〈明日を照らす〉 テーマ:団結の力
創価学会は、異体同心の団結で、世界広宣流布を進めてきました。今回の「明日を照らす」は、「団結の力」をテーマに学びます。
御文
総じて、日蓮が弟子檀那等、自他・彼此の心なく、水魚の思いを成して、異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉るところを、生死一大事の血脈とは云うなり。
(生死一大事血脈抄、新1775・全1337)
【通解】総じて、日蓮の弟子檀那等が、自分と他人、彼と此という分け隔ての心なく、水魚の思いで、異体同心に南無妙法蓮華経と唱えるところを、生死一大事の血脈というのである。
同志の結合こそ勝利の方程式
いかなる苦難にあっても、弟子たちが強い絆で団結して祈っていくところに、「生死一大事の血脈」は流れ通っていく――。この御聖訓のままに広布に挑む創価学会には、日蓮大聖人直結の信心の血脈が受け継がれています。それは、学会が“励ましの団体”であるからにほかなりません。
続く部分では、「もし、この通りになるならば、広宣流布の大願も成就するであろう」(新1775・全1337、通解)と仰せです。異体同心の団結で戦いに挑むことこそ、広宣流布を成し遂げるための不変の鉄則であり、勝利の方程式なのです。
池田先生は、「大聖人に直結して、広宣流布へ邁進しゆく同志の結合は、わが学会の他には、どこにもない。あの友の勝利も、この地の栄光も、『自他彼此の心なく』祈りゆく、異体同心の極致の団結が、我らにはある」と、つづっています。
仲良き信心の連帯で、広宣流布の勝利を築くことができるのです。
御文
たとい身命に及ぶとも退転することなかれ。
富木、三郎左衛門尉、河野辺等、大和阿闍梨等、殿原・御房たち、各々互いに読み聞かせまいらせさせ給え。かかる濁世には、互いにつねにいいあわせて、ひまもなく後世ねがわせ給い候え。
(法華行者逢難事、新1304・全965)
【通解】たとえ大難が身命に及ぶようなことがあっても、退転してはならない。
富木、三郎左衛門尉、河野辺等、大和阿闍梨等の殿たちや御房たちに、互いに読み聞かせて差し上げなさい。このような濁世には、互いに常に話し合って、ひまもなく後世を願うようにしなさい。
集って語れば前進の原動力に
「大変な時だからこそ、同志と励まし合いながら信心を貫いていきなさい」
流難の佐渡の地から、門下一同に送られた御文です。御執筆された当時、日蓮大聖人だけでなく、門下への迫害も激しさを増す中、互いに師の手紙を読み聞かせ合い、語り合っていくことの重要性を教えられています。
苦難に直面した時、人は自身の弱い心に引きずられてしまいがちです。だからこそ私たちは、学会の組織で同志と共に前進していくことが大事です。
小説『新・人間革命』第27巻「激闘」の章で山本伸一は、この御聖訓を拝して次のように語っています。
「信心を学び、勇気をもって実践していくには、人間対人間の触発、啓発が不可欠です。同志が集い合っては、仏法の教えを語り合い、確認し合っていく。それによって、“よし、頑張るぞ!”と決意し、新しい挑戦の歩みを踏み出すことができる」
師匠の指導を学び、同志と語らうことが、前進の原動力となるのです。
御文
日蓮が一類は、異体同心なれば、人々すくなく候えども、大事を成じて一定法華経ひろまりなんと覚え候。悪は多けれども、一善にかつことなし。譬えば、多くの火あつまれども、一水にはきえぬ。この一門も、またかくのごとし。
(異体同心事、新2054・全1463)
【通解】日蓮の一門は、異体同心であるから、人数は少ないけれども、大事を成就して必ず法華経は広まるであろうと思うのである。悪は多くても、一善に勝つことはない。例えば、多くの火が集まっても、一水によって消えてしまう。この一門も、また同様なのである。
異体同心の連帯で民衆の凱歌へ
異体同心であれば、大事を成し遂げて、必ず法華経を広めていくことができる!
日蓮大聖人が、広宣流布実現のための要諦として本抄で示されているのが、「異体同心の団結」です。
「異体」とは、それぞれの個性や特質が異なっていること。「同心」とは、志や目的を同じくすることです。一人一人がありのままの自身の生命を輝かせて信心に励み、広宣流布を目指していくことを指します。
この“信心による団結”は、広宣流布達成のための手段ですが、同時に、目指す目標でもあるといえます。人々が深い次元で互いを尊重し、大きな目的を成し遂げるために力を合わせていく。人々が強い絆で結ばれたこの学会の組織の様相にこそ、世界平和の縮図があるからです。この理想の連帯を広げゆくことが私たちの使命なのです。
池田先生は、つづっています。
「『異体同心』こそ、広宣流布の要の中の要である。人類が夢見た人間共和の最極の連帯を、我らは築いているのだ。いかなる魔性も、創価の『一善』の前進を阻むことは断じてできない。人数ではない。師弟誓願の祈りで異体を同心とし、金剛不壊の団結で突き進むのだ。どんな逆境もはね返し、民衆の正義の凱歌を轟かせようではないか!」
信心の団結があれば、何事も必ず成就することができる!――この確信を胸に進んでいきましょう。