今日も快調です。万歩計が、11,111歩頑張ります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240420/17/sgds1954/24/65/j/o0486108015428272872.jpg?caw=800)
糖尿病に最善の注意が必要!
2024年4月20日
中年以降の体重増減と認知症リスクの関係性、糖尿病患者の寿命や減塩についての調査やアンケートに基づく話題を紹介します。また、子どもの誤飲事故防止に資する情報も紹介します。
●糖尿病患者の寿命延びている●
日本で糖尿病と診断された人の寿命が、2020年までの10年間で男性が3・0年、女性が2・2年、それぞれ延びていることが、日本糖尿病学会が医療機関を対象としたアンケートで明らかになりました。
同学会が1970年代から10年ごとに実施している調査の5回目。「糖尿病の死因に関する委員会」(委員長・中村二郎愛知医科大学先進糖尿病治療学寄附講座教授)が、全国208の医療機関から登録された糖尿病約6万9千人と非糖尿病の約16万5千人の死亡時期や死因を解析しました。
その結果、糖尿病患者が亡くなった時の年齢は平均で男性約74歳、女性約77歳。日本人全体の寿命の伸びを上回り、寿命の差は縮まりました。
死因について調べると、1位はがん、2位は感染症。70年代には42%を占め、80年代まで1位だった脳梗塞、心筋梗塞、慢性腎不全などの「血管障害」は90年代に2位、2000年代に3位と順位が下がっていました。今回調査では死因に占める比率が70年代の4分の1になりました。薬剤などの進歩が貢献したとみられます。
一方で、死因中のがんの比率は70年代の25%から増え続け、今回は39%。国民全体では28%で高止まり傾向なのに対して上昇傾向がみられ、糖尿病患者でのがんの予防、管理の重要性が示されました。
糖尿病のよく知られた合併症である慢性腎不全が死因となった割合は、70年代の13%から下がり続け、今回は2・3%と国民全体の2・0%とほとんど差がありませんでした。
糖尿病の増加の半面、糖尿病から人工透析が必要な慢性腎不全になる人数は減少に転じており、こちらも薬剤などの進歩を裏付ける結果となりました。
●体重変化と認知症――減少でより高いリスク●
中年期からの体重の増加と減少ではいずれも認知症のリスクが高くなりますが、体重減少のほうがより強く関連することが、国立がん研究センターなどで行っている多目的コホート研究班の調査で分かりました。高知大学の安田誠史教授(公衆衛生学)らのチームが国際専門誌(2023年11月23日付、アルツハイマーズ・ディメント)に発表しました。
研究班は、特定の保健所管内に住む人を通じて、生活習慣と病気の関連を調べています。今回は、1990年と93年に秋田、茨城、長野、高知、沖縄に居住していた40~59歳の約3万7千人を対象に、研究開始から10年間の体重の変化と、認知症を発症するリスクを分析しました。介護保険情報に基づき、2016年までに約3千人が認知症と診断されたことを把握しました。
分析の結果、10年間で体重の変化がなかった人を基準とした認知症のリスクは、体重がおおむね4%より増加した男性は1・23倍、女性は1・21倍だったのに対し、おおむね3%以上体重が減少した男性は1・49倍、女性は1・51倍となり、増加より減少した人のほうがリスクが高い結果となりました。男女差はみられませんでした。
研究班によると、肥満の人は動脈硬化や血糖値を下げるインスリンの効きの悪化、蓄積した内臓脂肪から放出される炎症性物質などの影響で認知症のリスクが高まるとされていますが、体重減少と認知症の関連ははっきりと分かっていません。
研究班の安田さんは「認知症の症状が現れる前に脳内の変化が起こり、嗅覚の変化や食欲の低下で食事の摂取量が減ることが考えられます。体重減少が認知症を起こすのではなく、認知症の兆候の可能性があり、早期発見のために中年期の体重減少に注意を払う必要があります」と指摘しています。
●おいしく減塩したいとの消費者意識●
食生活での塩の取り過ぎは気になるし減塩を試してみたいけれど、3人に1人は「減塩はおいしくない」とのイメージを持っている――。そんな消費者意識が、国立循環器病研究センターの調査で明らかになりました。
脳卒中や心筋梗塞などの予防のために同センターが進める「かるしおプロジェクト」の一環。2023年1月、日本人全体と同じ年齢と性別の比率となるように成人1万人にインターネットを通じて調査しました。
その結果、「かるしお」の認知度は8%。減塩食品のイメージとして「おいしい」が8%だった一方、「おいしくない」が3人に1人の33%でした。ただ生活習慣を改善したいかとの問いには「既に」「将来は」「できれば」と前向きな回答が77%を占め、減塩に限っても「したことがある」が36%、「やってみたい」も42%でした。
減塩を意識している人417人に聞いた減塩のきっかけは、複数回答で「血圧測定」35%、「健康診断」32%と、検査数値が気がかりな様子。一方、医療機関や家族に勧められても実際に取り組むのは2割未満でした。実際の取り組みを尋ねると、複数回答で「塩を取り過ぎない」が75%。以下「野菜を多く」69%、「麺類などのスープを残す」46%、「腹八分目」45%などが続いた一方、塩分量を購入時に確認したり、外食時に気を付けたりするのは各2割程度にとどまりました。同センターは、店頭での減塩食品売り場の拡大や減塩食品のバリエーションの拡大が課題としています。
同センターでは、これまでに600件以上のかるしお商品を認定しマークを交付。定期的に開く減塩レシピコンテストの優秀作などをウェブサイトや出版物で紹介し、活用を呼びかけています。
●子どもの誤飲事故防止のために●
日本中毒情報センターは、日本たばこ協会の協力で、子どもの誤飲事故を防止するためのリーフレットとポスター、動画を作成し、センターのウェブサイトで公表しました(https://www.j-poison-ic.jp/general-public/stopgoin/)。子どもがいる家庭や幼稚園、保育園、医療機関での活用を呼びかけています。
誤飲する物ではたばこが多く、特に加熱式たばこによる事故の割合が増え、中にはとがった金属片が入っている製品があると注意喚起しています。
ほかにも薬や化粧品、乾燥剤、電池やおもちゃ、灯油、殺虫剤・防虫剤などを例示。周囲の大人ができる具体的な予防策として、0歳、1~2歳、3歳以上に分けて、物の置き場所や対象となる製品、いざという時の対処法を紹介しています。
※イラストはPIXTA