな雰囲気なので
私的には押したい一曲なんです。
アレンジをもっと枠から外した方が面白かったかなと思いますが・・・
9曲目の「Send Love Spread Peace」はややゆったり目の曲で
幾分RINGOには荷の重い曲のような気がしてしまいます。
この手の曲はヴォーカルが相当張って来ないと映えてこないと
思うので、RINGOの個性的なヴォーカルではきついような・・・
でもこれはこれで良い感じでは聴けますし、逆にRINGOが歌うのなら
アレンジをもっと個性的にすれば良かったとも言えますね。
そしてこのアルバム最後を飾る「What's My Name」はColin Hayが
作った曲で、典型的なロックンロールナンバーです。
出足からスライド・ギターでグイグイ押してくる曲で、聴きごたえもある
ラスト・ナンバーなんです。
この曲を聴く限りColin Hayっぽさは感じられませんけど、
こういうロックンロールであれば間違いも無いかなとは思います。
でもやはりロックンロールでも勢いでグイグイ来るばかりのアレンジでは
イマイチ印象は薄いような気がしないでもないですね。
このアルバムの全体の印象としては、ここ5~6作の中では一番
内容が好きな作品なんです。
シングル・ヒット性の曲がないのが致命的ではあるんですけど、
アルバムを通して聴いてアルバムのカラーが見えているという事が
凄く良かったと思います。
アップル時代以降の作品は1曲1曲の個性を引き出すよりも
アルバム全体のまとまりを重視するせいなのか、
どうも曲が違っていても全体の色合いが平たんになっているのが
残念な気がします。
やはりRINGOの場合は1曲1曲の個性を引き出すアレンジをつけないと
いけないと思います。それが出来るプロデューサーを見つけることが
RINGOにとっては重要な気がしますね。
最後にこのアルバムはBillboardで127位止まりとなってしまいましたが、
アルバムの内容としては非常に楽しむことの出来る作品ですので、
機会があったらぜひ皆さんにも聴いてもらいたいアルバムなんです。
https://www.youtube.com/watch?v=5wzIz0beyro
https://www.youtube.com/watch?v=HaDhX3D6Ii4
https://www.youtube.com/watch?v=l6rNCbKi6z8