〈明日を照らす〉 テーマ:世界の安穏へ


恩納村の沖縄研修道場には「世界平和の碑」が立つ。かつて米軍の核ミサイル発射台だったこの場所は今、池田先生の提案により、平和の発信地に日蓮大聖人の思想と行動は、世界の人々の幸福を願う慈悲に満ちています。
 「一人一人が自身の尊厳を最高に輝かせながら、真に安穏で平和な世界へ、共に前進しゆくための大哲理」――池田先生は、日蓮仏法を、そう表現しました。
 今回の「明日を照らす」は「世界の安穏へ」をテーマに学んでいきます。
 大集経の白法隠没の時に次いで、法華経の大白法の日本国ならびに一閻浮提に広宣流布せんことも疑うべからざるか。
 (撰時抄、新173・全265)
 大集経の白法隠没の時に次いで、法華経の大白法が、日本の国をはじめ一閻浮提に広宣流布することも疑ってはならないことであろう。
平和を創出する主体者
 “危機の時代こそ、世界広宣流布の時なのだ!”との、日蓮大聖人の御覚悟が伝わってきます。
 「白法隠没」とは、正しい教えが見失われる時代のこと。法滅の末法を、万人成仏の大法が世界に広がる転換点とすべく、大聖人は立ち上がられたのです。 また本抄で大聖人は、国主等が正法に目覚めなければ「前代未聞の大闘諍(かつてない大きな戦乱)」(新165・全259)が起こることを予言されています。
 東西冷戦の渦中、この一節について、池田先生は語りました。
 「われわれは、第二次世界大戦をもって、『前代未聞の大闘諍』と決定しよう。どんなことがあっても、第三次世界大戦は起こさせない。そのことを御本尊に強く願い、死身弘法を誓おうではないか。広宣流布という世界の恒久平和、人類の幸福を、必ず達成しようではないか」
 固い信念のままに、池田先生は自ら先頭に立ち、地球規模の平和闘争を貫いてきました。
 そして今、“師に続き、わが地域から平和の潮流を”との決意に立ち上がった創価の青年たちが、対話の力で、人間主義の連帯を広げる時代になったのです。
 10月2日は、池田先生が初めて海外歴訪に出発した「世界平和の日」です。
私たち一人一人も、平和を創出する主体者である自覚を新たにしていきましょう。
 汝、すべからく一身の安堵を思わば、まず四表の静謐を?るべきものか。(立正安国論、新44・全31)
 自身の安心を考えるなら、あなたはまず社会全体の静穏を祈るべきではないのか。
「自他共の幸福」を祈る
 日蓮仏法を現実社会で実践する私たちにとって、永遠の指標ともいえる一節です。
 「一身の安堵」とは、一個人の安心のこと。その実現のためには、社会の安定が不可欠です。生活の基盤が揺らげば、個人の幸福も失われてしまうからです。
 ゆえに、自身の安心だけを目指すのではなく、何よりもまず、「四表の静謐」すなわち、地域社会、さらには世界の平和を祈ることが大切であると仰せです。
 日蓮大聖人の御精神のままに、私たち創価学会員は日頃から、自身の人間革命と宿命転換を目指しながら世界の安穏を祈り、苦悩する友の幸福のために励ましを送り続けています。
 さらに、積極的に地域の発展に尽くし、人間のつながりが希薄化する現代社会に信頼の輪を広げているのです。
 池田先生は、掲げた御文を通して教えています。
 「わが一念の変革から、人生も、環境も、やがて世界も変えていける。その人間革命の哲理が、どれほど勇気と希望の光源となることか。『自他共の幸福』を祈り、友情の対話と社会への貢献を積み重ねることこそが、最も地道でありながら、最も確実な世界平和への直道なのだ」
 国際紛争や気候変動の脅威にさらされる現代。分断と不安に覆われた時代だからこそ、創価の哲学を語り広げ、足元から平和への一歩を踏み出していきたい。