もちろん太さは好みで調整できます。
モサッとした太さではなく腰とハリがあり、ギターやアンプに合わせてスウィートスポットを調整できる個人的 NO.1ブースターです。
高価なブティック系に引けを取らずTS系のMOD品やブティック系を買うよりST9+を買った方が対応力もあり良いと思っています。
もう少し筐体が軽ければ良いんですがズシっと重いのが唯一のデメリット。
そのデメリットを補って余りある優秀なペダルです!
人によっては重い方が使いやすいと言われる方もおられますので、重い方が好きなかったにとっては完全無欠かも知れません。
●9V - 18V(内部昇圧)
9Vでは普通のTSに近く素朴で、18Vは少しレンジが広がりややフラットになりモダンなTSという風に感じました。
念入りにブラインドしたわけではありませんがブラインドで分かる程度には違いがあります。
●センタースイッチ
Classic
500Hz以下から低域に行くに従いカットされていくような一般的なTS系のローカットです。
LOW BOOST 100-200Hz辺りをブーストしたような音程感のあるローがブーストされます。
モードの音圧の落差が激しく音量も変わるためスカスカかズドーンといった極端な感じがします。間が欲しかったというかツマミを回して調整できたら完璧でしたがアンプのEQ等で調整すればどちらも使える音に違いありません。
●MID ENHANCE
このペダルの肝とも言えるツマミで、このMID ENHANCEが秀逸です。
Tube screamer TS9DX にも4つのツマミがあり、MODEで +( プラス)、HOT」、TURBOとあるのですが元の音自体が丸く、更にMODEでローミッド、ローが足されていくという印象でした。
MAXON ST9Pro+ は MIDのピークの位置を変えていきます。
TS系よりもBOSS MT-2Wをローゲインにしたイメージの方が近いかも知れません。
太い音ってローが出るのではなくMIDのピークが丁度良くハマった時に得られるものなんだと気付かされます。
ローが出ているペダルでも単音はペライなんてことがありますが、これはClassicモードでも単音が太く音抜けが良いです。
ギターやアンプ、ピックや機材が変わっても適したMIDブーストが得られるので、このペダルがあればどんな環境でも弾きづらいと感じるようなことは無くなると思います。
●ゲイン
0-9時 サチュレーション
9-12時 クランチ
12-14時 ローゲインOD
14-MAX ミドルゲインOD
最大でミドルゲインですが軽めのローゲインよりはちょっと歪むといった感じです。
歪みの変化はスムーズで調整はしやすいです。
ハムだとゲイン0でも僅かに歪み、クリーンするにはGtボリューム6-5くらいまで落とす必要があるため(PUの出力やポッドのカーブによって大きく異なる)、クリーンブースターとしての用途には向かないように思います。
後段に繋ぐペダルによってはギターボリュームMAXでもST9Pro+の歪み感が薄れるものもあるので組み合わせにもよるかも知れません。
シングルコイルだとゲインMAXでもブルージーな深めのクランチくらいで歯切れが良く気持ちいいです。
●ギターボリュームへの追従性(ハムバッカー)
追従性は悪くないですがハムバッカーの場合はゲイン0で完全なクリーンを出したいなら他のペダルの方が良いかも知れません。
大抵は大音量のバンドアンサンブルでは軽いクランチをクリーンと呼び、プロの方もクリーンはこんな感じですと音を出されると少し歪んでいて、まさにそんなクリーンと呼ばれるクランチだと感じました。
完全なクリーンを使う人は何も知らない初心者かジャズ系の人が多いと思う(ジャズ系でも多くの場合は僅かに歪んでいることの方が多いです)ので、ゲイン0での僅かな歪みは多くのギタリストにとっては許容範囲かむしろ必要ではないかと思われます。
完全クリーンを望まれている場合はギターボリュームを絞った際の音質や音量が許容範囲か?というところは要チェックかも知れません。
ST9Pro+ のゲインをMAXにしてギターボリュームMAXではミドルゲインOD、ギターボリューム6でバッキングに丁度良いクランチ。
ゲイン12時にしてギターボリュームMAXでブルージーなクランチ、ギターボリューム6でクリーンに近い歯切れの良いクランチ(バンドではクリーンという認識)。
ゲイン9時にしてギターボリュームMAXで強く弾くと歪むサチュレーション、ギターボリューム6でクリーンといった感じです。
●歪みの質
9Vは従来のTS系、18Vは洗練されTS感のある現代的なODでブルースブレイカー系(BB系)に近いのかも知れません。
●帯域
基本はTSでMID ENHANCE でミドルのピークを変えトーンで高域を調整でき、TS系の中では音作りの幅がかなり広いです。
●コンプ感
ゲインゼロでハムだとギターボリューム6-5まで絞らないとクリーンにならないことからコンプ感は強めと思われます。
絶妙でジビアになるほどオープンではなく、コンプ感があからさまということもなく自然でアンサンブルに適したニュアンスが出せる調整です。
鼻詰まり感はTSに慣れてる人からすると薄めで、TSじゃないと思うほど薄すぎはせず丁度良いです。
TS独特の鼻詰まり感はミドルとコンプによるものだと個人的に考えています。もし誤りでしたらご教示願います🙏
●ボリューム (LEVEL)
ゲイン0、LEVELは9時くらいで原音と同じくらいの音量です。
LEVEL MAX では8-10db程ブーストされているように感じます。
ブースターとして申し分ありません。
●トーン
正確に調べたわけではありませんが3kHzの耳に痛い辺りを調整出来るので、耳に痛くなく抜けの良い音が作れます。
●苦手なこと
リードソロからバッキングまでこなせるオールマイティかつ優秀なペダルですが、強いて言えばカッティングはより高域の得意なペダルの方がマッチするかなというくらいです。
カッティングもいけるのですがミドルが出ているので高域のシャリーンとした感じに特化したペダルの方がカッティングにはより向いているのではないか?程度でデメリットという程ではありません。
●個人的な総評
超優秀なオーバードライブ/ブースターペダルです。
●購入経緯
Ibanez TS10 とほぼ同じ音でより使いやすいなどのレビューを見かけ Ibanez SUPER TUBE を探しているときに同シリーズの比較動画で、一番好みだったのが ST9Pro+
古い音は Ibanez TS10があるし、耳で良い感じた感覚を信じて買ってみたました。
元々Ibanez贔屓でギターも2本持っていてエフェクターもIbanezで揃えようなどと思っていたのですがTS808HWV2のノイズやらポップノイズ(突入電流)問題で品質低下を感じ、今はMAXON贔屓です。
元々Ibanez(星野楽器株式会社)のエフェクターはMAXON(日伸音波製作所)がOEM生産していてSRVのTSもMAXONが作っていたわけですし、今も誠実にエフェクターを作っているに違いないと勝手思っています。
知名度のIbanez、実力のMAXONというイメージを持っていたりします。(Ibanezのギターやエフェクターは今も使ってるのでお許しを🙏)
●コラム的なもの
私より上の先輩方にはMAXONを使われている方はボチボチおられますが、私が高校生の頃にはエフェクターはBOSS!安いのはGUYATONE(グヤトーン)という感じで、IbanezやMAXONのエフェクターはほぼ意識したことは無く気がつきませんでした。
少しするとLine6のマルチなど流行りました。
そういった背景があり、個人的な感覚ではMAXONはかなりマニアなペダルという印象があり、MAXONを使っている人は突き詰めて辿りついた通な人が多いように思います。
私自身400個程試したエフェクターの中で終盤になってMAXONに辿り着いたから、そう感じるというのもあります。
MAXON素晴らしいです!
まだ新品で買ってそれほど経っていないので発見などあれば追記します。
それではまた♪
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MAXON / ST9Pro+ -Super Tube- ST9-Pro+ マクソン ブースター オーバードライブ
