〈明日を照らす〉 テーマ:心を一つに
広宣流布の大願へ、師と共に、同志と共に心を合わせて前進する。その時、私たちの胸中には無限の勇気と希望が広がります。一切衆生の救済をめざす、偉大な仏の生命が、脈々と涌現するからです。今回の「明日を照らす」では、「心を一つに」をテーマに学んでいきます。
“同志と共に”が団結の要諦
志有らん諸人は、一処に聚集して御聴聞あるべきか。
富木殿御書(止暇断眠御書)
【通解】志ある人々は(手紙の内容を)一所に集まってお聞きなさい。
◇ ◇ ◇
“皆で集まり、この教えを学び合って進んでいきなさい”。日蓮大聖人は、門下の中心者の一人であった富木常忍に仰せです。
当時、大聖人は、竜の口の法難、佐渡流罪と大難を勝ち越え、身延で弘法を貫かれました。同じ頃、門下も、激しい迫害と戦っていました。
そうした状況の中、大聖人は筆を執られ、“弟子たちに断じて信仰を手放させるものか”と、広宣流布に生き抜く人生の崇高さを示されます。そして、そのことを記した手紙を互いに読み聞かせ、語り合っていくようにと、教えられているのです。
苦難に直面した時、支えとなるのは、共に進む同志の存在です。一つの場所に集まって、苦楽を分かち合い、共に師匠の指導を学び、互いに真心の励ましを送っていく。団結の方程式は、今も変わりません。
池田先生はかつて、この一節を拝して、つづっています。
「よし! 同志と『一処』に集まろうと、勇んで行動を起こせば、その潔き『志』によって、決然と魔を打ち破れる。そして師匠の指導を学び合い、共々に広宣流布の誓願へ『師子王の心』を取り出していくのだ」
師の心を胸に、同志、学会と共に進んでいこう!――いつ、いかなる時も、創価の団結は、この志によって、築かれてきました。これこそ、私たちの団結の要諦なのです。
「師の大願」を「わが誓願」に
総じて、日蓮が弟子檀那等、自他・彼此の心なく、水魚の思いを成して、異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉るところを、生死一大事の血脈とは云うなり。 生死一大事血脈抄 文永9年(ʼ72)2月11日 51歳 最蓮房
【通解】総じて日蓮の弟子檀那たちが、自分と他人、彼と此という分け隔ての心をもたず、水と魚のように親密な思いを抱き、異体同心で南無妙法蓮華経と唱えていくことを、生死一大事の血脈というのである。
◇ ◇ ◇
生命の根源を明かし、あらゆる人々の幸福を開きゆく南無妙法蓮華経の大法――この「生死一大事の法」をどのようにして、未来に流れ通わせることができるのか。
日蓮大聖人は、その肝要について、「日蓮の弟子檀那たち」が「異体同心の団結で南無妙法蓮華経と唱え抜く」ことにあると、述べられました。
門下が、師と心を一つに合わせて立ち上がれば、あらゆる障魔に打ち勝ち、広宣流布の大願を果たしていけることを大聖人は御確信になっていたのです。
池田先生は本抄の講義で、次のように呼びかけました。
「『異体』を『同心』にしていく信心の努力と誠実な行動によって、三代の師弟が築いた仏意仏勅の和合僧団を拡大していっていただきたい。それ自体が、広宣流布の道であり、世界平和への確かな前進だからです」
広宣流布大誓堂完成10周年から、創立100周年へ。全世界の池田門下が、誓いも新たに出発しました。前途には、学会が仏勅のままに前進するがゆえに、障魔が競い起こることもあるでしょう。
しかし、私たちが「師の大願」を「わが誓願」と定めれば、どんな困難も乗り越えられます。「師弟共戦」の祈りと行動で、さらなる勝利を開いていきましょう。
竹は、バラバラに生えているようで、地下ではがっちりとつながり、天を突く――私たちも広布という大目的を胸に、未来へ伸びゆこう