11月20日、三井住友ファイナンス&リース(東京)が子会社を通じてケネディクス株に対してTOBを実施すると公表

ケネディクスは三井住友ファイナンス&リースと資本業務提携する

上場廃止後は三井住友F&Lグループが70%、シンガポールの不動産投資ファンドのARAアセットマネジメントが30%の株式を保有するとのこと

 

三井住友F&Lの前身は、住商リースと三井住友銀リースが2007年10月1日に住商リースを存続会社、三井住友銀リースを消滅会社とする吸収合併をしてできた会社で、現在は三井住友FGと住友商事が50%ずつ出資している。

 

三井住友F&Lの保有物件は150以上。ケネディクスはファンド形式で物件を保有する。

三井住友F&Lはケネディクスの買収で非金融領域の拡大を加速する。

 

リース事業は低金利環境の長期化で成長が頭打ちになっており、各社は再編や新分野の開拓による収益力の底上げを迫られている。

業界では総資産3位の三菱UFJリースと6位の日立キャピタルが21年4月に合併することで合意した。

 

三井住友F&Lの自己資本利益率(ROE)は10%と、業界首位のオリックスと並ぶ高水準を維持。

ROEの高いケネディクスを傘下に取り込むことで、資本効率を一段と高める思惑もある。

 

ケネディクスは米不動産大手ケネディ・ウィルソン・インクの日本拠点として設立された。

運用資産残高は約2.5兆円と国内の独立系ファンドで最大級の規模を誇る。

 

■TOB概要

TOB価格は1株750円

買付予定株数は175,875,200株、下限は102,348,200株、上限なし

TOB期間は11月24日~2021年1月8日まで

買収総額は最大1319億円

 

■専門家

・三井住友F&LはFA及び算定人としてSMBC日興証券、リーガルアドバイザーとしてNO&T、独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてGSを選任

・ケネディクスはFA及び算定人として野村證券、リーガルアドバイザーとしてAMT、独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてグリーン・ヒルを選任

・特別委員会はFA及び算定人としてBofA証券(FOあり)、リーガルアドバイザーとしてMHM

 

■バリュエーション

・SMBC日興証券の算定レンジは市場株価法で536円~568円、DCF法で678円~866円、FOの提出はなし

・野村証券の算定レンジは、市場株価法で536円~593円、類似会社比較法で326円~609円、DCF法で699円~840円、FOの提出はなし

・プレミアムは公表日前日終値に対して26.5%、過去1か月、3か月、6か月の終値平均に対してそれぞれ32.0%、36.6%、39.9%

 

 

■特別委員会

・2020年6月11日~11月20日まで計35回、38時間開催

 

昨日買付期間最終日でしたが何も開示がないことと株価がTOB価格388円を上回って推移していることを踏まえると不成立となりそうです。

昨日終値で443円。

 

常磐開発がMBOを公表。対象者の経営陣のみでファイナンスはみずほ銀行のみのためファンドなしのデットMBO。

13日終値時点で約46億円の時価総額でPBRは0.49倍

本年中にTOB期間が終わる非公開化案件としては最後の案件となります(12月29日は行政の休日の為)。

公開買付者であるエタニティは、常磐開発の代表取締役会長である佐川藤介氏及び対象者の取締役である篠原浩氏が2020年10月13日付で設立した会社で、佐川氏が90%、篠原氏が10%を出資。

 

■TOB概要

・TOB価格は1株7,800円

・買付予定数の下限は522,700株(所有割合で66.67%)、上限はなし

・応募合意は、対象者の筆頭株主であり主要株主である常磐興産(所有割合12.76%)、佐川氏(所有割合0.59%)、篠原氏(所有割合0.01%)の計13.36%

・TOB期間は2020年11月16日から2020年12月28日までの30営業日、TOB決済日は1月6日

 

■専門家

・公開買付代理人はみずほ証券、レンダーはみずほ銀行

・対象者はFA及び算定人としてとラスティーズ・アドバイザリーを、リーガルアドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任

 

■資金調達

・みずほ銀行から65億3400万円をじょうげんとする借入で対応

 

■バリュエーション

・公表日の前営業日終値に対して32.20%、過去1か月、3か月、6か月の終値平均に対して32.97%、35.02%、42.28%のプレミアム

・トラスティーズの算定レンジは市場株価法で5482円~5900円、類似会社比較法で6812円~8458円、DCF法で7149円~8520円

・類似会社比較法では徳倉建設、守谷商会、佐田建設及び金下建設を選定し、EV/EBITDA倍率を用いて算定

・DCF法では、割引率として9.93%~11.93%、永久成長率として-0.5%~0.5%で算定

・トラスティーズはFOの提出はなし

・BPSは12,056円(20年3月末)で修正PBRは0.65倍

・過去10年の株価推移は以下の通り

 

 

11月13日、オープンハウスはプレサンスコーポレーションをTOB+第三者割当増資により連結子会社化することを公表

プレサンスコーポレーションはTOBに賛同表明を示すと共に、応募するかどうかは株主の判断に委ねると決議

すでに両社は資本業務提携契約を締結しており、今回の件を踏まえて資本業務提携契約を変更するとのこと

上場廃止は意図しておらず、今後も上場は維持するとのこと

TOBと第三者割当増資の組み合わせは最近また増えていますね。

 

オープンハウスは荒井社長が約43%保有し、戸建て関連事業、マンション事業、収益不動産事業、その他事業と不動産を中心とした事業を行いテレビCMもバンバン売ってる成長企業。今や時価総額は5000億円を超える状況。

現在、オープンハウスはプレサンスコーポレーションの株式を約31.8%所有、プレサンスコーポレーションの時価総額は13日終値で1,019億円

 

■TOBの概要

・TOB価格は1株1,850円

・TOBの上限は買付後の所有割合を3分の2未満とし、かつ上限が設定可能な範囲において、可能な限り多くの株主に売却機会を提供する観点から19,881,500株(30.68%)に設定し、下限の設定はなし

・応募合意:対象者の創業者かつ前代表取締役社長である山岸忍氏の資産管理会社であり、第3位株主である株式会社パシフィック(所有割合7.13%)及び山岸忍氏(所有割合0.28%)との間で、応募契約を締結

・前代表取締役社長の山岸氏については2019年12月に業務上横領で逮捕されており、それを受けて買付者と対象者は現在の資本業務提携を2020年4月6日に契約したという経緯あり

・TOBの結果応募合意分の7.41%のみだった場合、第三者割当増資と合わせて買付者の増資後の希薄化後所有割合は42.35%

・TOBの応募が上限を超えた場合、第三者割当増資と合わせて買付者の増資後の希薄化後所有割合は64.42%

・買付者は、対象者を連結子会社とすることを主たる目的として本取引を実施するため、本取引により対象者の議決権の過半を取得するに至らず、対象者を連結子会社化することができなかった場合は、対象者株式を追加的に取得する予定とのこと

・TOB期間は2020年11月16日~2021年1月14日までの38営業日、決済日は2021年1月20日

・買付予定数の上限株数まで取得した場合の株式取得代金は約367億円

 

■専門家

買付者側のFA及び公開買付代理人はSMBC日興、

対象者側のFAはトーマツ、リーガルは西村あさひ法律事務所、第三者算定人はプルータスを選任

 

■第三者割当増資の概要

・増資価格は1株1,425円

・増資にかかる取締役会決議日の前営業日である11月12日の終値1583円を10%ディスカウントした価格である一方、TOB価格には、本公開買付により生じるシナジーを分配するという考え方から市場株価にプレミアムを付しているとのこと

・増資株数は3,508,772株(5.41%)で、総額約50億円

・払込期間:2021年1月15日~2021年1月19日

 

■バリュエーション

・TOB価格の1850円は公表日の前営業日終値に対して16.87%、過去1か月、3か月、6か月の終値平均に対してそれぞれ22.27%、28.56%、37.96%のプレミアム水準

・2020年5月8日の相対取得時は1株1100円で31.82%を取得

・SMBC日興のバリュエーションは市場株価法で1341円~1513円、類似会社比較法で703円~1746円、DCF法で1686円~2853円

・プルータスのバリュエーションは市場株価法で1341円~1583円、DCF法で1280円~2119円、FOの提出はなし

・BPSは1906円(20年3月末)でTOB価格ベースの修正PBRは0.97倍

・過去10年の株価推移は以下の通りで10年前対比では株価が相当上がっていますね。

 

 

・過去1年の株価推移は以下の通りで前社長逮捕時に株価が大きく下落しているのがわかります。

 

 

11月13日、ウプシロン投資事業有限責任組合による澤田ホールディングスに対するTOBがまた延長されました。

すでに今年の2月20日から開始されているTOBですが、今回の延長で11月30日までとなり、買付期間としては190営業日に及びます。

ユニゾホールディングスに対するサッポロ合同会社によるTOBは140営業日だったので、私の知る限り過去最長期間になっています。

延長によって新聞公告が都度必要になってくるため都度100万近くの費用が追加されていきます。

 

 

ホームセンター最大手のDCMホールディングスが島忠をTOB(1株4200円)で完全子会社化すると公表し、島忠も当該TOBに賛同していましたが、DCMによるTOB開始後にニトリが島忠に対してDCMよりも高いTOB価格(1株5500円)で対抗TOBを行う事を表明。その後、DCMと島忠がどういった対応にでるかという状況でしたが、11月13日、島忠はニトリのTOBに対して賛同表明を公表しました。同時にDCMのTOBについては応募推奨をする旨を撤回し、応募推奨するかどうかは意見を留保する形に変更

 

島忠の11月13日のプレスリリース

https://ssl4.eir-parts.net/doc/8184/tdnet/1905585/00.pdf

https://ssl4.eir-parts.net/doc/8184/tdnet/1905594/00.pdf

 

 

 

 

■概要
・三井化学及び三井物産は現在本州化学工業の株式をそれぞれ26.99%、26.99%を所有し、いずれも本州化学工業を持分法適用関連会社にしている。

・今回、三井化学及び三井物産はTOB+SQOにより三井化学が51%、三井物産が49%を所有することを企図

・日本、欧州、中国、台湾、トルコの独禁法のクリアランスの関係で2021年5月頃にTOBを開始する予定

・TOB価格1株1830円(公表日である11月11日の終値は1283円)
・下限1,455,200株(12.68%)、上限なし
・TOB期間:未定
・応募合意:なし


■関係者
・買付者側:三井化学はリーガルはMHM、FAはSMBC日興証券、三井物産はリーガルをAMT、FAは野村証券

・SMBC日興と野村はそれぞれ算定書を提出するもFOの提出はなし
・対象者側:リーガルはNO&T、FA及び算定人はトーマツ、算定書の取得、FOの取得はなし

■バリュエーション
・公表日の前営業日である終値1290円に対して41.86%、
・過去1か月、3か月、6か月平均に対してそれぞれ43.64%、42.86%、50.87%
・過去の株価、終値平均に対しては一般的なプレミアム水準である40%前後を踏まえると平均的なプレミアム水準が付与されている状況
・対象者サイドであるトーマツの算定レンジは市場株価法で1213円から1290円、類似会社比較法で1713円~2322円、DCF法で1654円から2043円(DCFの中心値は1848.5円>TOB価格1830円)

・DCFの割引率は9.2%~10.2%、永久成長率は0.7%~1.7%
・買付者側のSMBC日興の算定レンジは、市場株価法で1213円~1281円、DCF法で1718円~2082円

・買付者側の野村証券の算定レンジは、市場株価法で1213円~1290円、DCF法で1358円~1979円

・一方でBPS1782円(20/3末)対比では修正PBRは1.03倍の水準




■スキーム
・TOB+SQOで対象会社を三井化学51%、三井物産49%で合弁化

■考察

 

11月10日、りそなホールディングスが連結子会社の関西みらいフィナンシャルグループをTOB+株式交換で完全子会社化することを公表

現在、りそなHDは関西みらいFGの51.15%の株式を所有

 

■概要
・TOB価格1株500円(公表日である11月10日の前営業日終値は405円)
・下限7.88%(SMBCとの応募合意分相当)、上限なし
・TOB期間11月11日~12月9日(20営業日)、決済日12月16日
・応募合意:SMBCとの間で7.88%

・買付予定金額:661億円(TOB価格×最大買付株数)

・対象者は賛同表明しつつも、応募推奨せず

■関係者
・買付者側:リーガルは西村あさひ法律事務所、FAはBofA証券で算定書・FOの取得はなし、公開買付代理人は大和証券
・対象者側:リーガルは北浜法律事務所、FAは野村證券、算定書の取得、FOは取得なし、公開買付者に対する財務・財務DDはPwCに依頼

・特別委員会:フロンティアマネジメントを財務アドバイザー兼算定人として選定し、算定書・FOを取得

■資金調達
・手元資金で対応
 
■バリュエーション
・公表日の前営業日である終値405円に対して23.46%、
・過去1か月、3か月、6か月平均に対してそれぞれ21.65%、15.21%、19.90%
・過去の株価、終値平均に対しては一般的なプレミアム水準である40%前後を踏まえるとプレミアム水準は低い設定

・対象者サイドである野村證券の算定レンジは市場株価法で398円から434円、類似会社比較法で251円~560円、DDM法で875円から1288円(DCFの中心値は1081.5円)
・DCF法の中心値を大幅に下回る価格設定
・特別委員会の算定人であるフロンティアの算定レンジは市場株価平均法で399円~434円、類似会社比較法で238円~483円、DDM法で790円~1141円。割引率は6.5%~7.5%、永久成長率は-0.1%~0.1%、継続価値の算定におけるPERマルチプルは11倍~12倍。

・DDMの中心値965.5円を大幅に下回る水準

・一方でBPS1243.9円(20/3末)対比では修正PBRは0.40倍の水準




■スキーム
・公開買付者は希薄化抑制の観点から株式交換に先立ち、対象者株式の一部を現金で取得することを模索

・SMBC及びSMFGとの間でSMBCがSMBC信託銀行でを受託者とする退職給付信託に拠出している対象者株式7.88%を現金対価で取得する旨合意できたため、本取引の第一段階としてTOBを実施することを決定

・TOBの下限は当該応募合意分と同数で設定

・応募合意分の株式以外にSMBCは対象者株式を13.37%保有しており、買付者とSMBC所有分で3分の2を超える

・TOB+株式交換で対象会社を100%化

■考察
・プレミアムが15~20%と低いが、これはそもそも買付者であるりそなHDとSMBCで72%弱所有している中でいきなり株式交換を実施することも可能な中、EPSの希薄化を抑制する観点から一部を現金取得するためにTOBを実施したということなので、一般株主からの応募を募る予定もなく、一般的なプレミアムをそもそもつける必要が乏しいことに起因。

・一般株主からしたら蚊帳の外感がありますが、TOBに応募して現金化することもできますし、株式交換でりそな株に交換することもできるので、まぁ法的には何も問題ないですね


 

■概要
・11月9日、麻生の完全子会社の合同会社ASTSホールディングスによる東都水産に対するTOBを実施すると公表

・公表日現在麻生は東都水産の株式を1.62%保有

・TOB価格1株4,550円(公表日前営業日である11月6日の終値は4045円)
・下限1,329,180株(33.4%)、上限なし
・TOB期間11月10日~12月22日(30営業日)、決済日12月29日
・応募合意:なし

・TOBについては賛同し、応募については株主の判断に委ねるとのこと

・上場は維持

・買収金額は181億円(100%買収した場合)

■関係者
・買付者側:リーガルは不明、公開買付代理人は三菱UFJモルガンスタンレー証券、算定書・FOの取得なし
・対象者側:リーガルはOMM法律事務所、山田コンサルティンググループから算定書を取得

■資金調達
・TOBが成立した場合、公開買付者は麻生から185億円の出資を受けて買付資金に充当する

■バリュエーション
・公表日の前営業日である終値4045円に対して12.48%、
・過去1か月、3か月、6か月平均に対してそれぞれ19.45%、30.75%、36.11%
・対象者サイドである山田コンサルの算定レンジは市場株価法で3343円から4045円、DCF法で3922円から4997円(DCFの中心値は4459.5円)
・一方でBPS 4292.55円(20/3末)対比では修正PBRは1.06倍の水準

 



■スキーム
・TOBで対象会社を33.4%~の取得で上場維持前提

■考察

・財務大臣の麻生大臣の関係会社麻生による株式取得

・上限なしにするなら完全子会社化したらいいのでは?